アップルは、昨年11月に音楽聴き放題サービスの「Apple Music」をAndroid向けに提供しました。
アップルがAndroidにサービスを提供するのはこれが初めてとなり、最近ではSDカードへの楽曲保存を可能にするなど力も入れていますが、アップルは今後も自社サービスをAndroidに提供することを検討しているようです。
アップル、Android版「Apple Music」はサービス成長のテスト目的と語る
アップルが先日開催した決算説明会の参加者によると、ティム・クックCEOは他のプラットフォームを通じてサービスを成長させるためのテストとして、Android版「Apple Music」を使用したと語ったようです。
Cook said that Apple is using Apple Music on Android as a way of testing the waters for growing its services division through other platforms, opening up the door for more porting in the future.
引用元:Tim Cook holds company-wide Town Hall, talks iPhone dependence, benefits, pipeline & India | 9to5Mac
Apple Musicは昨年6月に世界100ヶ国以上でサービスを開始。たった1ヶ月で無料トライアルの利用者数が1,100万人に達し、3ヶ月間のトライアル期間が最初に終了した10月には、有料会員が650万人、トライアル利用者が850万人になったことを明らかにしています。
AndroidにApple Musicが提供されたのは11月で、それ以降アップルはApple Musicの利用者数を明かしておらず、Androidユーザーにどれぐらい刺さっているかは不明です。
iCloudの拡大提供でiPhoneとiPadの売上増加も
アップルが発表した2016年度第1四半期(2015年10月〜12月)の業績では、これまで業績の柱となっていたiPhoneの販売台数がわずか0.4%の成長に留まり、過去最低の伸びになりました。
それでも、過去最高の売上と利益を記録したのはサービス事業が26%もの成長を遂げたことにあります。サービス事業にはiTunesの有料コンテンツ、Apple Music、App Store、ライセンス、Apple Pay、iCloudの業績が含まれています。
これらのサービス事業を他のプラットフォームで成長させるのだとしたら「iCloud」が最も現実的でしょう。
Androidの写真や動画、音楽、アドレス帳、その他データをiCloudにバックアップできれば、50GBを130円から販売するクラウドストレージで利益を上げることができます。
さらに、Androidから移行する場合は、iPhoneのセットアップ時にApple IDにログインするだけでAndroidで撮影した写真や動画、音楽をiCloudから復元できるなど、データ移行にアプリすら不要になります。
買い替えの障壁はなくなり、iPhoneへの買い替えが進むはずです。業績不振に陥っているiPadもAndroidユーザーによる2台目需要の増加も見込めるでしょう。
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