当メディアではアフィリエイト広告を使用しています

iPhoneが2024年にRCS対応。でもLINEはやめられない

bio
Yusuke Sakakura公開日:2023/11/20 17:35
iPhoneが2024年にRCS対応。でもLINEはやめられない

iPhoneで利用できるメッセージアプリは、Appleデバイスユーザー同士で利用できるiMessageと、電話番号でやり取りできるSMS、キャリアメールが必要なMMS(ドコモ非対応)をサポートしています。

メッセージを送るごとに料金が発生するSMSは電話番号を使ったシンプルなテキストのみのメッセージ機能で画像は添付できません。ギガを消費するMMSは写真や動画、音声、リッチテキストなどの送受信が可能。いわゆるキャリアメールですがドコモやMVNOでは利用できません。

iMessageを利用するときだけ最高のメッセージ体験を提供し、Androidユーザーとやりとりする時に意図的に劣化させているAppleの姿勢をGoogleは常に批判し、メッセージ体験を向上するRCS対応を迫っていましたが、ようやく2024年にRCSに対応することを発表しました。

RCS対応でいったい何が変わるのでしょうか?

米アップルは、携帯電話でのメッセージ送受信に関する標準規格リッチ・コミュニケーション・サービス(RCS)を来年採用することを計画している。アップルとしては大きな方針転換で、RCS採用により「iPhone」とアンドロイド端末との間でのテキストメッセージのやり取りがより円滑になる。

RCSに対応しないiPhoneのメッセージアプリとAppleの姿勢に対して、これまでに何度もGoogleは批判しています。

#GetTheMessageキャンペーンページでは、iPhoneとAndroidのメッセージのやりとりを90年代や00年代の時代遅れの技術であるSMSやMMSにダウングレードしていると批判され、「現代の業界標準であるRCSを採用すれば、iPhone同士のやり取りを変えることなく問題を解決し、すべての人にとってより良いメッセージ体験を実現可能だ」とRCS対応の必要性を迫っています。

iPagerと揶揄されるAppleのメッセージ体験。Pagerは日本語でポケベル

GoogleはSMS/MMSでは動画は小さくリサイズされて画質もぼやけていて(品質の低下具合はキャリアによって異なる)、エンドツーエンドの暗号化ができないため安全なやり取りができないと指摘し、既読もつかないため、友達や家族にメッセージが届いたのか、読んだのかわからず、タイピングインジケーターもないため相手が返信中なのか、返信するつもりがあるのかもわかりません。

まさに時代遅れのメッセージ体験です。

GSMAが提唱するメッセージングサービスの標準規格のRCSは「リッチコミュニケーションサービス」の名前が表すようにテキストメッセージサービスをリッチ化したもので、相手が返信中であることがわかるタイピングインジケーターや既読通知、メッセージに対するリアクション機能、高解像度の写真・動画の送受信、グループメッセージなど、SMSやMMSに足りないものを備えています。

でも、ただそれだけです。

RCSに対応してもiMessageによる独自機能をAndroidユーザーが利用することはできません。逆に価値を高めるためにiMessageの機能を強化してもおかしくありませんし、実際に今年秋にリリースされたiOS 17でも大幅にメッセージ機能が強化されています。

また、Androidユーザーが送ったメッセージが緑の吹き出しで表示されることから、Googleは「明るい緑色の背景に白い文字を使うことでテキストを読みにくくしている」と指摘していますが、AppleはRCSのメッセージも緑色の吹き出しで表示することを明言しています。

AndroidユーザーのメッセージはSMS/MMSとして緑色の吹き出しで表示される
AndroidユーザーのメッセージはSMS/MMSとして緑色の吹き出しで表示される

メッセージを安全にやり取りするための暗号化については、RCSそのものはエンドツーエンドの暗号化に対応していません。Googleはエンドツーエンドの暗号化をGoogleメッセージアプリに独自実装して安全を確保しています。

9to5Macによると、Appleは独自のエンドツーエンドの暗号化を実装するつもりはないそうです。AppleはGSMAと協力してRCSをさらに改善していく方針は示していますが、RCSがエンドツーエンドの暗号化に対応しない限り、安全にメッセージをやり取りすることができないようです。

RCSにはアプリ間の相互接続問題もあります。

例えば、ドコモ、au、ソフトバンクといったキャリアから購入したAndroidスマートフォンにはほぼ必ず入っている「+メッセージ」から+メッセージを利用していないユーザーにメッセージを送ろうとすると友達を招待することを求められます。

また、Googleメッセージから+メッセージ、Rakuten Linkにメッセージを送るーーつまりRCS対応のアプリ間でやり取りする場合はRCSではなく、SMS/MMSを利用することになります。

+メッセージを使ってないユーザーにはメッセージを
+メッセージを使ってないユーザーにはメッセージを

「RCS対応したことでLINEをやめられる」という人もいますが、RCS対応アプリ間の相互接続が実現しないかぎり、LINEをやめたあとに後悔するのでやめることをやめた方がいいです。

AppleのメッセージアプリがRCSに対応することによって、LINEを使っていないAndroidユーザーとのメッセージのやり取りはSMS/MMSの縛りから解放されるので、その時に限ってRCSを利用すればいいだけです。メインロードではなく、あくまでもサイドロードです。

ということでAppleがRCSに対応したところでLINEはやめられないでしょう。

コメント
コメント利用規約

質問は必ず記事を読んでから投稿してください

質問する際は画面にどういったメッセージが表示されているのか、利用機種・OSのバージョンも書いてください。

誹謗中傷を含む場合は発信者情報開示請求します。

攻撃的・侮辱的・過激・不快な表現を含む場合はIPアドレスを明記して公開します

VPNを使った書き込みおよび連投は承認されません。

コメントを残す

(任意)

Recommendこんな記事も読まれています