Google、Claude開発元のAnthropicに最大6.3兆円出資か。競合を支える狙いとは?
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

Googleが、AIアシスタント「Claude」を開発するAnthropicに最大400億ドルを出資すると報じられています。
出資は段階的に行われ、まず100億ドルを投じたうえで、業績に応じて最大300億ドルを追加出資する計画。出資額は日本円で最大6兆3000億円に達する見込みです。
モデルで競合し、インフラで手を組む
Claudeは、AIに相談できるチャットボットとして登場しましたが、いまやそれだけの存在ではありません。特に、AIを活用したコーディングアシスタント「Claude Code」は高い評価を集め、開発においても存在感を強めています。
一方、GoogleはGeminiを開発・提供しており、Anthropicは直接的な競合になりうる存在です。それでも巨額出資に踏み切る背景には、AIモデルそのものだけでなく、それを動かすためのインフラ競争があります。
AIはどれだけ優れたモデルを開発しても、それを快適に使えるだけのインフラがなければ、ユーザーの満足度は高まりません。
実際、Anthropicは一時的に利用制限を緩和した際に賞賛を集めたものの、その後は再び制限の厳しさが目立つようになり、「すぐに使えなくなる」といった不満の声も聞かれます。筆者自身も、利用制限の厳しさからClaude Codeを継続的に使うのが難しくなり、1ヶ月で解約してOpenAIのCodexに戻しました。
AIサービスの裏側をどの企業が支えるのかという点では、Apple Intelligenceをめぐる動きにも近い構図があります。
Claudeの成長を支えるGoogle Cloud
表向きにはGeminiとClaudeのモデル競争に注目が集まりますが、その裏側でAnthropicとGoogleの関係はすでに深まっています。
Anthropicは昨年10月、Google Cloudを通じて最大100万のGoogle TPUを利用する計画を明らかにしました。さらに今月初めには、GoogleおよびBroadcomとの提携も発表しています。
Broadcomは、Google向けのカスタムAIチップを設計している半導体メーカーです。この提携によってAnthropicは、2027年以降、GoogleのTPUをベースにした大規模な計算能力を確保することになります。
今回報じられているGoogleの新たな投資は、この取り組みをさらに広げるものです。すでに発表されているGoogleとBroadcomとの提携に加えて、Google CloudがAnthropicに新たな処理能力を提供し、将来的にさらに拡張する余地もあると報じられています。
つまりGoogleにとってAnthropicは、AI分野で競合になりうる一方、クラウドとAIチップを大量に利用する重要な顧客でもあります。
今後もAI市場が拡大していくなかで、GoogleはGeminiでモデル競争を戦いながら、Claudeの成長もGoogle CloudやTPUの利用拡大につなげたい狙いがあると見られます。
競合を支援するようにも見える巨額出資ですが、Googleからすれば、Claudeが伸びても、自社のクラウド事業やAIインフラの収益拡大につなげられます。Googleの出資はこれから本格化するAIインフラ競争も見据えた動きと言えそうです。



















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