2018年9月13日、新型iPhoneとして「iPhone XR」「iPhone XS」「iPhone XS Max」の3機種が発表された。
発表からわずか1日後の9月14日(金)16時1分から予約受付がスタートするが、どのiPhoneを購入するかまだ迷っている人も多いはず。この記事では「iPhone XR」「iPhone XS」「iPhone XS Max」の3機種にどういった違いがあるのか比較・解説する。
目次
サイズ・デザイン
iPhone XR・iPhone XS・iPhone XS Maxの最も大きな違いはボディサイズだ。
特に「iPhone XS」と「iPhone XR」のどちらかで迷っている場合はボディサイズに注意が必要。というのも、3機種のなかでも最も機能性や性能が劣る「iPhone XR」のボディサイズは「iPhone XS」よりも大きい。これまでのiPhoneにはなかった傾向だ。
「iPhone XR」は液晶のLiquid Retinaディスプレイを採用しているため、他の機種よりもベゼル幅が広く、横幅は「iPhone XS」よりも5mmほど広くなっている。販売価格は高額だが、片手操作を重視するのであれば「iPhone XS」を検討した方が良いだろう。
ちなみに、iPhone 8(138.4 x 67.3 x 7.3mm)に比べると、「iPhone XS」は縦幅が5.2mm、横幅が3.6mm大きく、「iPhone XR」は、縦幅が12.5mm、横幅が9.2mm大きい。
3機種のなかで最もサイズが大きい「iPhone XS Max」は、iPhone史上最大のディスプレイを搭載するが、ベゼルレスデザインを採用することでiPhone 8 Plus(158.4 x 78.1 x 7.5mm)に比べて縦幅は0.9mm、横幅は0.7mm小さく、意外にもボディサイズはシリーズ最大ではない。PlusシリーズからMaxへの乗り換えはスムーズなはずだ。
ボディの素材は「iPhone XR」が航空宇宙産業で使用されている7000シリーズのアルミニウム、「iPhone XS」と「iPhone XS Max」は医療機器と同じグレードのステンレススチールを採用している。見た目は光り輝くステンレススチールが優れているがアルミニウムに比べて傷が付きやすい。
ボディサイズ・重さを比較
iPhone XR | iPhone XS | iPhone XS Max | |
---|---|---|---|
縦幅 | 150.9mm | 143.6mm | 157.5mm |
横幅 | 75.7mm | 70.9mm | 77.4mm |
厚さ | 8.3mm | 7.7mm | 7.7mm |
重さ | 194g | 177g | 208g |
素材 | アルミニウム | ステンレススチール | ステンレススチール |
ディスプレイ
「iPhone XS」と「iPhone XS Max」は、昨年のiPhone Xに続いて有機ELディスプレイを採用する。有機ELには、明るさ・広色域・色の再現性といった弱点があるが、Appleが独自開発した「Super Retina HDディスプレイ」は発色の良さ・高精細・薄さ・省電力といった強みをそのままに弱点を克服している。
従来のiPhoneが採用する液晶ディスプレイと「Super Retina HDディスプレイ」には圧倒的な表現力の差がある。以下は画像では同じ写真を表示しているが、高いコントラストによって朝日はより赤く、空はより青く、影はより濃く表現されていることがわかる。
「iPhone XR」に採用されている「Liquid Retina HDディスプレイ」は、従来のiPhoneと同じ液晶方式だが、Appleは高度なカラーマネージメントにおいて業界最先端で最も正確な色を反映するとアピールする。ただし、コントラスト比はまさに桁違いで表現力の面ではやはり有機ELには遠く及ばない。
機能面では画面をタップしてスリープの解除が可能だが、3D Touchには非対応のため、LINEのメッセージを既読を付けずに読むといったことができない。
なお、画面サイズが最も大きい「iPhone XS Max」は、iPhone 8 Plusと同じようにランドスケープモードをサポートしている。
画面サイズ・解像度を比較
iPhone XR | iPhone XS | iPhone XS Max | |
---|---|---|---|
画面サイズ | 6.1インチ | 5.8インチ | 6.5インチ |
種類 | 液晶ディスプレイ | 有機ELディスプレイ | 有機ELディスプレイ |
解像度 | 1,080 x 2,160ピクセル | 2,436 x 1,125 ピクセル | 2,688 x 1,242 ピクセル |
コントラスト比 | 1,400:1 | 1,000,000:1 | 1,000,000:1 |
画素密度 | 326ppi | 458ppi | 458ppi |
HDR | x | ○ | ○ |
3D Touch | x | ○ | ○ |
ランドスケープ | x | x | ○ |
カメラ
「iPhone XS」と「iPhone XR」は、広角レンズと望遠レンズで構成されるデュアルカメラを搭載している。一眼レフカメラで撮影した写真のように背景ボカシが適用できるポートレートモードが利用できるほか、ワンタッチで画質の劣化がない光学式2倍ズームが利用できる。
新しいセンサーをのぞく基本的なハードウェアの性能はiPhone Xと同じだが、カメラのソフトウェア処理が大きく進化した。白飛びや黒つぶれを抑え、明部と暗部をよりキレイに記録する新機能「スマートHDR」、さらにシャッターラグなしでのHDR撮影、撮影中・撮影後も被写界深度を調整してぼかし具合を調整できる新機能「深度コントロール」、被写体と背景の境界線をより精巧に表現する「Advaced Bokeh」などをサポート。
「iPhone XR」のカメラは、iPhone 8シリーズとシングルカメラだが、ソフトウェア処理はiPhone XS/iPhone XS Maxと同じでポートレート撮影にも対応する。
カメラのスペックを比較
iPhone XR | iPhone XS | iPhone XS Max | |
---|---|---|---|
