次期行政長官選挙制度に抗議する大規模なデモが香港にて巻き起こり話題となっていますが、このデモでスマホアプリの「FireChat(ファイアーチャット)」が活躍しているそうです。
なぜ、スマホアプリの「Firechat」がデモで活躍するのでしょうか、また、「FireChat」とはどういったスマホアプリなのでしょうか。
FireChatがデモで活躍する理由とは
大規模なデモが巻き起こる中国・香港では、国営のテレビ局では抗議活動の映像が放送されておらず、ネットにおいても中国で普及するSNS「ウェイボー」などに投稿されたデモに関するものは次々と削除され、インスタグラム、LINE、Flickrといった各種サービスへのアクセスが不可能になるなど、厳しい情報規制が敷かれているそうです。中国政府は香港の民主的な選挙を求める大規模な抗議活動について、中国本土への情報の流入を厳しく制限しています。
国営の中国中央テレビで抗議活動の映像が放送されることはなく、新聞各紙も抗議活動は違法行為だとする政府の見解などを伝える国営の新華社通信の記事を、紙面の目立たない場所に掲載する程度で、中国当局が報道規制を強めていることがうかがえます。
「ウェイボー」や「ウェイシン」など、中国本土で普及しているインターネットのSNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービス上でも、抗議活動の現場の写真や海外メディアの関連記事などが掲載されては削除される状況が続いています。
引用元:香港の抗議活動 ネットで世界に拡大 NHKニュース
そこで登場するのが「FireChat」です。
FireChatは、その名の通りチャット形式のコミュニケーションツールで、3Gや4G、Wi-Fiなどを使ってメッセージを送受信する機能を備えていますが、Bluetoothによってネットに繋がなくてもメッセージを送受信することができる機能も備えており、ネットの規制などに影響されないという大きなメリットがあります。
また、Bluetoothは近距離用の通信のために用いられる規格ですが、FireChatでは端末間の距離が70mぐらいまでならメッセージを送り合うことが可能となっています。
さらに、FireChatをインストールした端末は、メッセージを送受信するための中継の役割も担うため、FireChatをインストールした端末の台数が増えれば増えるほど、メッセージを送ることのできる距離も増えていくため、デモなど多くの人が集まる場所では最適というわけです。
実際にFireChatを使ってみた
実際にFireChatをインストールして、少しの間使ってみたんですが、FireChatではTwitterのダイレクトメッセージのように特定の個人宛てにメッセージを送ることはできず、送ったメッセージはFireChatをインストールする全てのユーザーが見ることができます。一応、グループ機能はありますが、参加者を絞ることはできず誰もが参加できるので、LINEやFacebookなどのグループ機能とは違った完全なる公開型のコミュニケーションツールになります。まぁ、名前の通り完全なチャットですね。
前述したとおり、FireChatではBluetoothを使ってオフラインでメッセージを送り合うことができる機能がありますが、複数の端末を使って実際にメッセージや写真を送り合ってみたところ、速度面ではなかなか快適にメッセージを送ることができました。周りにFireChatをインストールした端末が増えた時に速度は落ちると思いますが、デモの場で活躍しているということなので、大きな問題はなさそうです。
ただ、FireChatのアプリを完全に終了している場合は、メッセージや画像を受け取れないなど、Bluetoothを使う場合は一部制約があるようです。
ちなみに、FireChatの本来の活用方法は、サッカーのスタジアムや野球の球場、コンサートやライブ、フェスティバルでの利用が想定されているようです。確かに隣同士の人と楽しむだけでなく、FireChatを使うことでより多くの人と楽しむことができるかもしれませんし、実際に会話するのは抵抗があるけど、チャットなら・・・という人にとっては良いツールかもしれません。
今年の3月に登場したFireChatですが、香港でのデモを機にテレビで報道されるなど注目を集めており、実際に試しに使ってみたとアプリ上で報告するユーザーも多いので、これからスポーツやライブの場面を中心にFireChatブームが来るかもしれませんね。
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