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AirPods Pro 2レビュー:買い替えの価値アリ、絶対的な選択肢

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Yusuke Sakakura公開日:2022/09/25 15:20
AirPods Pro 2レビュー:買い替えの価値アリ、絶対的な選択肢

Appleが初めてAirPods Proをアップデートしました。最初の発売から実に3年ぶりとなる待望の新型モデルです。

間違いなく3年ぶりのアップデートですが、写真を見てのとおり外観は何も変わっていません。

スピーカーから伸びたステム、耳穴を密閉するカナル型、カラーはホワイト1色、ノイズキャンセリング用の黒メッシュのマイクなど、見た目はほとんど同じです。

一方で、イヤホンや充電ケースの中身は3年分を感じられるアップデートが詰まっています。AirPods Pro 2を使い始めたその日、その時から3年分の進化を確かに実感できます。

効果2倍のアクティブノイズキャンセリング

3年前に登場したAirPods Proが高く評価されたのは、周囲の環境音をシャットアウトするノイズキャンセリングの精度でした。

小さな粒のようなイヤホンながら生活音や地下鉄で電車の走行音を消し去るパワーには誰もが驚いたはず。

しかし、AirPods Proの発売をきっかけにノイズキャンセリングに注力するフルワイヤレスイヤホンが増え、今ではAirPods Proを上回るイヤホンもいくつか存在しています。

3年で驚きがなくなったAirPods Proのノイズキャンセリング。最新モデルではノイズの低減量がなんと2倍に増えたことで再び驚きを取り戻しています。

最大2倍のノイズを消すノイズキャンセリング搭載
最大2倍のノイズを消すノイズキャンセリング搭載

ガシャガシャ音が鳴るKeychron K2のメカニカルキーボードの打鍵音や、エアコンから鳴るポコポコ音など耳障りな室内音は、AirPods Pro 2を耳に入れてノイズキャンセリングをオンにするだけで音楽を鳴らさなくても、わずかに聞こえる程度までしっかり減音されます。

不快な高音域の車輪の音や空気を切り裂くゴォーッという走行音が鳴り響く地下鉄では、ノイズキャンセリング非対応のAirPods 3の場合、音漏れ覚悟で音量を上げないとまともに聞こえないこともあります。

一方、AirPods Pro 2では、ノイズキャンセリングをオンにすれば、音量ゲージの半分でもしっかり音を感じられます。音量を必要以上に上げなくて良いので、音漏れを気にする必要はありません。

最大2倍の雑音を消す効果を確かめるために、前世代のAirPods Proでも同じように地下鉄でノイズキャンセリングをオンにしてみると、不快感のないレベルまでは落としてくれます。

ただ、カーブなど走行音がさらに大きくなる場所においては、AirPods Pro 2との差は歴然で、これまで満足していたものが途端に物足りなく感じます。

おそらくAirPods Pro 2を上回るノイズキャンセリングを備えたイヤホンも存在するでしょう。直近ではBoseが世界最高とアピールする「Bose QuietComfort Earbuds II」を9月29日に発売します。

他を圧倒的に引き離すほどの性能ではないかもしれませんが、ほとんどの人が満足する性能は実現されています。

新しい外部音取り込みモード

強力なノイズキャンセリング機能を使うと、作業や勉強に集中するあまり、周りが見えなくなることがあります。

特に屋外でワークアウトする場合は、周りの音が聞こえないと危険で、後ろから近づいてくる自転車などに気づかなかったり、電車に乗っている時には、到着駅のアナウンスを聞き逃して乗り過ごしたことも何度もありました。

聞きたい音が聞き取れないからと、ノイズキャンセリングをオフにすると当然ながら大量のノイズも拾ってしまいます。

ノイズ低減は前世代の毎秒200回から毎秒48,000回に大幅アップ
ノイズ低減は前世代の毎秒200回から毎秒48,000回に大幅アップ

そんな時に便利なのが外部の音をイヤホン内に取り込みながら適度なノイズキャンセリングが動作することで、後ろから近づいてくる自転車や車などの音を察知して安全を確保できる「外部音取り込み」モードです。

