楽天モバイル、料金値上げしないと宣言。維持できる?の声に三木谷氏「値上げして欲しいの?」
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

ahamoなどオンライン特化プランやブランドが登場して以降、携帯電話業界は値下げが続いていました。ところが昨今の物価高騰や円安の影響を受け、今年に入ってからは特典の追加と引き換えに実質的な値上げや、事務手数料・特典利用料の値上げが相次いでいます。
そうした状況のなか、9月30日に行われた記者会見で楽天モバイルの三木谷会長は「低価格x無制限に挑戦し続けます」と宣言しました。
異例の料金据え置き発表会
今回の発表会は料金据え置き宣言からスタートしました。
楽天モバイルは自社で新サービスの発表を行うことも多いなか、今回は大規模な会場を用意。料金の値上げまたは新料金プランの発表を予想していましたが、なんと据え置き宣言。
三木谷会長も「普通で言えば値上げだと思います」とした一方で、「痩せ我慢ではなく、技術的な努力によって」料金を据え置くこと、つながりやすさを改善するために「これから基地局もバンバン増やしていく」こと、参入から5年が経過し「“携帯市場の民主化”を掲げていることを、再度認識していただいて賛同を得られれば」と発表会を実施した理由を説明しました。

なお、料金据え置きのほかに10月1日からスタートする新プラン「Rakuten最強U-NEXT」の提供記念キャンペーンも発表されています。詳細は以下の記事からどうぞ。
楽天モバイルが値上げしない3つの狙いと理由
料金を据え置く狙いや理由について三木谷会長は3つのポイントを挙げました。
1つ目として「第4の携帯電話会社として国に迎え入れられた理由は非常にリーズナブルで使いやすいネットワークを提供することがミッション。辛いこともあるが、頑張ろうということ」と説明。
2つ目として「新しいOpen RANによって基地局をすべてソフトウェアで制御し、(複数ベンダーの通信機器を採用することで)機器調達に優位性があり、コストを抑えられる」と語りました。
3つ目として「AIの導入により電力料金が上昇する中でも電気消費量を20%削減すること成功した」とした上で、「第4の携帯会社で追いかける方ですから、頑張って少しでも多くのユーザーを獲得したい」と述べています。
また、「一度値下げしたのに、まだ上がっているのではないか」という消費者の不安に対しては、物価高の影響で通信料金が多少上がるのは致し方ないのかもしれないと他社の動向に理解を示しつつも、「我々は後発ということもあるので」と据え置く理由を改めて強調しました。
会見後の囲み取材では、記者から「値上げせずにサービスを提供し続けられるのか」と再度問われると、「値上げして欲しいの?」と詰める場面も。
さらに、ヘビーユーザーを獲得していく方針を示しているなかで「(ライトユーザーの多い)3GB未満の料金設定をやめる考えはないのか」と問われると、「やめて欲しいの?」と返答して笑いを誘い、「今のところ(廃止の予定は)ない。むしろRakuten最強U-NEXTのように付加価値を高めていくことは、今後少しずつやっていくかもしれない」と語りました。
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