現在、携帯3社が提供する料金プランは、2年間の継続利用を求める「2年縛り」のあるプランが主流となっています。
縛りなしに比べて、毎月の料金は半額または1,500円ほど割安になりますが、契約は2年ごとに自動更新され、契約期間中に解約すると違約金を支払う必要があるため、消費者生活センターへの苦情・相談が増加しており、総務省が事業者に自主的な改善を求めていました。
年末から年始にかけて行われた、携帯料金の値下げ騒動によって延期された形になったようですが、携帯3社は2年縛りを緩和した新プランを今夏にも発表する方針を固めたようです。
自動更新なし、違約金0円の“2年だけ縛り”の新料金プラン登場か
日本経済新聞の報道によると、ドコモ、au、ソフトバンクの携帯3社は、最初の2年契約を終えると違約金が0円になり、自動更新も行わない――“2年だけ縛り”の新料金プランを導入する方針とのこと。
縛りを最初の2年だけにする新プランを今夏をメドに導入する。
KDDI(au)とソフトバンクも追随する方針だ。各社とも最初の2年間の縛りは存続させ、自動更新させない新プランを追加する策で足並みをそろえるとみられる。新プランの月額料金は現行より割高になる可能性がある。
引用元:携帯3社「2年縛り」緩和 契約期間後、自動更新せず:日本経済新聞
すでに、他紙も同様の内容を報じていることから、新料金プランの導入はほぼ確定と思われます。なお、産経新聞はauが今夏にも導入すると報じており、おそらく3社ともに同じ時期に発表することが予想されます。
新料金プランは割高に?割高な期間は3年目以降であるべき
新料金プランは、割高になる可能性がある。とのことですが、縛りがある従来のプランも、新料金プランも最初の2年間は差はありません。
2年間の継続利用を約束しない3年目以降は割高になるはずですが、もし、契約内容に差のない最初の2年間も料金が割高になるのであれば納得がいきません。
ただ、携帯料金値下げ騒動では、実質0円を廃止しておきながら、長期契約者の割引は行わず実質的な値上げに踏み切った業界なので、多少の理不尽は覚悟しておくべきかもしれません。
キャリアのスマホ販売数激減、格安SIMへの移行が急増?携帯3社は早めに手を打つべき
実質0円が廃止された2月以降、携帯ショップへの来客が大幅に減少しており、キャリアのスマホ販売台数も前年比30%減と、著しい落ち込みを記録しました。その一方で販売数を大きく伸ばしたのが、70%増のワイモバイルと、56.3%増の格安SIMです。
引用元:BCN
昨年末に「携帯料金値下げへ」と大きく報道されたものの、年が明けてみれば、実質0円を廃止して実質的な負担が増加。端末代金が値上げする代わりに増額されるはずだった割引は変化なし。この動きを見て格安SIMへの移行を決めた利用者は、想定していたよりも多いようです。おそらく、今後も増えていくものと思われます。
高いところから降りるのはカンタンですが、低いところから登るのは大変です。携帯3社も同じように、格安SIMに流れた利用者を戻すのはかなり困難なはずです。
これまで、3社ともに同じ料金でプランを提供し、価格競争を徹底的に避けてきた業界だけになおさら困難でしょう。格安SIMにユーザーが流れて業績にも影響が出る前に、紳士的な姿勢で料金改定等に取り組むべきです。
まずは、今夏発表されるであろう新料金プランに注目ですが、利用者はそこまで待ってくれるのでしょうか。