8月10日、Samsungが新製品発表イベント“Galaxy Unpacked”を開催し、2022年最新の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold4」を発表しました。
タブレットサイズのビッグスクリーンをポケットに入れて持ち運びができる注目度の高いデバイスは、ディスプレイ以外のパーツを全てスリムにしたことで、コンパクト化・軽量化・薄型化を実現。
大画面に最適化された特別なAndroid 12Lを搭載することで、マルチタスキングもより快適になりました。
この記事では、Galaxy Z Fold4の発売日や価格、スペック、新機能をまとめています。
目次
発売日と価格
「Galaxy Z Fold4」はすでに予約受付を開始。8月26日に発売されます。
これはグローバル版の発売日のため、日本での発売日は数ヶ月先になるでしょう。参考までに昨年のGalaxy Z Fold3 5Gは10月6日にドコモとauから発売されました。
なお、Samsung Japanは9月8日午前9時30分から発表会を開催します。このイベントで日本発売日が発表される可能性があります。
アメリカでの販売価格は1,799.99ドル。前作のGalaxy Z Fold3 5と同じです。1,999ドルのGalaxy Z Fold2からは約200ドルの値下げです。
日本での販売価格は不明ですが、Galaxy Z Fold3 5Gはドコモ版が237,600円、au版が237,565円でした。円安の影響や部品や輸送コストの上昇を受けて、値上げを覚悟しておくべきでしょう。
なお、Galaxy Z Fold4では、256GBと512GBに加えて、1TBが追加されました。いつもどおり日本のキャリアは、たった1つの容量のみを販売することが予想されます。
大きさとデザイン
Galaxy S22 Ultraが、Galaxy Noteシリーズの正当な後継機種としてSペンを内蔵したことを考えれば、Galaxy Z Fold4でもヒンジなどにSペンを収納して必要な時に、サッとメモを取れるような実用的なアップデートを期待していた人は多いはずですが、残念ながら実現しませんでした。
本体にSペンが本体に収納できないため、便利に持ち運ぶにはSペンを収納できるポケットを搭載した専用のカバーケース「Standing Cover with Pen」と、Sペンを持っていない人は追加で費用を出して購入する必要があります。いつものように早期予約・購入でSペンをプレゼントするキャンペーンが実施される可能性は高いと思うので期待しましょう。
折りたたみスマートフォンならではの課題は改善されています。重さは271gから263gに軽量化され、開いた時のサイズは155.1 x 130.1 x 6.3 mm、閉じた時のサイズは155.1 x 67.1 x 14.2-15.8 mmと、本体も少し短く、薄くなりました。Samsungはディスプレイ以外のパーツ全てを従来よりスリムにしたと説明しています。
デザイン自体に大きな変更はなく、側面にオールドスタイルの指紋認証センサーが搭載されています。先進的なディスプレイ指紋認証ではありません。IPX8の防水対応です。
カラーはグレーグリーン、ファントムブラック、ベージュ、バーガンディの4色。日本では各キャリアから1-2色が出てくるのではないでしょうか。
ディスプレイ
軽量化されたボディには、タブレットクラスの迫力のあるサイズで動画やゲームが楽しめる7.6インチのメインディスプレイと、ボディを開かず片手で操作できる6.2インチのカバーディスプレイが搭載されています。
メインディスプレイの縦横比は、Galaxy Z Fold3の5:4から21.6:18に変更されたことで、縦は短く横に広くなり、よりタブレットに近いサイズに変化しています。ごくわずかですが幅広になったことで、横書きの多いSペンはより使いやすくなるでしょう。
Galaxy Z Fold3と同様に、内外ともになめらかな映像・アニメーション・スクロールが体験できるリフレッシュレート120Hz対応です。
ボディを開いた時に利用できるフロントカメラは画面内蔵式。初搭載となった昨年は、明らかにピクセルの大きさに違いがありましたが、今作では画素配列を変更したことで、より目立たないように改善されているとのこと。
画面の内外ともに耐久性がアップした強化ガラス「Gorilla Glass Victus+」を採用。強度は前作よりも45%アップしたとのことで、Sペン利用時は筆圧を気にすることなくガシガシ書けそうです。ディスプレイの明るさはピーク輝度1,200ニトからさらに向上したことで、屋外でも快適に利用できるでしょう。
なお、折り目とシワについては継続して存在しているものの、気泡が入りやすい問題については粘着力を強化することで気泡問題が改善されています。
待望のAndroid 12Lを搭載!!
