ドコモが総務省が定めた測定方法に基いて計測したスマートフォンの実効速度(実測値)を発表しました。
ドコモの発表内容によると、iPhone 6sで計測した下りの最小値は10Mbps、中央値は70Mbps、最大値は168Mbpsとなったようです。
ドコモが「実効速度(実測値」を発表。各社も公表へ
ドコモの「実効速度(実測)」
ドコモが発表した「実効速度(実測値)」を簡易的にまとめると以下のようになります。
iOS | 下り | 49Mbps~89Mbps |
上り | 14Mbps~30Mbps | |
Android | 下り | 53Mbps~91Mbps |
上り | 13Mbps~28Mbps |
※中央値に近い半数(25%値~75%値の範囲)
計測エリアは全国10都市。ドコモのサイトからは計測エリアごとの詳細な通信速度を確認することができます。
左がAndroid、右がiOS
実効速度(実測値)とは
ドコモによれば、実効速度(実測値)とは“一般的な利用環境で計測された通信速度を示します。”とのこと。
「受信時最大300Mbps」――これはドコモが提供する高速データ通信サービス「PREMIUM 4G」や対応端末「AQUOS ZETA SH-01H」の宣伝文句ですが、300Mbpsはあくまでも理論値であって実際にこの数値を計測することはありません。
2015年12月26日 17:00に都内で通信速度を計測したところ、受信(下り)8.26Mbps/送信(上り)4.63Mbpsでした。これが実効速度(実測値)です。
広告にも実測値を掲載へ
このように通信速度の理論値と実測値は大きく異なっています。ドコモに限らず、auやソフトバンクも同じです。
各社は通信速度の理論値で争っていましたが、結果として消費者から「広告の速度と実態が大きく違った」と消費者センターに相談するケースが確認され、総務省の研究会では「事業者やメディアが独自の測定結果を公表しているものの、基準にばらつきがあり比較が困難」との課題があがるなど問題視されていました。
これを受けて総務省は測定方法/端末/エリア/回数/アプリなどをガイドラインにし、広告に表示する通信速度には理論値を併記するよう定めています。
「インターネットのサービス品質計測等の 在り方に関する研究会 報告書(案)」より
今後は、auやソフトバンクも総務省が定めたガイドラインを基に通信速度を計測し、ウェブサイトで公表されます。また、カタログなど一部広告においても理論値だけでなく、実効速度(実測値)も併記されるようになります。
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