W杯に間に合う?山手線車両で爆速エリア拡大、KDDIが5Gミリ波実証に成功

Yusuke Sakakura

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2026/05/21 8:45
W杯に間に合う?山手線車両で爆速エリア拡大、KDDIが5Gミリ波実証に成功
KDDIとJR東日本が、山手線の車両内で5Gミリ波エリアを広げる実証に成功しました。5Gミリ波は、ギガビット級の高速通信が可能な一方で、遮蔽物に弱く、鉄道車両のように金属が多い場所では電波を届けにくい課題があります。今回の実証では、屋外の基地局から届くミリ波を、車両の窓に設置したガラスアンテナで受信。アンプで増幅し、車内に伝送したうえで再放射する仕組みを採用しました。その結果、通信速度1Gbpsを達成可能なエリアは、車両全体の約40%から約97%に拡大したとのことです。ただし、今回の実証は営業運転中の車両で行われたものではなく、実際にスマートフォンで1Gbpsの通信速度を記録したわけでもありません。実導入の時期も明らかにされていません。6月に開幕するワールドカップには間に合わない可能性が高そうですが、混雑時の高速通信という意味では期待したい技術です。さらに、ミリ波を利用するには対応端末も必要です。日本で販売されているiPhoneは現在ミリ波に対応していませんが、秋に登場する新型iPhoneが対応するのであれば、今回の実証はさらに面白い意味を持つことになります。

KDDIとJR東日本が、山手線車両内で5Gミリ波エリアを拡大する実証に成功したことを明らかにしました。

5Gミリ波は、ギガビット級の高速・大容量通信を実現できる一方で、周波数の特性から遮蔽物の影響を受けやすく、エリア展開が難しいという課題があります。

特に鉄道車両では、車両の金属がミリ波の遮蔽物となるため、車内まで電波を届けることが難しい場所がありました。

今回の実証では、ミリ波の電波が届きにくい鉄道車両内をエリア化するため、複数の技術を組み合わせた新たな構成を採用。山手線の実車両に設置し、車内でエリアを広げられるかを確認しました。

窓ガラスからミリ波を取り込み、車内で再放射

実証は、JR東日本の東京総合車両センターに留置中の山手線車両で実施されました。

車両の内部には、基地局から受信したミリ波の電波を再放射するための構成品を設置。窓ガラスに取り付けたガラスアンテナで屋外の基地局から届くミリ波を受信し、アンプで増幅したうえで、誘電体導波路を使って車内へ伝送します。

その後、漏洩アンテナとロッドアンテナを使い、任意の位置から車内へ電波を再放射する仕組みです。

ミリ波の電波が届きにくい鉄道車両内のエリアを拡大する新たな構成

KDDIによると、屋外の基地局からのミリ波を車両内に引き込み、再放射する取り組みは国内初とのこと。この構成により、車両内の必要な場所を効率的にエリア化できるとしています。

実証の結果、通信速度1Gbpsを達成可能な通信エリアは、車両全体の約40%から約97%に拡大。ミリ波エリアが、車内のほぼ全域に広がることを確認したとしています。

透明性に優れ、景観や内装デザインも損なわないガラスアンテナ
透明性に優れ、景観や内装デザインも損なわないガラスアンテナ
設置前後のエリア変化
設置前後のエリア変化

KDDIは今後、あらゆる屋内環境へミリ波の活用を広げ、さらなる通信品質の向上と利用者の利便性向上を目指すとしています。

ただし、今回の実証は営業運転中の車両で行われたものではありません。また、実際にスマートフォンなどで1Gbpsの通信速度を記録したという発表ではなく、1Gbpsを達成可能とされる通信エリアを車内で大きく広げられることを確認したものです。

W杯には間に合わない?

今回、成功した実証内容がいつごろ導入されるかスケジュールは明らかにされていません。

タイミングとして惜しいのが、6月11日に開幕する2026 FIFAワールドカップです。今大会は米国・カナダ・メキシコの共催で、日本代表戦の一部は日本時間の朝に行われます。なかでも6月26日8時キックオフの日本対スウェーデンは、朝の通勤時間帯と重なるため、移動中にスマートフォンで試合をチェックする人も増えそうです。

そうした混雑時こそ、ギガビット級の高速通信が可能なミリ波の出番と言えますが、開催まで1ヶ月を切っていることを考えると、今回の仕組みがすぐに営業車両へ導入される可能性は高くなさそうです。

ただし、ミリ波を利用するには対応端末も必要です。現在販売されている5GスマートフォンはSub6のみ対応する機種も多く、日本で販売されているiPhoneもミリ波には対応していません。

秋に発売される新型iPhoneが日本でもミリ波に対応するのであれば、今回の実証はさらに面白い意味を持ちます。山手線のように利用者の多い場所でミリ波エリアを広げる取り組みは、ミリ波対応モデルの魅力を伝えるうえでも強い材料になります。

W杯には間に合わない可能性が高いとしても、ミリ波対応端末の広がりに向けた布石と考えれば、今回の実証は単なる通信エリア拡大にとどまらない動きと言えそうです。

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情報元:KDDI
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