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Samsungが2022年4月21日にGalaxy S22を発売しました。
前世代のS21同じフラットボディを採用しながら素材変更で高級感がアップ。ディスプレイを囲う黒い縁のベゼルが狭くなったことで見た目がよりスタイリッシュに改善されています。
チップセットは最新のSnapdragon Gen1を搭載することで操作はサクサク。向こう数年使っても快適操作できるはず。AIの処理能力が大幅に向上したことで、写真に写り込んだ不要なものをキレイに除去できるなどカメラ機能も大きく進化しています。
この記事では、シリーズのなかで最も片手で操作しやすいサイズ感のGalaxy S22を徹底レビューしています。
Galaxy Japan
目次
- シンプルながら強靭でスタイリッシュなデザイン
- ベゼル幅が薄く、Samsung史上最強のディスプレイ
- 広角レンズが進化したトリプルカメラ
- 最高のプロセッサを搭載。ゲームは快適にプレイできる?
- やや不安な電池持ち
- 魅力的な長期間のOSアップデート保証
- まとめ:ワクワク感はないものの長期アプデで安心
シンプルながら強靭でスタイリッシュなデザイン
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Galaxy S22は、超強力かつ軽量なアーマーアルミフレームをフラットガラスでサンドイッチしたボディを採用しています。IP68等級の防水・防じんに対応しているため、万が一のことがあっても安心。
同じフラットデザインを採用するiPhoneやXperiaとの大きな違いは、フレームがわずかに湾曲して手に馴染むこと。ただ、フラットパネルとアーマーアルミフレームのつなぎ目がエッジカットされてないため、長時間操作してるとエッジに触れる指が痛くなります。
小さくて大きな変化は、ガラスのようなプラスチック素材「グラスティック」をリアルなガラスに変えたこと。高級感がグッとアップし、サラサラな質感で指紋の目立ちにくく、つい触れたくなる手触りです。
大きな特徴のコンターカットは今作も継続。3つのレンズが縦に並ぶカメラユニットがアーマーアルミフレームと融合するような見た目になっています。クセが強い見た目で前作同様に賛否あるかもしれませんが、目立たないブラックカラーも用意されています。
カラーラインアップは、ファントムホワイト、ファントムブラック、ピンクゴールドの3色。今回は透明感が高く、清潔感のあるホワイトを選びました。
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ベゼル幅が薄く、Samsung史上最強のディスプレイ
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画面の大きさは6.1インチでちょうど片手に収まるサイズ感。片手で快適に操作する人のほとんどが少し大きいと感じるはず。ただ、片手操作をサポートする「片手モード」や便利なアプリランチャーの「サイドセンス」といった機能に対応しています。
画面の明るさはiPhone 13シリーズを上回るピーク時1300ニト。明るさと色やコントラストを自動調整する「ビジョンブースター」で屋外でも見やすいとのことですが、日差しの強い屋外で大きな効果は実感できませんでした。個人的にはもう少し輝度が欲しいところ。夏日では明るさを最大にしても画面が見づらいと感じる程度です。
レビュー機を返却してから気づいたことですが、Galaxy S22では、明るさを強化するモードが用意されています。これは隠しモードのような機能で、設定画面からディスプレイ>明るさの自動調整をオフにすると「明るさを增大」の設定が追加され、これをオンにすると画面の輝度が2倍上に向上します。屋外で見づらい場合は同機能を利用すると良いでしょう。
リフレッシュレートは、操作に合わせて映像がなめらかに表示されるアダプティブ仕様の48-120Hzです。なめらかさは一般的なスマートフォン(60Hz)の最大2倍で、TwitterのタイムラインやInstagramのフィードをスクロールしたり、ホーム画面を左右にスワイプしたときに表示されるアニメーションがスムーズに表示されます。
Sペンなど専用のペンを使えないGalaxy S22にとって、高リフレッシュレートは絶対的に必要なものではありませんが、一度利用して一般的なスマートフォンに戻ると大きな変化を感じます。真っ黒と鮮やかな色彩を表現できる有機ELディスプレイと液晶ディスプレイに似たような違いかもしれません。
カバーガラスはSamsung史上最強の強化ガラス「Gorilla Glass Victus+」を採用。キズの発生を最小限に抑えつつ、最大2メートルの高さからの落下に耐えるため安心して利用できます。
前作のレビューでは、ボトム側のベゼルだけが厚めになっていることを指摘しましたが、Galaxy S22のベゼルはようやく上下左右の4辺すべてが薄型になったことで、見た目のスタイリッシュさが増して、画面占有率が高く没入感のある映像が楽しめます。
また、マスクを着用したままでも画面ロックをスムーズに解除できるディスプレイ指紋認証を利用できます。
広角レンズが進化したトリプルカメラ
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前世代のS21はソフトウェアアップデートのみでしたが、今年のGalaxy S22は広角レンズが大幅に進化しました。
画素数は12MPから4倍以上の50メガピクセルに向上。1ピクセルあたり23%もの多くの光を取り込めるようになり、最新のAIによって1度のシャッターで最大20枚の画像を合成することで、夜間でも明るくクリアな写真撮影が可能になりました。
ほかにも光学式手ぶれ補正付きの10MP望遠レンズ、12MPの超広角レンズを搭載。メインカメラは最大8K・24fpsの動画撮影に対応。フロントカメラでも4K・30/60fpsの超高解像度で自撮りが可能です。
シャッターボタンを押すだけで綺麗な写真を撮影することも可能ですが、Galaxy StoreからExpert RAWアプリをダウンロードすることでRAW撮影もできるようになりました。インスタントに思い出を記録するだけでなく、Adobe Lightroomなどを使って芸術的に仕上げたい人にとっては嬉しいアップデートです。
今回はすべてノーマルのカメラアプリで撮影してみました。
逆光でも白飛びを強力に抑える「Super HDR」
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白飛びと黒とびしやすいビルの谷間で上空を撮影してみました。新機能の「Super HDR」によって、快晴時の空も白飛びすることなく青色を正確に再現。黒つぶれも見事に抑えられています。
超広角〜最大30倍のトリプルカメラ
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トリプルカメラは超広角〜最大30倍ズームに対応していますが、20倍になると油絵のようなにじみが発生するため、手持ち撮影では10倍ズームまでが実用的な画質だと思います。
美味しく撮れる料理モード
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暖色を強調し中心部をぼかせる料理モードによって美味しく印象的に撮影できます。
大幅なノイズ低減の夜景モード
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夜景撮影では23%大きくなったイメージセンサーが本領を発揮。より多くの光を取り込み、ノイズ低減によって暗所でも明るくクリアな写真が撮れます。また、独自の超低反射ナノコーティングが施されたカメラによって、暗い場所で光を捉えた時に発生するレンズフレアも抑えられています。
最高のプロセッサを搭載。ゲームは快適にプレイできる?

