Galaxy Z Fold8シリーズを国内先行披露。折りたたみスマホは「拡大フェーズ」へ

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Samsungが新型折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold8」「Fold8 Ultra」「Flip8」を発表しました。発表会でSamsungは、折りたたみスマホがいよいよ普及フェーズに入ったと説明。2031年には市場規模が現在の約3倍に拡大すると予測しています。背景には、バッテリー持ちや重さ、操作性といったバータイプスマホへの不満があります。一方で、画面を大きくすると本体も重くなるため、バータイプでは進化に限界があるという考えです。そこでSamsungは、用途に合わせて3機種を投入。動画や電子書籍を楽しむ「Galaxy Z Fold8」、生産性を重視した「Galaxy Z Fold8 Ultra」、そして最薄・最軽量の縦折りモデル「Galaxy Z Flip8」を用意しました。Samsungはこれまでの「なぜ折りたたむのか」から、「どの折りたたみを選ぶか」の時代へ移るとして、市場のさらなる拡大を目指しています。
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Y.Sakakura

Samsungが新型折りたたみスマートフォンをグローバル発表しました。

今回のラインナップは、動画や電子書籍の視聴体験を重視したワイドタイプの「Galaxy Z Fold8」、初のウルトラを冠した折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold8 Ultra」、薄型・軽量化した縦折りモデルの「Galaxy Z Flip8」の3機種です。

グローバル発表にあわせて開催されたメディア向け発表会では、Samsung Japanの常務CMOを務める小林謙一氏が登壇。2019年に登場した初代Galaxy Foldから続く、同社の折りたたみスマートフォンの歴史と今後の市場展望を説明しました。

拡大フェーズを迎える折りたたみスマホ

Samsungの折りたたみスマートフォンは、2019年に発売された初代Galaxy Foldから始まりました。

日本では、NTTドコモが取り扱いを開始した2021年のGalaxy Z Fold3/Z Flip3から本格展開がスタート。BTSを起用したテレビCMなどで認知を広げ、販売規模は初代発売時の25倍に拡大したといいます。

Galaxy Z Fold3 5G
Galaxy Z Fold3 5G

2024年にはGalaxy AIを導入した折りたたみAIスマホとして前年比1.1倍、2025年にはソフトバンクが取り扱いを開始したことで、さらに1.2倍に成長しました。

Samsungは、2026年に初代発売時の37倍、2031年には110倍に拡大し、現在の約3倍の市場規模になると予測しています。

こうした実績と見通しを踏まえ、小林氏は折りたたみスマホが「いよいよ拡大フェーズを迎えた」と説明しました。

バータイプスマホが抱える3つの不満

Samsungが紹介した調査では、一般的なバータイプのスマホに対して、バッテリーが持たない、本体が重い、操作しにくいといった不満が挙げられたといいます。

ただし、これらを同時に解消するのは簡単ではありません。

動画やゲームを見やすくするために画面を大きくすれば、本体も大型化して重量が増えます。電池持ちを改善するためにバッテリーを増量すれば、さらに重くなります。

本体の大きさを維持したままでは画面を広げるにも限界があり、バータイプの形状では大画面、軽さ、電池持ちを両立しにくくなっています。

折りたたみスマホであれば、持ち運ぶときはスマホサイズに収まり、必要なときだけコンパクトなタブレットほどの大画面に広げられます。動画やゲーム、電子書籍を大きく表示できるほか、メールとカレンダー、動画とブラウザなど、バータイプでは窮屈になりやすい複数アプリの同時表示にも適しています。

大画面を分割してアプリを使い分けられる
大画面を分割してアプリを使い分けられる

半数以上が横折りスマホを選びたいと回答

ここ数年、筆者はスマートフォンの大きなトレンドについて「AI」と「折りたたみ」になると伝えてきました。

AIは急速な進化を続け、今では新製品発表の中心です。ChatGPTにはチャッピーという愛称が付き、電車でも「チャッピーに聞いたんだけど」といった会話も耳にするようになりました。

折りたたみスマホも新機種が出るたびに注目は集まるものの、取材の現場で一部の記者が使っている姿を見かけることはあっても、電車や街中で見かけることはほとんどなく、広く普及しているようには感じません。

