AppleがGoogle Chromeを強烈に批判するキャンペーンが話題になっています。
日本向けに公開されている「Safariへの乗り換え」ページでは、Safariを「爆速」、Chromeを「鈍足」と表現。さらに、プライバシー保護については、Safariが「あなたを守る」のに対して、Chromeは「あなたを晒す」とまで書いています。
Appleの強烈な比較キャンペーン
Appleは「Safariへの乗り換え」というページで、「Safariの得意なところ、Chromeと比べてみました。」という見出しとともに、両ブラウザを比較。かなり強い言葉でChromeを批判しています。
例えば、スピード比較においては、Safari側にサングラスをかけたウサギを使い「爆速」と表現するのに対して、Chrome側にはカタツムリを背負ったウサギを配置して「鈍足」と表現しています。
バッテリー駆動時間についても、Safariは緑色のバッテリーが満タンになっているのに対して、Chromeは赤色で残量がほとんどない状態として描かれています。
なかでも強烈なのが、プライバシー保護に関する比較です。
AppleはSafariを「あなたを守る」、Chromeを「あなたを晒す」と表現。Chromeでは、より多くのサードパーティトラッカーがユーザーの行動を追跡し、収集したデータを広告主に販売できるようにしていると説明しています。
Safariの優位性をアピールするだけでなく、Chromeに対して明確にネガティブな印象を与える内容です。
Chromeは本当に鈍足でバッテリー消費も激しい?
Appleは、SafariならChromeよりウェブサイトを最大35%高速に読み込めるほか、動画のストリーミング再生を最大5時間長く楽しめると説明しています。
どちらもMacでのテスト結果のため、iPhoneやiPad、Windows PCなどで同じ差が生じるとは限りません。
また、Appleは「よくアクセスするウェブサイト」で最大35%高速と説明していますが、実際に測定したのは12のウェブサイト。具体的なサイト名や選定基準は明らかにされていません。
そのため、普段利用しているウェブサイトでも同じ差が生じるとは限らず、バッテリー駆動時間も動画再生以外の用途では差が変わる可能性があります。
| 項目 | スピードテスト条件 |
|---|---|
| 使用端末 | M5搭載15インチMacBook Air |
| メモリ | 16GB |
| ストレージ | 512GB |
| OS | リリース前のmacOS Golden Gate |
| Safari | リリース前のSafari 27.0 |
| Chrome | v151.0.7922.138 |
| 対象 | 12の一般的なウェブサイト |
| 測定方法 | サイトのスナップショットを使用 |
| ネットワーク | シミュレートされた条件 |
「Chromeはあなたを晒す」は言い過ぎ?
今回の比較で最も強い表現が、プライバシー保護に関する「あなたを晒す」です。
Appleがここまで強く表現する理由には、Safariの「インテリジェントトラッキング防止機能」があるようです。
例えば、ネットショップで商品を見たあと、別のサイトでもその商品の広告が表示された経験、多くの人がしているはず。
こうした広告には、複数のウェブサイトにまたがってユーザーの行動を追跡する「トラッキング」という仕組みが使われることがあります。
Safariは、このようなサイトをまたいだ追跡を標準で制限しています。
Chromeにもプライバシー保護機能はありますが、標準で防止するトラッキングの範囲などには違いがあります。
ただ、ユーザーの行動が追跡されることと、情報を意図的に公開することは別の話です。
Safariの方がトラッキングを強く制限しているとしても、Chromeがユーザーを「晒す」とまで表現するのは、少し行き過ぎているようにも感じます。
もうひとつの「いらないものを見せる」という表現も気になります。
Appleがアピールしているのは、Safariの「気をそらすものコントロール」。ウェブページ上の不要な要素を選んで非表示にできる機能です。
ただし、この機能はユーザー自身が不要な要素を選んで非表示にする必要があります。
操作するまではSafariでも不要な要素が表示されるため、Chromeだけが「いらないものを見せる」わけではありません。
なぜAppleはここまでChromeを批判するのか
AppleがSafariのプライバシー保護をアピールし、競合ブラウザとの違いを強調するのは、今回が初めてではありません。
2024年には、Safari以外のブラウザでウェブサイトを閲覧すると、不気味な監視カメラがユーザーにつきまとう動画広告を公開。今年6月にも、ユーザーを追跡する人物がSafariに切り替えると消える動画広告を公開しています。
こうした取り組みの背景には、ブラウザをめぐる競争環境の変化もありそうです。
EUではデジタル市場法(DMA)によってiPhoneとiPadに、日本でも2025年12月に全面施行されたスマホ新法によってiPhoneとAndroidスマートフォンに、ブラウザの選択画面が導入されています。
Macは対象外ですが、iPhoneやiPadではSafari以外のブラウザを選ぶ機会が増えており、AppleにとってもSafariの魅力をアピールする重要性が高まっていると考えられます。



