最も大きな進化は、OSにAndroid 12Lを採用したことです。
Android 12Lは折りたたみスマートフォンやタブレットなど、大画面デバイスに最適化されたOSで、Androidの最大の弱点を補強するものです。
タスクバーは画面横から画面下に移動し、アプリ切り替え・ホーム・戻るといったおなじみの3ボタンと、最もよく利用するアプリやお気に入りのアプリをすぐに起動したり、最近起動したアプリにすぐにスイッチ可能。画面の一番左には、Android 12Lで新たに追加されたドロワーボタンが置かれ、どこからでもすべてのアプリを一覧表示できます。
タスクバーからアプリをドラッグ&ドロップすることで、複数のアプリを同時起動することも可能。同時起動したアプリの組み合わせをお気に入りに登録すると、次から一瞬でお気に入りの組み合わせを起動できます。
MicrosoftのOfficeやOutlookは大画面に最適化され、縦に分割した画面の左にメール一覧を表示し、右にメールの内容を表示可能。分割バーを左右にスワイプして自由にサイズを調整したり、メールの内容をフル表示できる「マルチビュー」に対応。ExcelからWordへのドラッグ&ドロップも可能です。
他にもChromeやGmailといったGoogleのアプリは、アプリ間のドラッグ&ドロップによって、リンクや写真を素早くコピペ可能に。オンライン会議ができるGoogle Meetでは、YouTube動画の共同視聴やビデオ通話でのゲームにも対応しています。
カメラ
カメラは最も画質の良い広角レンズと、景色をダイナミックに撮影できる超広角レンズ、画質を大きく落とすことなく遠くの被写体を記録できる望遠レンズの3眼仕様です。
昨年はすべて12MPレンズでしたが、Galaxy Z Fold4は広角レンズが50MP、超広角レンズが12MP、10MPの望遠レンズを搭載。望遠レンズは、光学2倍ズームから光学3倍ズームに進化しています。
フロントカメラはカバーディスプレイが10MP、メインディスプレイに搭載される画面内蔵型レンズが4MPです。
パフォーマンスと電池持ち
チップセットは最新のSnapdragon 8+ Gen 1、メモリは大容量の12GBを搭載します。
1つ前のSnapdragon 8 Gen1は、発熱が激しくSamsungは数々の発熱対策に加えて、パフォーマンスを落とすことで発熱をケアしていました。
製造元がSamsungからTSMCに変わった8+ Gen 1では、発熱問題の解消が期待されていましたが、残円ながらチューニングや発熱対策など各メーカーの取り組みが適用されていないリファレンスモデルを使用した検証では、発熱問題が解消されていないという結果が出ています。
消費電力の高いタブレット級のディスプレイを搭載する折りたたみスマートフォンには、電池持ちにも不安があります。
最も効果的な対策は大容量のバッテリーを搭載することですが、Galaxy Z Fold4のバッテリーは前作と同じ4,400mAh。最大25W出力の急速充電も同じです。電池持ちの大幅な向上はそれほど期待できないでしょう。
Galaxy Z Fold4とFold3を比較
スペック | Galaxy Z Fold4 | Galaxy Z Fold3 |
---|---|---|
OS | Android 12L One UI 4.1.1 |
Android 12 One UI 4.1 |
大きさ |
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重さ | 263 g | 271 g |
メインディスプレイ |
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カバーディスプレイ |
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カメラ |
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フロントカメラ |
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チップセット | Snapdragon 8+ Gen 1 4nmプロセス |
Snapdragon 888 5G 5nmプロセス |
メモリ | 12GB | 12GB |
バッテリー容量 | 4,400mAh | 4,400mAh |
5G | ○ | ○ |
eSIM | ○ | ○ |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac/6e | 802.11 a/b/g/n/ac/6e |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
防水 | IPX8 | IPX8 |
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