一方、Samsungの調査では、次回の買い替え時に横折りスマホを「ぜひ選びたい」と回答した人が52%に達したとのこと。すでに興味を持つ人は過半数を占めており、消費者のニーズは変わり始めているようです。

ただ、関心の高まりに対して普及が追いついていない背景には、完成度の高いバータイプのスマホから、まだ進化の途中にある折りたたみスマホへ乗り換えるには、価格を含めて慎重にならざるを得ない事情があるのでしょう。

普及を阻んできた重さと厚さ

折りたたみスマホには耐久性や画面の折り目など、いくつかの懸念があります。なかでも日常的な使いやすさに大きく影響していたのが、本体の重さと厚さです。

壁を突破したのは昨年発売されたGalaxy Z Fold7だったと思います。

重さは215gまで軽量化され、Galaxy S26 Ultraと同等の水準を実現。閉じた状態の厚さも8.9mmと一桁台になり、ポケットに入れても違和感がほとんどないサイズに収まるようになりました。

薄型・軽量化されたGalaxy Z Fold7
薄型・軽量化されたGalaxy Z Fold7

それでも、Fold7の発売後には、さらに軽くしてほしい、電池持ちをもっと良くしてほしい、動画やゲームへの没入感を高めてほしいといった声が寄せられたといいます。

利用者の声に応えた3つの最新モデル

SamsungはFold7に寄せられた要望に対して、1台ですべてを解決するのではなく、タイプの異なる3機種を用意しました。

Galaxy Z Fold8は、重量を205gまで軽量化し、動画やゲーム、電子書籍、Webブラウジングの体験を重視した新しい横折りモデルです。

外側にはショート動画やリールに適したカバーディスプレイを搭載。本体を開くと、漫画や写真を大きく表示しやすい4:3のメインディスプレイが現れます。バッテリー容量もFold7の4,400mAhから4,800mAhへ増えました。

左からGalaxy Z Flip8、Z Fold8、Z Fold8 Ultra
左からGalaxy Z Flip8、Z Fold8、Z Fold8 Ultra

Galaxy Z Fold8 Ultraは、従来のFoldシリーズを引き継ぐ上位モデルです。8インチの大画面、2億画素カメラ、5,000mAhバッテリーを搭載し、マルチタスクやAIを活用した作業など、生産性を重視しています。

Galaxy Z Flip8は、SamsungのFlipとして最薄・最軽量を実現。コンパクトな縦折りデザインを維持しながら、本体を閉じたまま利用できるアプリやAI機能を拡充しました。

8世代目を迎えたGalaxyの折りたたみスマホは、ひとつの形ですべての人を狙うのではなく、視聴体験、生産性、携帯性という異なるニーズに応えるラインナップへ進化しています。

「なぜ折りたたむ?」から「どれを選ぶ?」へ

これまで折りたたみスマホには、「なぜスマートフォンを折りたたむ必要があるのか」という疑問が付きまとっていました。

大画面をポケットに入れて持ち運べるメリットがある一方で、本体が厚く重くなり、価格も高くなるため、バータイプのスマホからあえて乗り換える理由が見えにくかったからです。

小林氏は、これからは「あなたならどの折りたたみスマホを選ぶか」という時代になると説明。「Which Foldable」をマーケティングメッセージに掲げ、折りたたみスマホならSamsung Galaxyという立ち位置を目指します。

バータイプスマホには、大画面にすれば重くなり、バッテリーを増やせばさらに重量が増えるというトレードオフがあります。一方、これまでの折りたたみスマホにも、厚くて重いという弱点がありました。

Fold7は、その弱点をバータイプに近い水準まで改善しました。そしてFold8シリーズでは、さらに軽いモデル、大画面と生産性を追求するモデル、持ち運びやすい縦折りモデルへと選択肢を広げています。

折りたたみスマホが一部の新しいもの好きに向けた製品から、バータイプと並ぶ一般的な選択肢になれるのか。Samsungが語る普及フェーズは、今回の3機種から本格的に始まることになりそうです。

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