外部音取り込みモードは、聴きたい環境音を耳に取り込む便利な機能ですが、改造されたマフラーを装備した車やバイクの爆音まで取り込んでしまいます。

爆音による不快感だけでなく、危機感を覚えることもありますが、新たに追加された「適応型環境音除去」によってAirPodsが爆音を検知すると、自動で音量を下げて不快感を軽減します。

また、H2チップの効果なのか外部音取り込みモードも、より自然に聞こえるようにアップデートされているようです。前世代のAirPods Proで感じていた音が詰まったような違和感が明らかになくなっています。

ついにAirPods単独で音量調整が可能に

最も嬉しいアップデートもやってきました。

新しいタッチコントロールを搭載したAirPods Pro 2では、Apple WatchやiPhone、人前では恥ずかしいHey Siriも使うことなく、ステムを上下にスワイプして音量を調整できます。

ステムを上下にスワイプして音量調節が可能に
ステムを上下にスワイプして音量調節が可能に

ヘッドホン型のAirPods Maxを除けば、AirPods単独による音量調整が可能になったのは今回が初めてです。

Powerbeats Proのような専用ボタンを用意せず、ジェスチャー操作によって音量調整を実現するのはAppleらしい発想ですが、使用感はどうでしょう。

スワイプ操作を認識すると「トン」と軽やかな通知音が鳴り、最大音量になると「ピン!」と高い音で警告し、ゼロ音量になると「ポン」と低い音でフィードバックしてくれる機能が用意されています。

屋内など静かな場所では通知音がしっかり聞こえるものの、地下鉄や屋外など大量にノイズのある場所では、聞き取れなくなってしまう問題はあります。それでも単純に音量を調整するだけならストレスはありません。

ステムを上下にスワイプしてAirPods Pro 2から指を離した時に音量が調整される(スワイプよりもフリックに近い操作感)ことと、耳を保護するために連続で音量を変えるには複数回のジェスチャー操作が必要ですが、知っていればすぐに慣れます。

問題なのはランニングなど激しい上下運動を伴うワークアウト中に音量調整ができるのかという点。

第2世代までのAirPodsには、スピーカー部分をタップすると、音楽の一時停止や曲をスキップできましたが、動きの激しいワークアウトでは、正常にタッチ操作を認識せずまったく使い物になりませんでした。

タッチ操作に比べれば、AirPods Pro 2のスワイプ操作は激しい動きを伴うランニングでも正確に認識します。ただ、Powerbeats Proのボタンのように完璧に動作するわけではありません。

AirPods Pro 2も高いフィット感を実現していますが、耳にしっかり固定する必要があるワークアウト用のイヤホンは別のイヤホンを選んだ方が良いでしょう。

音質。低音強化も劇的な進化なし

Appleは最新のH2チップと再設計されたドライバとアンプをAirPods Pro 2に搭載することで、音質を向上させました。

鮮明でクリアな高音と深みのある豊かな低音を極めて忠実に再現。

わかるようでわからないようなAppleの説明ですが、前世代のAirPods Proと聴き比べてみると、低音の響きは明らかに強くなっています。

ただ、全体的に劇的な進化なく、音質の違いよりも大きく進化したノイズキャンセリングによる音の聞こえ方、感じ方に差があるように思います。

低音の響きが強くなったAirPods Pro 2
低音の響きが強くなったAirPods Pro 2

これまでAirPodsは音質で買うイヤホンではなく、ノイズキャンセリングや「魔法のような体験」を得るために買うイヤホンと評価してきましたが、AirPods Pro 2もその評価を覆すものではありません。

IMAO

イヤホンをレビューする上で、最も難しいのが音質。

ここに写真を貼って前世代や他の競合機種と比較するだけで、言いたいことが伝わるカメラの画質は明らかに違います。

音質を評価する表現には「伸びやか」「なめらか」「音がクリア」「深みがある」「丸みがある」「音の情報量がどうのこうの」などありますが、どれもこれもピンと来ません。ピンと来る人います?

