ChatGPTに毎日の雑用も任せられる。新機能「Work」登場、GPT-5.6も提供開始
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

OpenAIが複数の工程を伴う仕事をまとめて任せられる「ChatGPT Work」を発表しました。
あわせて、新しいAIモデル「GPT-5.6」の一般提供も開始しました。6月末に先行発表していたSol、Terra、Lunaの3モデルを、ChatGPT、Codex、OpenAI APIで順次展開します。発表後24時間かけて、世界各地で提供範囲を広げる予定です。
GPT-5.6は2026年6月26日に限定プレビューが始まり、7月9日に一般提供が開始されました。
ChatGPT Work
ChatGPT Workは、調査や分析、資料作成など、複数の工程を伴う仕事をChatGPTにまとめて任せられる新しいエージェント機能です。
通常のチャットのように、その場で質問に答えるだけではありません。必要な情報を集めて作業を計画し、接続したアプリやファイルを横断しながら、文書、スプレッドシート、プレゼン資料、レポート、ウェブサイトなどの成果物を作成します。
複雑な仕事を小さな工程に分け、必要に応じて数時間かけて進めることも可能です。作業中は進捗を確認でき、ChatGPTからの質問に答えたり、途中で方向性を変えたり、重要な操作を承認したりできます。
作業を始める前に手順を確認する「Plan」モードも用意されています。ChatGPTが必要な情報を集め、追加の質問をしたうえで作業計画を作成。ユーザーが内容を修正または承認してから実行に移ります。
決まった日時の実行や変更の監視にも対応
ChatGPT Workでは、1回だけ実行するタスクに加えて、決まった日時に繰り返すタスクや、特定の条件を満たしたときに実行するタスクも設定できます。
例えば、毎朝ウェブサイトやダッシュボードを確認して変更点をまとめたり、毎週Slackの投稿を確認して会議の議題を更新したり、顧客から届いた意見を継続的に監視して製品改善案をまとめたりできます。
変化する情報を継続的に確認させ、報告すべき更新があった場合だけ通知を受けることも可能です。デスクを離れているときは、スマートフォンから進捗を確認できます。
デスクトップ版は全プラン、ウェブ・モバイル版は有料プラン向け
ChatGPT Workは、新しいデスクトップアプリではFreeを含む全プランで利用できます。
一方、ウェブ版とモバイル版はFreeとGoを除く有料プランが対象です。Pro、Pro Lite、Enterprise、Eduから先行して提供され、PlusとBusinessにも数日以内に展開される予定です。
いずれも段階的に提供されているため、対象プランでもアカウントにWorkがまだ表示されない場合があります。
EnterpriseとEduのウェブ版・モバイル版には、2週間のプレビュー期間が設けられます。プレビュー期間中はWorkが初期状態で無効になっており、期間終了後に自動で有効化されます。管理者は事前にオプトアウトできます。
デスクトップアプリでローカルファイルも操作
OpenAIは、Chat、Work、Codexを1つにまとめた新しいChatGPTデスクトップアプリも公開しました。macOSとWindowsに対応します。
デスクトップ版のWorkでは、ユーザーが許可したローカルフォルダ、ファイル、デスクトップアプリを操作できます。ローカルのファイルや成果物は、ユーザーが明示的に移動または共有しない限り、そのパソコン内に残ります。
複数のタブを利用できる内蔵ブラウザも搭載されました。ユーザーとChatGPTが同じページを確認しながら、ウェブサイトの調査、ファイルのダウンロード、ウェブ上のツールの操作などを進められます。
Google Workspaceアプリを接続している場合は、Google Docs、Sheets、Slidesを直接作成・編集できます。デスクトップ版ではChatGPT for Excelアドインにも対応しますが、Microsoft PowerPointとの直接連携は提供開始時点では含まれていません。
なお、ウェブ版やモバイル版で作成したWorkの会話はクラウド上で引き継げますが、提供開始時点ではデスクトップ版のWorkには表示されません。デスクトップ版で作成したWorkのスレッドやローカルファイルも、そのパソコン内に保存されます。
GPT-5.6
ChatGPT Workを支える新しいモデルとして、GPT-5.6の一般提供も始まりました。GPT-5.6は、性能や速度、コストが異なる3つのモデルで構成されます。
- Sol:最も高性能なフラッグシップモデル
- Terra:性能とコストのバランスを重視したモデル
- Luna:最も高速かつ低コストなモデル
Sol、Terra、Lunaという命名体系は、GPT-5.6で初めて導入されました。
「5.6」という数字はモデルの世代を表します。一方、Sol、Terra、Lunaは、長期的に維持される性能階層を示し、それぞれが今後、独自のペースで進化していくと説明されています。
モデル名から知能、速度、コストの違いを把握しやすくし、用途に応じて選びやすくする狙いです。
Sol、Terra、Lunaの違いは?
