「ChatGPT」で生成AIブームのトレンドを作り出したOpenAIが、AI専用デバイスの開発を計画しているとNikkei Asiaが報じました。
これはサム・アルトマンCEOへのインタビューから明らかになったもので、同誌は2007年に発売されたiPhone以来のテクノロジーデバイスにおける最大の変革をもたらす可能性があると伝えています。
OpenAIがAI専用デバイスを開発するのは必然
アルトマンはAI専用デバイスの開発について「AIはコンピューターとの関わり方を根本的に変える存在で、新しい種類のハードウェアが必要」と述べています。
AIはあくまでもソフトウェアであるため、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、最適化されたハードウェアの存在が不可欠です。
将来的にAIの性能や能力は各社で似たものになる可能性が高いですが、仮にOpenAIが他社より優れるAIを開発したとしても、GoogleのGeminiやAppleのSiriのような既存のAIアシスタントに取って代わることはないはずです。
実際、4月に日本語対応が予定されている「Apple Intelligence」では、Siriを介してChatGPTに質問できる連携機能が提供されていますが、Hey ChatGPTと直接呼びかけてSiriをスルーすることはできず、今後ChatGPTとの連携機能が拡充されても地位がSiriと入れ替わることはでしょう。
こうした状況を踏まえると、OpenAIが独自のAI専用デバイスを開発することは、将来的な地位を確立するために必然の戦略といえます。
AI専用デバイスのヒントを明かす
アルトマンは、AI専用デバイスがどういったものになるのか明かしていません。それでもいくつかのヒントを示唆しています。
1つはiPhoneのタッチスクリーンに対して、AIでは音声が重要な鍵になると語っていること。もう1つは、OpenAIが独自の半導体の開発に取り組んでいることを明かしたことです。
さらに、元AppleでiPhoneなど数々の優れたデザインを手がけた元Appleのジョナサン・アイブと提携する意向も示しています。アルトマンが明かしたヒントのなかでも、意外とこれが最も重要なポイントかもしれません。
というのも、今後登場するテクノロジーデバイスの多くがAIを最大の特徴にするはずですが、消費者がAIそのものを購入の決め手とするかどうかは不透明です。しかし、デザインはいつの時代も購入意欲を左右する重要な要素です。
AI専用デバイスの登場時期
気になるAI専用デバイスの登場時期について、アルトマンはプロトタイプの発表までに数年かかると述べており、少なくとも年内に発表される可能性はないようです。
なお、アルトマンは現在来日中で、石破首相と会談を予定しているとのこと。今後、数日以内に日本国内にも影響のある注目すべきニュースが飛び込んでくるかもしれません。
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