音質は目に見えず、味覚のように感じ方は人それぞれ。実際に自分の耳で音を聴くまではわかりにくいものです。Apple Storeが近くにある場合は、購入前に試聴した方が良いでしょう。なお、Apple公式サイトやApple Storeで購入した場合は、受け取りから14日以内なら返品できます。

詳細こちらから確認できます。

劇的に進化した充電ケース。紛失しにくく見つけやすく

充電ケースは今回もホワイト1色。素材はプラスチックで高級感はありません。

AppleはiPhoneやiPadにおいてProを名付けたモデルに特別な外観や素材を採用することがありますが、イヤホン型のAirPodsはすべて同じ素材と外観です。

キズつきやすいプラスチックケース
キズつきやすいプラスチックケース

キズだらけになってしまうケースは今回も同じ。わずか2日で細かな傷が多数付きました。3年経てば前世代のAirPods Proと同じように黄色みかがるでしょう。

キズと変色を回避したい人は、購入してすぐにケースに入れることをおすすめします。嬉しいことに充電ケースの大きさは変わってないのでケースは使い回しできます(スピーカーとストラップホールを塞いでしまうので注意)

外観や大きさこそ劇的に変わってないものの、大きく進化しています。

ストラップホールで紛失しにくく

ケースの側面には、ストラップホールが新たに追加されたことで、バックパックやカバンに固定して紛失しにくくなりました。

カバンから取り出した瞬間にAirPodsを落とす人もいたと思いますがストラップで解決です。

ストラップホールで紛失を防ぐことも可能に
ストラップホールで紛失を防ぐことも可能に

アクセサリーが大好きなAppleですが、AirPods関連のアクセサリはまったく注力しておらず、Apple純正のケースもストラップも販売していません。

Apple公認メーカーのインケースがApple公式サイトで1,800円のストラップを販売していますが現時点で4-6週間待ちです。

なお、ストラップホールの直径は4~5mm程度で太いものは通すことができません。

AirTag機能内蔵。紛失したAirPodsが探しやすく

ストラップホールで紛失しにくくなった充電ケースには、新たに“忘れ物を探す天才”の「AirTag」と同じU1チップが内蔵されています。

これまでもiPhoneの探すアプリを使って、紛失したAirPodsの位置を「近いです」「ここ」といったメッセージを確認しながら、無くした場所をおおまかな場所を確認できました。

U1チップを搭載したAirPods Pro 2では、充電ケースを落とした場所の「方向」や「距離」まで表示されるため、よりカンタンに正確な場所にたどり着くことができます。

U1チップが方向と距離を表示
U1チップが方向と距離を表示

ただ、U1チップは短距離通信のみ可能なため、職場や学校、カフェなどあまりにも遠く離れた場所にAirPodsを置き忘れた場合は使えません。

そんな時は探すネットワークによって、落としたAirPodsの近くを世界中のAppleユーザーが通ると、自動で安全に通信することで、iPhoneからAirPodsを落とした場所を確認できます。

万が一、AirPodsを悪意のある人に拾われても、他人など異なるApple IDでサインインしたデバイスとは、ペアリングできない盗難機能にも対応しているので安心です。

充電ケースも音で見つける

充電ケースには、新たにスピーカーが搭載されました。

音が鳴ってワイヤレススピーカーとして使えるわけではなく、充電ケースがどこか行ってしまった時にiPhoneから遠隔で操作することで、充電ケースの音を鳴らして場所を特定できます。

充電ケースにスピーカーが追加
充電ケースにスピーカーが追加

これまでのAirPodsも音を鳴らすことができましたが、ケースに収納されている時はほとんど音が聞こえませんでした。AirPods Pro 2は、クッションの下や棚の中など音が響きにくい場所にある時でも大きな音で発見できます。

