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アップルが昨年よりリリースしている「iOS 8」ですが、iOS 8.0.1でアップデート直後に圏外になり、iOS 8.0.2では圏外になる上、指紋認証が使えなくなるなど、致命的な不具合を立て続けに起こしたことは記憶にあたらしいところです。
ひとつ前のiOS 7でもSSL接続のバグがこっそり解消され、後にSSL接続が意味を成さなくなる致命的なバグであることが明らかになるなど、最近のiOSの品質に不満を持つユーザーも多く、最近ではTumblrの共同創設者であるMarco Arment氏が「ここ数年でアップルのソフトウェアの品質は暴落している」とコメントを残して話題となりました。
iOSの品質改善に向けてベータテスト対象者をApple Storeのスタッフにまで拡大か
こういったユーザーの声をようやく受け止めたのか、アップルはiOSの品質改善のためアップデート配信前のベータテスト対象者をApple Storeのスタッフにまで拡大させるようです。
Apple will begin providing select retail store employees access to upcoming versions of iOS in order to widen its pre-release testing program, according to multiple sources.
引用元:Apple to widen pre-release iOS testing by roping in retail employees | 9to5Mac
これまでのiOSのベータテストは上手く機能していなかった
これまでリリース前の最新版のiOSをテストしていたのは、クパチーノ本社の開発者と従業員。そして、iOSの開発者プログラムに登録するアプリの開発者でした。
開発者プログラムに登録したユーザーからは、iOSのコアな部分に加えて通常時の利用など、クパチーノ本社で実施するテストとは異なる観点でのフィードバックを得たかったはずですが、それが上手くいってなかったことは最近のアップデートの品質を考えれば容易に想像できます。
数年前までは上手くいっていたテスト体制もiOSが徐々に機能が追加されたことによって上手くいかなくなっているのかもしれません。実際に大幅にデザインの変更が行われたiOS 7から品質の悪さが指摘されるようになり、これまで最も大規模なアップデートとしてリリースされたiOS 8で致命的な不具合を連発しています。
さらに、ベータテストの実施対象者にも問題はあるのかもしれません。
テストを実施するiOSの開発者プログラムに登録したユーザには、アプリの開発者とiOSの新機能を早く試したい一般ユーザーがいます。アプリの開発者は自分のアプリを最新版のiOSに対応することを重視するため、新機能や変更点を利用するのは二の次となります。iOSの新機能や変更点を積極的に利用するのは開発者プログラムに登録する一般ユーザーとなりますが、そうった一般のユーザーがバグをバグとして認識し、さらにアップルにフィードバックするのはカンタンではないでしょう。
そこでアップルストアのスタッフをテスターとして起用するみたいですが、はてさてうまくいくのでしょうか。テスト対象者の拡大は早ければiOS 8.2から行われるとのことです。
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