いよいよChatGPTに広告が表示される可能性。ベータ版Androidアプリから導入準備が判明
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

OpenAIがChatGPTに広告を表示する準備を始めていることが明らかになりました。
これまでも推論機能やメッセージ数、アップロード数、画像生成の回数と速度といった制限を解除できる有料プランは提供されてきましたが、広告は表示されていませんでした。
通常チャットへの広告挿入はなし?検索広告など中心か
今回の動きは、Tibor Blaho氏がAndroid版ChatGPTのベータ版から、com.openai.feature.adsなど広告関連のクラス参照を発見したことで判明したものです。
クラス名を見る限り、検索連動広告やショッピング系カルーセル、ターゲティング、デバッグまで含めた、本格的な広告配信基盤の実装が進んでいると考えられます。同氏は、通常のチャット回答に広告が差し込まれないと予想しています。
OpenAIはこれまでも慎重な姿勢ながら広告導入の可能性に言及していたので、驚きはありませんが、とうとうその時が来るのかもしれません。
ChatGPT Android app 1.2025.329 beta includes new references to an "ads feature" with "bazaar content", "search ad" and "search ads carousel" pic.twitter.com/BdHOJIQHmA
— Tibor Blaho (@btibor91) November 29, 2025
広告導入には、OpenAI側の事情もあります。
これまでの報道では、OpenAIが数千億円規模の大きな赤字を抱えているされてきました。広告によって収益源を多角化できれば、単純な収益の改善と収益構造の改善できることになります。特に利用規模に比例して収益が伸びる検索連動広告は、世界最大級のユーザー数を持つChatGPTの有力な収益柱になり得ます。
一方で、懸念されるのはプライバシーの問題です。
広告のターゲティングに、ChatGPTのメモリ機能が活用されるのではないかという指摘があり、広告の精度向上と引き換えにユーザー情報がどこまで利用されるのか、ユーザー側で制御できるのか、といった点に不安を感じる人は少なくないはずです。
また、広告の導入によって中立的な立場が揺らぐ懸念もあります。
例えば商品を探しているとき、AIが提示した情報が本当に推奨に値するから選んだのか、スポンサーを優先しているのか分からなくなる可能性があります。これまで「AIは私情が入らない」と感じてきた人にとって、その前提が揺らぎかねません。もしMetaのように質の低い広告が紛れ込めば、AIの信頼性そのものを疑う動きが出ても不思議ではありません。
広告は収益化の有力手段である一方、ユーザー体験と信頼性に影響を与えるセンシティブな領域でもあり、OpenAIがどのようなバランスを取るかに注目です。
また、広告が導入された場合、ChatGPTを採用しているSiriの体験がどう変化するのかも気になるところ。Appleはプライバシー保護を強く打ち出しているため、Siri内で広告をどのように扱うのか、あるいは完全に排除するのか、どうなるでしょうか。




















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