ドコモ、端末購入プログラム見直しか。スマホ返されすぎで994億円の減収要因に
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

ドコモが2025年度第3四半期の決算を公開しました。
営業収益は前年同期比で924億円の増収だった一方、営業利益は885億円の減益。足を引っ張ったのは本業のコンシューマ通信で、営業収益は846億円の減収、営業利益は1,286億円の減益と大きく落ち込んでいます。
その減収減益の主因が端末購入プログラムで、影響額だけで994億円の減収となりました。端末が返却されるほど、収入が減る仕組みだけに、想定以上の返却がそのまま業績に響いた格好です。
端末購入プログラムが減収減益に直結したワケ
ドコモの端末購入プログラム「いつでもカエドキプログラム」は、あらかじめ購入するスマートフォンの返却時の予想価格(残価)を差し引き、残りを23回に分割して支払うことで、月々の負担を抑える仕組みです。
一定期間の利用後に端末を返却すれば、残価の支払いは不要になります。返却しない場合は、残価を含めて支払いを続け、そのままスマホを使い続けることも可能です。

では、これがなぜ大幅な減収減益に直結したのでしょうか。
MNP競争の激化が「購入」と「返却」を増やす
端末購入プログラムによる減収減益は、もうひとつの業績悪化要因とセットで起きているようです。
前田社長が「関連性が高い」と語るもうひとつの要因とは、MNPの競争激化・長期化に伴う販促費の増加です。
同氏によると、MNPによる他社への流出は昨年比で1.2倍に増加。利用者数を維持・増加するため、販促費を投じて顧客獲得に動いているとのこと。前田社長はこうした出入れが激しい状況では、「購入」も「返却」も増えると説明します。

想定よりもスマホ返されすぎた
利用者はスマホを返却することで、残りの支払いがなくなります。一方、ドコモ側から見ると、返却が増えるほど、端末代金として回収できる金額が減り、機器収入を押し下げやすくなります。
もちろん、返却率や返却時期は事前に予測して制度設計しています。しかし、NTTの島田社長は「返却率が想定していた以上に多かった」と述べ、ドコモの前田社長も「返却の度合いが見込みよりも大きくなった」と口をそろえます。
つまり、ドコモの想定よりもスマホの返却時期が早かった——スマホを返されすぎたわけです。

これにより、将来の返却予測も見直しを迫られ、今期は300億円規模の引き当て金の見直しを行なったとしています。
また、競争激化を見込んであらかじめコストとして織り込んでいた200億円と合わせ、いつでもカエドキプログラムは対前年度でおよそ500億円のマイナスになりました。
いつでもカエドキプログラムを見直しか

こうした業績結果に加え、総務省で議論されている割引規制の見直しも踏まえ、前田社長はカエドキプログラムの内容を見直していく必要性があると述べました。
具体的に挙げたのが、「適正な残価設定」への見直しです。
前田社長は、スマホを買いやすい環境を作りつつも、ドコモのサービスを使い続けてもらいたいのが第一の願いだとし、「他社はそうした取り組みも始めており、検討が必要」との見方を示しました。
近年の端末購入プログラムでは、残価を高めに設定して返却までの支払額を小さくする機種も見られます。こうした“返却を前倒ししやすい”残価設定を見直していく可能性があります。
ただし、買い替えのハードルが他社に比べて上がってしまうと、顧客獲得の鈍化や顧客流出につながるため、判断が難しいところです。



















コメントを残す