イー・モバイルが2月19日に発表したシャープ制のデータ専用端末「EM・ONE」の開発にいたって多くの裏話がある。
通常、携帯電話事業に新規参入する会社に端末を配給するメーカーは新規参入会社に対して冷たい態度をとってきたが、イー・モバイルはいきなり一番利用されている携帯電話メーカーであるシャープ製の端末を発表した。
なぜイー・モバイルがいきなりシャープ製の端末を発表できたのか・・・
ソフトバンクがボーダフォンを買収した当時、孫正義社長が「我々が新規参入事業者として名乗りを上げたころは、端末メーカーと話をしても目も合わせてくれなかった」と語るように端末メーカーは新規参入事業者には冷たい態度を取ってきた。
実際、ある端末メーカー関係者も「ほとんどの国内メーカーが、新規参入事業者のことは相手にしていないのではないか」と話した事もある。端末メーカーからすれば新規参入事業者に端末を配給することはとてもリスクが大きい。
これはイー・モバイルの関係者も「海外メーカーから端末を調達するのではないか」と予想していた。
「EM・ONE」が開発を開始してから発表までこぎつけたのはわずか1年。通常、携帯電話の開発には1年半以上から2年以上とされている。この短期間であれほどのスペックの端末を作り上げた力はさすがシャープと言ったところ。
短期間で作り上げられた要因としてシャープが「W-ZERO3」を開発したさいのノウハウが「EM・ONE」にもいかされたことがある。
イー・モバイルが第一号機にシャープ製の端末を発売できた理由は、シャープとだからできたのであって他のメーカーではできなかったのだ。
というのも、イー・モバイルの千本倖生会長とシャープの町田勝彦社長が旧友であったからである。二人は共に1966年に京都大学を卒業した同窓生というだけでなくプライベートでも非常に仲が良かったということもある。
イー・モバイルが1年という短期間で「EM・ONE」の製品化に成功できたのはシャープだからこそだった。
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