アップルが3年ぶりに発売した6世代目の「iPod touch」を購入しました。性能が向上し、カラーバリエーションと容量が増えた新型のiPod touchをレビューします。
第6世代「iPod touch」フォトレビュー
パッケージ
第6世代「iPod touch」のパッケージは、紙のiPhoneと違って(iPhone 5cはプラスチック)ハードなプラスチックケースになっています。
横にプリントされている文字は、iPhoneと違い太いフォントが使用されており、5世代目のiPod touchではボディカラーとiPod touchの文字色とアップルのロゴのカラーも合わせられていましたが、6世代目のiPod touchはすべて黒で統一されています。
付属品にはLightningケーブルとEarPods(イヤホン)が付属されていまます。iPhoneと違って充電器は含まれていません。
デザイン
ボディデザインは、第5世代とほぼ同じ。スペースグレイ以外のすべてのモデルはフロントパネルがホワイトになっています。
背面には、アップルロゴと大きな「iPod」の文字が刻印されています。
5世代目からのデザインの変更点としては、リストストラップの廃止にともなって、ストラップをひっかける部品がなくなりました。
カラーは、シルバー、スペースグレイ、ゴールド、ブルー、ピンク、レッドの全6色のラインナップ。
iPhone 5sで初めて追加されたゴールドは、とても人気のあるカラーになりましたが、iPod touchにもようやく追加されました。というわけで、ゴールドを購入。
iPhone 5sのゴールドと比較。色味は同じですが、iPod touchは全面ゴールドで色味も濃いので、ちょっとエグみがあります。
iPhone 5sはツートンカラーがダサいとの声もありましたが、こう見るとホワイトで上手く調和されていますね。
スペック
前作のiPod touchは、デュアルコア/32bitのA5チップを搭載していました。A5チップはiPhone 4sにも搭載されており、性能を数値化するベンチマークもほぼ同じスコアを計測しています。
iOS 7、iOS 8と新機能が大幅に追加されていて、5世代目のiPod touchやiPhone 4sに最新のiOSをインストールすると、さすがにモタつきが出てきていましたが、6世代目のiPod touchには、iPhone 6 / 6 Plusと同じA8チップが搭載されています。
A8チップのコア数はA5チップと変わらず、2つのデュアルコアですが、64bit化されており、アップルによれば、5世代目のiPod touchからCPUのパフォーマンスは最大6倍、GPUのパフォーマンスは最大10倍も高速化されています。
ベンチマークを測ってみると、iPhone 5sよりも低い結果が出ましたが、誤差のような数値なので体感的にはほぼ同じと言えると思います。
iPhone 6 / 6 Plusと同じ型番のCPUを搭載していながら、ベンチマークスコア(iPhone 6 / 6 Plusは2880程度)はかなり低めに出ていますが、クロック周波数が1.1GHzと、iPhone 6 / 6 Plusの1.4GHzよりも低めに設定されていることが原因のようです。
ちなみに、RAM(メモリ)は1GBとiPhone 6 / 6 Plusと同じで、5世代のiPod touchからは倍増されています。
同じ「高速化」という点では、iPod touchとして初めてWi-Fiが802.11 acに対応することで、下りの通信速度が3倍も高速化されている点も嬉しいところ。
カメラ
6世代目「iPod touch」のカメラは性能、機能ともに大幅に向上しています。
iSightとよばれるメインカメラは、解像度が500万画素から800万画素にアップ。機能としては、1秒間に10枚の写真を連写する「バーストモード」と高解像度のパノラマ撮影に対応。顔検出機能も強化されました。
動画は、120fpsのよりなめらかなスローモーション動画に追加対応し、ビデオの手ブレ補正は映画レベルまで向上されています。
FaceTime HDカメラとよばれるインカメラは、バーストモードに対応。HDRは写真、動画ともに自動HDRに対応しています。
iPhone 6 / 6 Plusに劣るポイントは、F値/Focus Pixelsにより高速化されたオートフォーカス/光学式手ブレ補正/サファイアクリスタルのレンズカバー/自然な光のTrue Toneフラッシュ/240fpsのスローモーション動画/60fpsのHD動画など、となっています。
まとめ
前作の5世代目のiPod touchでは、ボディカラーに焦点が当てられて鏡面仕上げの背面から全6色までカラーラインナップが追加されました。
今作の6世代目のiPod touchは、ボディカラーを刷新。新色ゴールドを追加し、ピンクとブルーはより鮮やかなカラーに変更されています。
3年ぶりに新モデルが登場したことで、スペックも大幅に性能アップ。iOS 7、8と着実に動作が重くなっていて、iOS 9でも多数の機能追加が案内されたところをみると、ますます重くなりそうですが、そんな中で性能がアップされた新モデルの登場は嬉しいところです。
日本でクリックホイールに関する訴訟を起こされていて、1.8インチのHDDを製造する企業がないことなどから後継のモデルはおそらく出てこないとされている、大容量モデルのiPod Classicの新作を待ち望んでいる人にとっては、128GBモデルが追加されたことも嬉しいところではないでしょうか。
iPhoneの登場によって、iPodシリーズも徐々に需要がなくなってきていて、一体どういった人にオススメできるだろうと考えると、「Apple Watchに対応すれば、iPhoneユーザーでない人にとって魅力的かも?」と思っていましたが、Apple Watchには非対応になっています。
今のところは、スマートフォンはAndroidだけど、音楽はiPod touchとiTunesで楽しみたいという人や2015年秋に配信されるiOS 9のパブリックベータ版が7月から配信開始となっているため、いち早くiOS 9を試したい人や開発者にオススメできる端末と言えると思います。
ただ、肝心の音質については、内蔵スピーカーの音質は非常に悪く、スクリーンショットの音でさえ、iPhoneとの違いがすぐにわかるほど、満足できないものになっているので、iPod touchで音楽を楽しむ場合はイヤホンを利用することをオススメします。
▼6世代目「iPod touch」の価格表
16GB | 32GB | 64GB | 128GB | |
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iPod touch | 24,800円 | 29,800円 | 36,800円 | 48,800円 |
▼iPod touchはApple公式サイトなどで購入できます。