今年、発売されたiPhone 6とiPhone 6 Plusでは、数年ぶりに容量が整理されました。整理された結果、32GBモデルは廃止となり、16GB/64GB/128GBが販売されることに。
これまで32GBを利用していたiPhoneユーザーは16GBと32GBのどちらを購入するか迷い、安い方の16GBを購入した人もいるのではないでしょうか。自分もその1人です。
そんな人にとっては悲報かもしれません。iOS 8をインストールした16GBモデルのiPhoneでは、実際に利用できる容量が公表値の80%程度であることがわかりました。
アップル、iOS 8の容量がデカすぎて集団訴訟を起こされる
“これまでで最も大規模なiOSのリリースです”というキャッチコピーで2014年に発表された「iOS 8」
このキャッチコピーが意味するのはiOS 8の容量ではなく、進化の度合いを意味するものですが、iPhoneやiPad、iPodのユーザーから「iOS 8は容量が大きすぎる」としてアップルが集団訴訟を起こされたことがわかりました。
siliconbeatによると、iOSデバイスを利用するユーザーは「購入したiPhoneやiPad、iPodなどの容量が公表されている数値よりも少なく、さらに、iOS 7からiOS 8にアップデートした場合も容量が少なくなった」「アップデート前に新しいOSの容量を知る術がない。これは有料で提供されているiCloudを利用させるためのもの」として、サンフランシスコの連邦裁判所に訴状を提出したようです。
Apple has been hit with a lawsuit alleging that it doesn’t inform users just how much storage its new operating system will eat up – and then prods them to buy more space through its iCloud service.
引用元:Apple hit with class action over storage eaten up by iOS 8 | SiliconBeat
▼iOS 8の具体的な消費容量は以下のとおり。
モデル | 利用できる容量 | 利用できる容量の割合 |
---|---|---|
iPhone 5s | 13.1GB | 18.1% |
iPhone 6 | 13.0GB | 18.8% |
iPhone 6 Plus | 12.7GB | 20.6% |
iPad | 12.6GB | 21.3% |
iPad Air | 12.6GB | 21.3% |
iPod | 12.3GB | 23.1% |
利用するデバイスによって消費容量は異なりますが、ユーザーが利用可能な容量は公表されている数値の約80%程度になってしまうそうです。
Androidの利用可能な容量は、iPhoneよりも20%も少ない
実際に使える容量が公表値よりも少ないという問題は、iOSに限ったことではなく、Androidなど他のOSでも同じことです。
海外メディアのWhitchの調査結果によれば、XperiaやGALAXYにおけるユーザーが利用可能な容量は60%〜70%となり、iOS 8を下回る結果となっています。
公表値の半分に近い容量が使えないとなると、Androidの方でも不満が出てもおかしくありませんが、Androidの場合はmicroSDなどの外部ストレージに対応しているモデルが多く、ユーザーが容量を拡張できることから大きな訴訟に繋がっていないようです。
利用可能な容量は併記するべき
公表されている数値と大きく異なるという点では、技術規格上の最大値として公表されているスマートフォンなどの通信速度も該当します。テレビCMや広告などでは「下り最大100Mbps」と表現または表記されているものの、実際の計測値はそれに遠く及びません。
通信速度の問題については、ユーザーからの苦情が多く、以前から問題視されていることから、総務省が携帯電話事業社に対して2015年度からは理論値から実測値に切り替えるよう要請するとの報道もありました。
iOSの容量に関する訴訟は何度も起きているようですが、アップルが何かを改善したことはありません。機能追加のたびにOSの容量が増えることは仕方がないことですが、購入前にユーザーが利用可能な容量を知ることは当たり前の権利でしょう。
特に容量を拡張できない上、前のバージョンに戻すこともできないiOSデバイスであれば尚更のことです。
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