2026/11/04 19:30

ドコモの通信品質改善、増える通信量への対応で手一杯?途切れずつながるエリア整備は後回し

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Y.Sakakura

総務省が公表した5G基地局数の調査で、NTTドコモの基地局数がKDDIやソフトバンクの半分以下だったことが大きな話題になりました。

11月4日の決算会見では、この大きな差について質問があり、前田義晃社長が現在の基地局整備の優先順位や、5Gへの周波数転用に伴う課題を説明しました。

ドコモの5G基地局は他社の半分以下

総務省が10月30日に公表した調査では、2026年3月末時点の5G基地局数について、ドコモがKDDIやソフトバンクを大幅に下回る結果となりました。

ドコモの基地局数はKDDIの約45%、ソフトバンクの約49%と両社の半分以下にとどまります。

KDDIとソフトバンクは転用5Gで圧倒

周波数帯別に見ると、さらに大きな違いがあります。

大容量通信に適したSub6では、KDDIの43,916局に対してドコモは37,121局。差は約16%にとどまります。

一方、4Gの周波数を5Gに転用した基地局は、KDDIが71,447局、ソフトバンクが99,253局だったのに対し、ドコモはわずか14,867局。KDDIの約5分の1、ソフトバンクの約7分の1という大きな差がついています。

Sub6は大容量通信に適している一方、電波が遠くまで届きにくく、建物などの障害物の影響を受けやすい特徴があります。

これに対して、4Gから転用する低い周波数は広いエリアをカバーしやすく、連続した5Gエリアの整備に役立ちます。

通信品質で高い評価を受けているKDDIとソフトバンクが、どちらも転用5Gの基地局数でドコモを大幅に上回っていることを考えると、広いエリアをカバーすることも通信品質の改善においては重要なはずです。

転用5GよりもSub6を優先する理由は?

そうした状況の中、なぜドコモはSub6の整備を優先しているのか。

前田社長は、通信トラフィックが毎年20%以上増加していると説明。増え続ける通信量に対応するには、Sub6を使った通信容量の拡大が欠かせません。

一方、4Gの周波数を5Gに転用しても、通信容量は4Gとそれほど変わりません。

基地局の整備に必要な工事リソースにも限りがあり、ドコモの場合、転用5Gを増やすには対応装置への交換が必要になるとのこと。

こうした事情から、より大きな通信容量を確保できるSub6の整備を優先しているとします。

Sub6基地局数ナンバーワンを目指している?

ドコモは今年2月、2026年度中に基地局数で他社の水準に追いつき、通信品質でも同等以上を目指す考えを示していました。

今回の会見で前田社長は、2026年度中に他社に追いつくという目標が、Sub6の基地局数を中心としたものだったと説明。今年度1万局以上を構築する目標も維持しています。

総務省の調査によると、2026年3月末時点でドコモはSub6の基地局数でソフトバンクをすでに上回っており、首位のKDDIとの差は6,795局。

Sub6に限れば、年度内に他社の水準へ追いつくことも十分に考えられます。

一方、5G基地局の総数では依然として大きな差があり、現在の整備ペースで年度内に追いつくのは現実的ではありません。

ドコモは以前から、Sub6だけではカバーできない場所があることや、移動中の接続性能を改善する必要性を認識しています。

それでも、転用5Gの基地局数では他社に大きく遅れており、今後もSub6を優先する方針に変わりはありません。

ドコモはすでに、通信品質で高い評価を受けているソフトバンクよりも多くのSub6基地局を整備しています。ただ、ユーザー数も最も多く、それでも通信容量が足りないのかもしれません。

前田社長の説明を踏まえると、限られた工事リソースを増え続ける通信量への対応に振り向けざるを得ず、転用5Gによる連続したエリアの整備まで十分に手が回っていないように感じます。

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