楽天モバイル、通勤・通学の“動画止まり”対策を強化。人混み・地下鉄・山手線でつながりやすさ改善
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

楽天モバイルがユーザーから改善要望が特に多いエリアを中心に、これまでの改善状況を報告しました。
楽天モバイルでは、契約者数が1,000万を突破したことに伴い、トラフィックが「非常に増加している」といいます。
背景にあるのは行動の変化です。特に2025年の後半から若い世代を中心に“流し見”文化が広がっているとのこと。移動中やスキマ時間でも動画を流し続ける視聴スタイルが増えたことで、ネットワークへの負荷が一段と高まっているという見立てです。
そこで楽天モバイルは、繁華街や人が集中する場所、地下鉄などを重点エリアとして対策を強化。通勤・通学の時間帯でも、動画視聴などのデータ通信をストレスなく楽しめるよう、体験の質を上げる取り組みを進めてきたと語りました。
繁華街や人混みで5Gを強化
繁華街や人混みで「つながりにくい」という声があることを受け、楽天モバイルが対策として進めているのが5G基地局の追加開設です。
帯域幅の広い5Gに流すことでトラフィックを分散。通勤・通学の時間帯でも動画をスムーズに視聴できる環境づくりを進めています。以下の画像は、5G基地局の工事を進めている場所にピンを立てたものです。

具体的には、首都圏のほぼ全域を対象に、住宅地やオフィス街はもちろん、線路沿いなど、さまざまな場所で対策を実施。人の動きに合わせて、混雑する場所でも快適なネットワークを構築する狙いです。
5Gの強化は山手線でも進行中です。2025年12月時点で主要18駅の5G対応が完了しており、3月をめどに主要駅はほぼ完了する見通しだと説明しました。
さらに、東京ドームやKアリーナ横浜など、スポーツやライブで人が集中する大規模集客施設でも電波対策を実施。こうした取り組みを通じて、矢澤社長は「公共の施設等で、ネットワークスピードを非常に感じていただける」としています。


5G NSAによるパケ詰まりの懸念
5G基地局の運用方式には、SAとNSAの2種類があります。
NSAでは、まずアンカーバンドである4Gに先につながり、条件が整うと5Gにつながる仕組みです。ただし、アンカーバンド(4G)が混雑していると、いわゆるパケ止まり・パケ詰まりが起きるケースもあります。
この点に関して矢澤社長は「まだNSAでのパケ詰まりはほとんど起きてない状況」と説明。とはいえ、技術的にはSAの方が利用者体験が向上することから、SAは最優先で対応するとしています。
なお、楽天モバイルは5G SAのサービス開始時期を2026年としていますが、現時点で具体的な開始時期は明らかにしていません。

地下鉄も前倒しでつながりやすく
楽天モバイルが保有しているのは他社に比べて周波数の高い電波ということもあり、地下ではつながりにくいと指摘されてきました。矢澤社長も「本当にお客様の声をいただいていた場所」とし、最優先で対応してきたと語ります。
そこで同社は、より速く、よりつながりやすい通信環境を提供するために「東京地下鉄強化計画」を推進。具体的に、各社が共同利用する共用基地局の帯域幅を5MHzから20MHzに拡張し、混雑時などの通信品質を改善するものです。
2026年1月末時点の最新状況として、東京メトロでは新宿や渋谷、青山一丁目、恵比寿、虎ノ門、新橋などで大幅強化が完了。7月には北千住や押上、豊洲、秋葉原、人形町、大手町、有楽町といった東東京エリアでも大幅強化が完了する見込みです。
都営地下鉄では、おおむね大幅強化が完了しており、7月時点では人形町や日本橋、新橋、汐留、高輪台から西馬込まで大幅強化が完了予定です。







この日のプレスカンファレンスは六本木で行われましたが、矢澤社長は会場に移動するまでの地下鉄において、乗り換え駅も含めて動画をスムーズに視聴できたと説明します。ユーザーからも「地下鉄でつながりやすくなった」「動画が見やすくなった」といった声を「非常にいただくようになってきている」と語りました。
同様の改善は大阪メトロ、名古屋市営地下鉄、札幌市営地下鉄、福岡市営地下鉄など全国の地下鉄でも進行中です。
また、地下化が進む小田急や東急、京成、りんかい、京王、相模、東京モノレールなど、私鉄の地下区間においては2025年12月時点で100%対応済みとなっています。
利用者の声を起点に改善へ
つながりやすさを改善するうえで欠かせないのが、利用者の声を手がかりに「どこが混んでいるのか」「どこでつながりにくいのか」を素早く把握することです。
楽天モバイルは、サービス開始当初から取り組んできたこの仕組みを大幅に強化。電波改善フォームに加え、SNSやコールセンターへの問い合わせも含めて24時間体制で監視し、3分以内に返信できる体制を整えているといいます。



例えば、どの駅のどの出口の電波が悪かったかといった具体的な報告があれば、改善予定の有無や、今後の対応方針について3分以内に返答。状況によっては、観光地やイベント開催地、デパートの食品売り場など人が集中しやすいスポットへ足を運び、現地調査を行ったうえで改善につなげています。さらに了承が得られれば、利用者の自宅周辺で調査を行うケースもあるとのことです。
こうした取り組みの成果として、契約当初と比べた電波・通信への印象の変化を尋ねたところ、「通信改善を実感」している人の割合は、2024年の77.8%から2025年には83.2%へと増加したとしています。

















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