チップセットは最新のSnapdragon 8 Gen 1を搭載しています。今年発売されるフラグシップAndroidスマートフォンの多くが採用する現時点で最高のプロセッサです。メモリ(RAM)は8GBを搭載していてパフォーマンスに不満を抱く人はほぼいないでしょう。
Snapdragon 8 Gen 1については発熱のしやすさが報告されています。高い処理能力を要求する「Dead by Daylight Mobile」をプレイしたところ、手で持てないほどではないもののしっかり発熱することを確認しました。ただ、プレイに支障が出るような性能低下は確認できず快適にプレイできます。
やや不安な電池持ち

バッテリー容量は3700mAhです。前作に比べて300mAhも少なくなりました。強化されたAIによってスマートフォンの使用パターンを学習。使用電力を賢く節約することで24時間以上の連続使用が可能とSamsungは説明しています。
実際の使用感としては日常生活での使用なら不満はないでしょう。朝、フル充電の状態に出かければ、帰宅時にはまだ十分な残量があるはず。ただし、休日に遊びに出かけてカメラをヘビーに使ったり、旅行などで画面をつけっぱなしでナビを使用するなどヘビーに使うのであれば、モバイルバッテリーの携帯は欠かせません。
バッテリーの充電は前作同様に最大25W出力の急速充電に対応しています。最大出力で充電するには、USB PPS対応の充電器を使用する必要があるので注意しましょう。超コンパクトかつ折りたたみのコンセントプラグで持ち運びも便利なPPS対応の「Anker Nano II 45W」で充電したところ、30分で70%まで充電可能でした。まさに超ハイスピードです。
なお、ワイヤレス充電では最大15W出力に対応。Galaxy BudsなどQi対応のイヤホンにバッテリーをシェアできるリバースワイヤレス充電も利用できます。
魅力的な長期間のOSアップデート保証
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Galaxy S22には、Android 12ベースのSamsung独自のインターフェース「One UI 4.1」が搭載されています。
最新の追加機能では、待ち受けに設定した壁紙の色を抽出し、複数のカラーパレットを作成。選んだカラーパレットをもとに、スマートフォン全体の色合いが統一されます。
また、グローバル版のGalaxy S22シリーズは、最大4世代のアップデート保証付きのため長く使用したい人も安心。
発売時にはAndroid 12が搭載されているため、13→14→15→16までOSアップデートが可能。さらに、5年間のセキュリティアップデート保証付きのため、5年もの長期間、最新機能が利用できます。
現時点でこの取り組みが日本向けのモデルに適用されるかはわかりませんが、日本向けにも3世代のアップデート保証と4年間のセキュリティアップデートは発表済み。Galaxy S22が対象機種に含まれるかは発表されていませんが、おそらく対象機種になるでしょう。
アップデート保証期間は高額なスマートフォンを購入するための重要なポイントです。一般的なAndroidスマートフォンは、わずか2回のOSアップデートで終了することが多いため、Galaxyスマートフォンの長期間のアップデート保証は魅力的です。
まとめ:ワクワク感はないものの長期アプデで安心
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It's GOOOOD!!
- 高画質なトリプルカメラ
- 長期間のアップデート
- 軽量でスリムなボディ
- ベゼル幅の狭いスタリッシュなディスプレイ
- スムーズに画面ロックを解除できるディスプレイ指紋認証
TOUGH...
- 不安な電池持ち
- 指が痛むエッジカット
前世代のモデルからコンターカットされたデザインを継承するなど、Galaxy S22は派手な進化はないものの、着実な進化を遂げた最新モデルです。
スタイリッシュなデザインのボディは、ジーンズのポケットに入れても圧迫感がないほどスリム。
重さ167gの軽量ながら最新のチップセットと、望遠から超広角まであらゆる画角に対応し、多くの撮影シーンで画質にも満足できるトリプルカメラ、リフレッシュレート最大120Hzでなめらかなアニメーションや映像が楽しめる有機ELディスプレイを搭載するなど、非常にバランスの取れたモデルで多くの人が満足するはず。
販売価格は機種代金が12万円、2年後に端末を返せば負担金は7万円程度です。2年以降も使い続けるのであれば、最大3〜4年におよぶ長期間のアップデートはかなり魅力的だと思います。
少し残念なのはやはり電池持ちです。4,000mAhに満たないバッテリー容量は物足りず、実際の使用感としても日常生活ならば不安はないものの、旅行や土日の休みなどへビーに利用する場合は夕方に1回、寝る前に1回と2回以上の充電が必要だと思います。モバイルバッテリーを携帯することを妥協できるのであれば、間違いなく今夏のベストスマートフォンの1つだと思います。
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