Terraは、GPT-5.5に匹敵する性能をうたう、性能とコストのバランスを重視したモデルです。
LunaはGPT-5.6シリーズで最も高速かつ低コストなモデルです。コストを抑えながら、大量の処理を繰り返す用途を想定しています。
最上位モデルのGPT-5.6 Solは、コーディング、専門知識を必要とする業務、サイバーセキュリティ、科学研究、コンピューター操作などの能力が強化されています。
OpenAIによると、複数の評価において、従来モデルや競合する最先端モデルを、より少ないトークン数と低い推定コストで上回ったとのことです。
同じ費用でより多くの作業を処理したり、同等の結果をより低いコストで得たりできるなど、処理性能だけでなく費用対効果の向上も強調しています。なお、実際のコストや処理時間は、依頼内容や使用するツールなどによって異なります。
画面デザインや資料作成も強化
OpenAIがGPT-5.6で特に強調しているのが、ウェブサイトやアプリを作成するときのデザイン判断力です。
大まかな指示だけでも、見た目が整い、操作しやすく、実用的なインターフェースを作成できるとしています。
コードを生成するだけでなく、実際に表示された画面を確認し、視覚面や機能面の問題を自ら発見して修正することも可能です。
プレゼン資料、文書、スプレッドシートの作成能力も強化されています。
既存のテンプレートや資料から、レイアウト、文字組み、余白、配色、スライドマスターに設定されたルールなどを読み取り、新しい資料にも一貫して反映できます。
プレゼン資料は編集可能な形式で一から作成でき、文書やスプレッドシートでは、数式や財務モデルの処理精度、文字や余白の使い方も改善したと説明されています。
通常のChatGPTではSolを推論モデルとして提供
通常のChatGPTでは、GPT-5.5 Instantが日常的な質問に答えるデフォルトモデルとして引き続き利用されます。
対象の有料プランでは、複雑な依頼を検出したときにInstantからMediumへ自動的に切り替えることもあります。自動切り替えは、モデル選択画面の「Configure」から有効または無効にできます。
モデル選択画面には、以下の選択肢が表示されます。
- Instant(最速):GPT-5.5 Instantによる日常的な質問向けの回答
- Medium(中程度):GPT-5.6 Solによる標準的な推論
- High(高い):GPT-5.6 Solによる長めの推論
- Extra High(非常に高い):通常のチャットで最も多くの推論処理を行う設定
- Pro:難しいタスクや長時間の作業に対応するGPT-5.6 Sol Pro
PlusプランではMediumとHighを利用できます。
Pro、Business、Enterpriseプランでは、Medium、High、Extra Highに加えて、GPT-5.6 Sol Proも利用できます。BusinessとEnterpriseでは、管理者の設定によって利用できるモデルが制限される場合があります。
FreeとGoでは、通常のチャットでGPT-5.6 Solを利用できません。
GPT-5.6 TerraとLunaも通常のチャット画面では選択できず、ChatGPT Work、Codex、OpenAI APIで提供されます。
WorkとCodexに「max」「ultra」
ChatGPT WorkとCodexでは、Plus、Pro、Business、Enterpriseプランのユーザーが、GPT-5.6 Sol、Terra、Lunaから使用するモデルを選択できます。
OpenAIの発表では、FreeとGoでも、新しいデスクトップアプリのChatGPT WorkとCodexでGPT-5.6 Terraを利用できます。ウェブ版とモバイル版のWorkは、FreeとGoの対象外です。
それぞれのモデルでは、処理にかける推論量も調整できます。
GPT-5.6では、新たに「max」が追加されました。maxは、従来の最上位設定よりも長い時間をかけて推論し、複数の方針を検討したり、結果を確認したり、進め方を修正したりする設定です。
ChatGPT WorkとCodexでGPT-5.6を利用できるユーザーは、設定画面からmaxを有効にできます。
さらに、複数のエージェントを並行して動かす「ultra」も導入されます。
maxが1つのモデルにより長く推論させる設定なのに対して、ultraは初期設定で4つのエージェントを並行して動かし、複雑な仕事を分担させて結果をまとめるモードです。
処理時間の短縮や結果の向上が期待できる一方、通常よりも多くのトークンを消費します。
ChatGPT WorkのultraはProとEnterprise、CodexではPlus以上のプランで利用できます。なお、通常のChatGPTのチャット画面では、maxとultraは選択できません。
OpenAI API
開発者は、OpenAI APIを通じてGPT-5.6 Sol、Terra、Lunaを利用できます。
料金は、AIが文章を処理するときの単位である100万トークンあたりで設定されています。
「入力」は、指示文、会話履歴、読み込ませる資料など、モデルに送信するデータです。「出力」は、モデルが生成する文章、回答、コードなどを指します。 例えば、長い資料を読み込ませて要約を作成する場合、元の資料や指示文が入力、生成された要約が出力として計算されます。
- GPT-5.6 Sol:入力5ドル、出力30ドル
- GPT-5.6 Terra:入力2.50ドル、出力15ドル
- GPT-5.6 Luna:入力1ドル、出力6ドル
なお、会話履歴や資料など、モデルに渡す情報が長い場合は長いコンテキスト向けの料金が適用され、入力料金は上記の2倍、出力料金は1.5倍になります。








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