明日、12月16日に開催される有識者会議にて取りまとめが行われる、いわゆる携帯料金の値下げ案。単なる値下げではなく、ユーザー間の不公平感を解消するという方針のもと値下げ案が検討されてきました。
不公平感の象徴とも言えるのが既契約者が支払う通信料金を元手に新規契約者に提供する「キャッシュバック」と「実質0円」ですが、NTTドコモはキャッシュバックを廃止、実質0円の見直しを行うようです。
実質0円見直し、キャッシュバック廃止で契約形態による不公平感を解消へ
NHKによると、キャリアが新規契約を増やすことを目的に他社からの乗り換え(MNP)を促す「キャッシュバック」が不公平感を生むことからNTTドコモが廃止する方針を固め、各社も対応を検討するとのこと。
携帯電話の料金引き下げの方策を検討してきた総務省の有識者会議が16日に取りまとめる報告では、他社からの乗り換えを促すため、利用者に商品券などで多額のキャッシュバックを行う販売方法の取り扱いが焦点の1つになっています。これについてNTTドコモは、乗り換える利用者だけを優遇し、不公平だという指摘を踏まえ、キャッシュバックを廃止する方針を固めました。
引用元:ドコモ 他社から乗り換えのキャッシュバック廃止へ NHKニュース
キャッシュバックや実質0円の元手は既契約者の通信料金
キャッシュバックの原資、元手は既契約者の通信料金であり、それが新規契約者の優遇のために利用されている状況です。キャッシュバックによって、同じ端末を購入する場合、数万円。複数回線の契約では数十万円の差が付くことから、有識者会議では不公平感を生むと指摘されていました。
台数限定!11月28日、29日に他社からスマートフォンへ #MNP のお客様に #キャッシュバック 増額中!!iPhone6 2台で12万円キャッシュバック!残り4台!! #iPhone #Android #Softbank pic.twitter.com/SRThI5NsKz
— ソフトバンク東武練馬 (@tobunerima_sb) 2015, 11月 29
また、ドコモはスマートフォンの料金を「実質0円」と謳って販売する手法についても一部を見直し、不公平感を解消する計画があるようです。
実質0円は、毎月の支払う料金から「月々サポート」「毎月割」「月月割」といった割引サービスを適用することによって、2年間同じ端末を使い続けると端末価格が0円になるというモノ。
キャッシュバックと同じく、割引サービスの原資は既契約者の通信料金で、割引額の大小関係がMNP>新規>機種変更となっていることから、新規契約者を優遇、既契約者を冷遇する不公平感を生むとされていました。
実質0円見直しの具体策は明らかにされていませんが、おそらく契約形態によって割引額に差がなくなるのではないでしょうか。実質0円は今後も存在するかもしれませんが、その時は新規契約もMNPも実質0円になると思われます。ただし、そうなればキャリア側の負担が増えるため、見直し後は実質0円が減り、実質的に消滅することになるかもしれません。
実質0円の見直しについてはドコモのみが対応、キャッシュバックの廃止についてはauとソフトバンクも見直しを検討しているとのことです。
結局、料金値下げとなるのは一部の契約者のみ?
NHKは不公平感の解消によって既契約者の料金がどれぐらい安くなるのか注目、としていますが、有識者会議で議論されているのは不公平感の解消にもとづく値下げであり、月間1GBプランの提供など、ライトユーザーに向けた値下げ策は用意されるものの、全契約者の料金が値下げは期待できません。
非ライトユーザーからすれば、キャッシュバックと実質0円の見直しによって新規契約者の料金は値上げ、既契約者の料金はそのままとなり、不公平感を解消しただけで料金はかわらず、となる気がしていますが、さてどうなるでしょうか。
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