バックカメラ | 12メガピクセル ƒ/1.8 2倍高速なセンサー 光学式手ぶれ補正 最大5倍デジタルズーム |
デュアル12メガピクセル 2倍高速なセンサー 広角:ƒ/1.8、望遠:ƒ/2.4 デュアル光学式手ぶれ補正 最大10倍デジタルズーム 光学2倍ズーム |
|
フロントカメラ | 7メガピクセル ƒ/2.2 まったく新しいビデオ手ぶれ補正 1080p HDビデオ撮影・60fps |
||
ポートレートライティング | アウトカメラ:3つのエフェクト インカメラ:5つのエフェクト | 5つのエフェクト | 5つのエフェクト |
深度コントロール | ○ | ||
スマートHDR | ○ |
バッテリー・電池持ち
スマートフォンの不満点として上位にあがってくる「電池持ち」。ボディサイズが最も大きく、低消費電力に優れる「iPhone XS Max」が最良というイメージを抱く人も多いだろうが、意外にも電池持ちは「iPhone XR」が最も長い。
公称値ながらも「iPhone XR」と「iPhone XS」の電池持ちには小さくない違いがある。インターネットの利用時間は3時間、ビデオ再生は2時間、オーディオ再生は5時間も「iPhone XR」の方が長い。電池持ちを重視するのであれば「iPhone XR」を検討しよう。
iPhone XR | iPhone XS | iPhone XS Max | |
---|---|---|---|
比較 | iPhone 8 Plusより 最大1.5時間長い電池持ち | iPhone Xより 最大30分長い電池持ち | iPhone Xより 最大90分長い電池持ち |
連続通話時間 | 最大25時間 | 最大20時間 | 最大25時間 |
インターネット | 最大15時間 | 最大12時間 | 最大13時間 |
ビデオ再生 | 最大16時間 | 最大14時間 | 最大15時間 |
オーディオ再生 | 最大65時間 | 最大60時間 | 最大60時間 |
高速充電 | 30分で最大50%の充電可能 | ||
ワイヤレス充電 | ○ |
パフォーマンス
3機種ともA11 Bionicに比べて最大15%高速化された処理性能、最大50%の低消費電力化、最大50%高速化された描画性能、毎秒5兆の演算処理が可能なNeural Engine、最大9倍高速化されたCore MLを内包する「A12 Bionic」を搭載するためパフォーマンスに差はないようだ。
防水
「iPhone XS」と「iPhone XS Max」は、これまでに発売されたiPhoneよりも高い性能を誇るIP68等級の防水に対応している。これによって最大水深2メートルで最大30分間まで耐えるようになった。スペシャルイベントでは塩水、ビール、ワイン、オレンジジュースなどで試験を行ったことが明かされているが、プレスリリースでは炭酸水やコーヒー、紅茶からの水没を保護すると案内されている。
一方、「iPhone XR」は、従来と同じくIP67等級の防水で最大水深1メートルで最大30分間まで耐えることができる。
防水性能を比較
iPhone XR | iPhone XS | iPhone XS Max | |
---|---|---|---|
防水等級 | IP67 | IP68 | IP68 |
目安 | 最大水深1メートル | 最大水深2メートル | 最大水深2メートル |
デュアルSIM・eSIM
新形iPhoneは、シリーズ史上初のデュアルSIMとDSDSをサポートしたモデルとなった。
デュアルSIMのメリットは、複数の回線と電話番号を使い分けできること。主に活躍するのは海外旅行だ。SIMカードを抜き差しすることなく海外でネットが利用できる。さらに、iPhoneのデュアルSIMは物理的なSIM+eSIMによって実現されているため、通常、海外でネットを利用する場合は現地でプリペイドSIMを購入したり、日本でレンタルWi-Fiを借りる必要があるが、eSIMによってiPhoneの設定画面から携帯電話事業者と契約ができる。
「iPhone XS」と「iPhone XS Max」はもちろん、スペシャルイベントでは触れられなかったが、「iPhone XR」もデュアルSIMをサポートしている。
販売価格・ストレージ
ストレージは、「iPhone XR」が64GB/128GB/256GBの3種類で、「iPhone XS」 と「iPhone XS Max」は、64GBと256GBに加え、iPhone史上最大容量の512GBをラインナップする。
販売価格は以下のとおり。いずれも税別
SIMフリー版の販売価格
iPhone XR | iPhone XS | iPhone XS Max | |
---|---|---|---|
64GB | 84,800円 | 112,800円 | 124,800円 |
128GB | 90,800円 | ー | ー |
256GB | 101,800円 | 129,800円 | 141,800円 |
512GB | ー | 152,800円 | 164,800円 |
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予約開始日・発売日
昨年と同じく一部モデルの予約開始日と発売日が遅れる。「iPhone XS」と「iPhone XS Max」は9月14日(金)16時1分から予約開始、発売日は9月21日(金)だ。「iPhone XR」は10月19日(金)16時1分から予約開始、発売日は10月26日(金)となっている。
iPhone XR | iPhone XS | iPhone XS Max | |
---|---|---|---|
予約開始日 | 10月19日(金) 16時1分から | 9月14日(金) 16時1分から | 9月14日(金) 16時1分から |
発売日 | 10月26日(金) | 9月21日(金) | 9月21日(金) |
アンケート:新型iPhone、どれを買う?
🇯🇵どの新型iPhoneを購入する?
— Yusuke Sakakura🍎携帯総合研究所 (@xeno_twit) 2018年9月12日
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