2026/11/07 19:27

iPhone Duo対応アプリが10万本突破。それでもLINEやPayPayが未対応の背景を考える

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Y.Sakakura

Appleは11月6日、折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」に対応したアプリが10万本を突破したと発表しました。

10月23日の発売からわずか2週間で、Microsoft WordやZoom、Goodnotesなどの人気アプリが対応。現在も毎日数千本のアプリが追加されているとのこと。

一方、Googleの一部アプリやApple Storeなど、主要アプリにも未対応のものが残っています。

10万本のアプリが黒い余白なしで表示できる

Appleのワールドワイドデベロッパリレーションズ担当バイスプレジデント、スーザン・プレスコット氏によると、iPhone Duo向けに開発されたアプリはすでに10万本を大きく超え、毎日数千本の最適化されたアプリがApp Storeに追加されています。

また、開発者の対応を支援するため、世界19都市で50回以上の対面ワークショップを開催。2,000人以上の開発者が参加し、実際にiPhone Duoを操作しながらアプリを最適化できる環境を提供してきたとのこと。

It's been wonderful to see how quickly developers have embraced iPhone Duo, and we're grateful for their creativity and innovation. Today there are well over 100,000 apps built for iPhone Duo already live on the App Store, and thousands of optimized apps are being added to the store each day. In the last month alone, thousands of developers have joined us for workshops in 19 cities around the world to experience iPhone Duo firsthand and bring updated apps to their users. The enthusiasm has been incredible, and we're excited to see the pace of updates continue to accelerate as more and more apps optimize for iPhone Duo.

最近、iPhone Duoに対応したアプリには、Microsoft Word、Excel、PowerPoint、Zoom、Goodnotes、Etsy、Halide Mark III、NBA、NHLなどがあります。

iPhone Duoに対応したアプリは、App Storeで「iPhone Duoにおすすめのアプリとゲーム」といった形で特集が展開されています。また、最適化されたアプリには「対応デバイス iPhone Duo」のバッジが表示され、対応状況を確認できます。

App Storeで「iPhone Duoにおすすめのアプリとゲーム」といった形で特集が展開

MacRumorsがAppleに確認したところ、今回の10万本という数字は、iOS 27.1 SDK以降でビルドされたアプリを指しています。

iPhone Duoでは、ビルドに使用したSDKによって画面の表示方法が異なりますが、iOS 27.1 SDK以降でビルドされたアプリは、内側と外側の両方で画面いっぱいに表示できます。

「対応」と「最適化」は別

Appleは、標準的なSwiftUIやUIKitのコンポーネントを使用したアプリにおいては、各ディスプレイに自動的に適応すると説明していました。

こうした説明だけを見ると、最新のSDKでビルドするだけで簡単に対応できるようにも思えますが、発売から2週間が経過した現在も、多くの主要アプリが未対応のままです。

TikTokやLightroom、Kindle、Google Health、Googleカレンダー、Googleドキュメントなどのオフィスアプリ、Duolingoなども未対応。

日本国内でよく使われているアプリでは、ZOZOTOWN、LINE、PayPay、Suica、Starbucks、楽天マガジン、マクドナルド、みてねなども、実機で未対応であることを確認しています。

LINEはiPhone Duo非対応

さらに、画面いっぱいに表示できる「対応」と、iPhone Duoの特殊な画面形状に合わせて操作性まで「最適化」されていることは別です。

例えば、Instagramを内側のディスプレイで起動すると、画面いっぱいにアプリが表示され、画面の右端にはボタンが並びますが、余白が多い状況は変わりません。

画面を回転するとボタンが複数の方向に散ってしまい、一瞬ボタンがどこにあるのかわからなくなるなど、最適化されているとは言い難いものです。

インナーディスプレイで縦向き(左)、横向き表示(右)
インナーディスプレイで縦向き(左)、横向き表示(右)

iPhone Xの登場時と似ているが、状況は大きく違う

iPhone Duoの状況は、2017年にiPhone Xが登場したときと似ています。

iPhone Xでは、従来の16:9から約19.5:9へと画面の縦横比が大きく変わり、従来の画面サイズを前提に開発されたアプリでは上下に黒い余白が生じたことから、開発者は新しい画面比率や表示領域に合わせてレイアウトを見直す必要がありました。

ただし、当時と現在では決定的に違うことがあります。

AppleはiPhone Xを、今後のスマートフォンの方向性を示す製品として発表しました。当時のワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデント、フィル・シラー氏も、iPhone Xを今後10年のiPhoneの始まりになる製品だと位置付けていました。

一方、iPhone Duoが今後の主流になるかは不明です。少なくとも短期間でそうなることはないでしょう。現時点では供給不足が続いており、購入したいユーザーにも十分に行き渡っていません。

開発者にとっては、技術的に対応できるかどうかだけではなく、限られた開発リソースを割り当てるだけの理由があるかどうかも重要です。

今、リソースを増やすのであれば、iPhone Duo対応ではなく、AIの脅威に備えるためのセキュリティ対策のはずです。

iPhone Xのように将来の主流になるという見通しが立っていれば、早期に対応する理由も明確になりますが、iPhone Duoには、まだそこまでの確実性がありません。

Appleが推奨するのは、iPhone Duo専用の対応ではない

iPhone X以降、通常のiPhoneは約19.5:9の画面比率を維持してきましたが、iPhone Duoではこれまでと大きく異なり、外側と内側ではディスプレイの大きさも違います。

こうした変化に合わせて、Appleは以前から推奨してきた、画面サイズに依存しないアプリ設計の重要性を改めて強調しています。

すでに推奨される設計を採用しているアプリなら、最新のSDKでビルドするだけで対応できる場合もあります。一方、特定の画面サイズを前提とした実装があればコードの見直しが必要になり、さらにボタンの配置や操作方法など、使いやすさを考えた最適化も求められます。

言われているほど、iPhone Duoへの対応は簡単なものではないはずです。

実際、iPhone Xでも主要アプリの対応には時間がかかりました。9月12日の発表から11月3日の発売まで約7週間ありましたが、LINEやGmail、Googleマップが対応したのは発売から約1か月後でした。

発売から4か月以上が経過した2018年3月にも、未対応の人気アプリが多数残っていたことをMacRumorsが報じています。

こうした前例を考えると、発売からまだ2週間のiPhone Duoで未対応アプリが多く残っているのも不思議ではありません。対応アプリは10万本を突破したものの、主要アプリの対応が出そろうまでには、もう少し時間がかかりそうです。

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情報元:Apple

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