Ultra折りたたみの「Galaxy Z Fold7」はSペン非対応・UDC廃止→パンチホールに。理由は薄型化か
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

8月1日に発売される折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold7」は、SペンとUDC(アンダーディスプレイカメラ:画面内蔵カメラ)に非対応となりました。
いずれも2021年に発売されたGalaxy Z Fold3 5Gで初めて対応。4世代にわたって継続していましたが、Galaxy Z Fold7は、Ultraという最上位の体験を掲げながらも、これらの機能に対応していません。
Sペン非対応の理由は薄型化と設計変更か
Sペンは手書きでメモが取れるペン機能。
当時、Samsungは「Sペンを含むNoteの機能をより多くのGalaxyデバイスに展開していく」と宣言し、折りたたみスマートフォンとしてGalaxy Z Fold3が初めてSペンに対応しました。
Sペンで書いた手書きの文字はテキスト化してコピペできるほか、斜めの手描き文字をまっすぐ自動補正するなど、便利なアシスト機能に対応。ボイスメモと手書き文字を連動して記録することで、手書きノートでは不可能な機能も実現。
こうした機能により、Sペンは単なるメモツールを超えた“デジタルノート体験”として高く評価されています。

一方で、折りたたみスマートフォンは本体が薄いことからSペンは本体に収納できず、別で持ち歩くか、専用ケースを利用する必要があるなど、Galaxy S Ultraシリーズと同じSペン体験を得ることはできませんでした。
Sペン対応は他の折りたたみスマートフォンにはない1つの差別化ポイントでしたが、実際の利用率がそれほど高くなかったことや、本体の超薄型化・軽量化を優先した結果、非対応にせざるを得なかったのかもしれません。

また、Sペンを快適に使ううえで重要だった「完全なフルディスプレイ体験」を実現するためのUDCも、今回で廃止となりました。
UDCはディスプレイにカメラを内蔵することで、画面全体をフルディスプレイ化できる技術。
見た目の美しさと画面の広さを両立できるため、Sペン対応機としては理想的な技術でもありました。

しかしながら、UDCの画素数はわずか4メガピクセル・視野角80°で、ほかの折りたたみスマートフォンと比べて、カメラ性能は物足りないものがありました。
Galaxy Z Fold7では、Ultra体験を謳うことと、Sペン非対応に伴い、パンチホールに移行したものと予想されます。
パンチホール方式になったことで、画質や画角といったカメラ本来の性能は大きく向上しています。
まとめ:より薄く・高性能に進化した代償
Galaxy Z Fold7は、薄型化や軽量化、ヒンジ構造の刷新など、本体設計の大幅なアップデートにより実現した“Ultra体験”の一方で、Z Foldシリーズの特徴でもあったSペンやフルディスプレイといった要素が削ぎ落とされる形となりました。
SペンやUDCがなくなったのは残念に感じるユーザーもいるかもしれませんが、そのぶんGalaxy Z Fold7は、基本性能や携帯性といった別の魅力を強化したモデルだと言えそうです。
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