楽天モバイル、KDDIローミング縮小を牽制。にじむ本音はユーザーに迷惑をかけるな?
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

昨年秋、値上げしない姿勢を強く打ち出した楽天モバイルですが、5月14日に開催された楽天グループの決算説明会では、三木谷浩史会長が料金改定の可能性について明言を避けました。
楽天モバイルはこれまで、低価格を武器に契約者を増やしてきましたが、値上げすることで、ユーザーの目はこれまで以上に通信品質へ向くことになります。「料金が上がるなら」と、つながりやすさを重視して他社への乗り換えを検討する人も出てくるでしょう。
通信品質で重要なのが、KDDIとのローミング契約です。
先日のKDDI決算会見で、松田浩路社長は楽天モバイル向けローミングについて、当初の役割を終えたと発言しました。これに対し、三木谷氏は「KDDIさんには多大なる協力をいただいてきた」と感謝を示しつつ、最も重要なのはユーザーに迷惑をかけないことだとして、ローミング見直しによるユーザー影響に釘を刺しました。
KDDIは「当初の役割を終えた」と説明
楽天モバイルは第4のキャリアとして携帯電話事業に参入。1から全国に自社回線を整備する必要があったため、自社回線だけではカバーしきれないエリアについて、KDDIの回線を借りることでサービスを提供してきました。
KDDIは、楽天モバイルへのローミングについて、人口カバーを補填するのが目的であり、楽天モバイルが整備するエリアが全国に広がったこともあって「当初の役割を終えたのではないか」と述べていました。
さらに、auユーザーへの影響が出ないことを前提にローミングを提供してきたものの、KDDIへのトラフィックが想定以上に増えていることもあり、楽天モバイルの自社エリアが整備された場所では、順次ローミングを終了する方針も示しています。
KDDIとしては、当初の役割を終えた場所から縮小していくのは自然な流れですが、楽天モバイルにとっては、通信品質を左右しかねない重要な問題になります。
楽天モバイルは「ユーザーに迷惑をかけないこと」が最重要と牽制
海外では、携帯電話会社が周波数を利用するために、高額なオークションフィーを支払う例があります。一方、日本では、海外のような高額なオークションで周波数を獲得する仕組みではなく、国民の生活に欠かせない通信サービスを提供するため、限られた公共の資源である周波数が携帯各社に割り当てられています。
つまり、海外では高額な費用を回収する必要があるため、通信サービスをビジネスとして捉える色合いが強くなりやすい一方、日本では国民生活を支える公共の資源として周波数が割り当てられている、という違いがあります。
三木谷氏はこの違いを踏まえ、KDDIの「当初の役割を終えた」という説明に対して、ローミングの縮小や終了を進めるにしても、ユーザーに影響が出る形は避けるべきだと釘を刺したようにも見えます。
まずはKDDIさんには多大なる協力をいただいてきた、ということに本当に感謝していると申し上げた上で、やはり国民に対する、いわゆる通信サービスは国の財産である周波数を我々がお借りして提供している。海外であれば、周波数に対しては使用料の、まあ何兆円とか何十兆円というオークションフィーを払って使うということだと思うんですけども。日本ではエンドユーザーという観点から海外に比べれば、それほどの周波数使用料を支払わず国民のサービスとして行なっているということで、各種法律に関しても一番はユーザーに迷惑をかけないということをベースに構築されている。我々もそのような関係で、KDDIさんと一緒にやってきたということかなと思っている。いわゆる競争はあるが、最も重要なのはユーザーに迷惑をかけないこと。それを今後、しっかりとKDDIさんもご理解していただいてるのかなと考えている
ローミングは当初の役割を終えつつあり、楽天モバイルからのトラフィックによって自社ユーザーに影響が出ることは避けたいKDDI。一方、楽天モバイルは値上げの可能性もにらみながら、通信品質への信頼を維持する必要があります。
9月末に期限を迎えるローミング契約は、楽天モバイルの通信品質はもちろん、今後の料金戦略にも影響しそうです。





















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