また、充電ケースをLightningケーブルやワイヤレス充電した時、AirPods Pro 2をケースに戻すとき、充電ケースのバッテリー残量が少なくなった時も優しい通知音が鳴ります。

これまであまりにも短い時間しか点灯しなかったLEDは見逃すことがほとんどで、充電されているのかわからないため、特にワイヤレス充電でLEDを見逃した場合は、充電パッドから一度離して、もう一度乗せるといった余計な動作をすることが多くありましたが、これからは音で充電の開始を確認できます。

防滴対応。MagSafe充電も

充電ケースはMagSafe充電、Apple Watchの充電器にも対応
充電ケースはMagSafe充電、Apple Watchの充電器にも対応

昨年、AirPods Proは大々的に発表することなく、マグネットを活用することで位置ズレのないワイヤレス充電のMagSafeに対応しました。

Apple Watchの充電器を使って、AirPods Pro 2を充電することも可能です。

IPX4の防滴にも対応したことで雨程度なら気にすることなく利用できます。

まとめ:Appleユーザーにとって最良の選択肢

SCORE4.0
5
AirPods Pro 2

It's GOOOOD!!

  • 2倍の進化を感じられるノイズキャンセリング
  • 待っていたAirPods単独の音量調節機能
  • AirTagのように正確な位置を検索できる充電ケース

TOUGH...

  • キズつきやすいプラスチック充電ケース
  • Lightning端子
  • 高額な価格設定

AirPods Pro 2は前世代の発売から3年も待たせた割には噂されたようなデザインの変更はなく、劇的な音質の向上もありません。Lightning端子もそのままです。

一方でノイズキャンセリングは大幅な進化を遂げ、新しいタッチコントロールによって待望のAirPods単独での音量調整に対応、スピーカーとストラップホール、U1チップを内蔵した充電ケースは紛失しにくく、見つけやすくなるなど、3年分のアップデートを確かに感じられるモデルになっています。

音質など性能面でAirPods Pro 2を上回るものは他にあるはずですが、前世代のモデルは2020年から2022年上半期までフルワイヤレスイヤホン市場で1位を取り続けるなど、圧倒的な支持を得ています。

これはiPhoneやiPad、MacといったApple製品で使用する最も優れたフルワイヤレスイヤホンがAirPodsであることをユーザーが知っていることの表れでしょう。

どれだけ音質を上回るイヤホンがあったとしても、使用中のデバイスを検出して自動で接続先をスイッチする機能や、紛失したAirPodsを世界中のAppleユーザーが探してくれる強力な探すネットワーク、新しい音の体験が楽しめる空間オーディオなど、優れたエコシステムの存在によって、AppleユーザーにとってはAirPodsが最も優先される絶対的な選択肢です。

絶対的な選択肢には、開放感とフィット感を両立させたAirPods 3、最も手頃なAirPods 2、そして最上位モデルのAirPods Pro 2が用意されています。

どのAirPodsを選択するかはノイズキャンセリング機能を必要とするかしないかで決まります。

通勤や通学で地下鉄を毎日利用する人やカフェやレストランなど騒がしい場所で勉強や作業する人など、毎日大量のノイズを浴びる人にはAirPods Pro 2を選ぶべきです。

頭を悩ませているのは前世代のAirPods Proユーザーでしょう。当時30,580円で購入できたイヤホンは3年後に39,800円まで値上がりしました。

劇的な進化はないものに4万円近い出費は多くの人がためらうはず。無理に買い替える必要はなく、今使っているAirPods Proの寿命が来た時に買い換えるのが良いでしょう。

ただし、円安の影響を受けてAppleは7月に大幅な値上げを行い、わずか2ヶ月後に発売されたAirPods Pro 2も1,000円値上げされました。iPhone 14も同様に値上げされており、10月発表が噂される新型iPadやMacも同じように値上げが予想されます。

今後も円安が止まらなければ、再値上げも考えられることから今のうちに買い換える選択もアリでしょう。4万円と高額ですがAppleユーザーにとってこれ以上のフルワイヤレスイヤホンはどこにも存在していません。

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