超低遅延・多数同時接続を可能にするフル5Gが立ち上がり、IoTの普及など、電波利用ニーズの飛躍的な拡大が見込まれるなかで、公平かつ効率的に割り当てる方式の検討を目的に総務省が有識者会議を開催しています。
11月16日に実施された第2回では、入札額の最も高い事業者に周波数を割り当てる電波オークションについて携帯電話事業者に対するヒアリング行われました。
会議にはドコモとKDDIの2社が参加。なかでもドコモは「オークションを今後の基本的な割当方式として検討すべき」と、電波オークションに対して前向きな考えを初めて示しています。
「過剰に利益をあげている企業の寡占化が復活するだけ」
ドコモは電波オークションについて透明・公平・法的に堅牢な割り当て方式で海外では主流と説明。一方で落札額高騰と周波数有効利用の確保といった課題も挙げています。
落札額の高騰については、アメリカやイギリス、フランス、オーストラリア、韓国で導入されている「周波数キャップ」によって各事業者が獲得できる周波数の量に上限を設定し、想定する需要に対して十分な割当幅を確保することで落札額の高騰に対応できると主張。
周波数有効利用の確保についても、「諸外国では主要なカバレッジ義務等を設定することで周波数有効利用を確保していると思われる」と説明しています。
エリア展開やサービス(eSIM導入やMVNOの促進等)、周波数の経済的価値を踏まえた評価額等を行政が審査して、周波数の割当先を決定する従来の比較審査方式についてドコモは、普及期においては比較審査による競争的な基地局展開が国民と事業者の双方に適応し、割当方式として機能していたものの、市場環境の多様化による電波の有効利用からの乖離、将来の変化への柔軟性等の比較審査における課題に懸念を示し、新たな割当方式については今後の基本的な割当方式として検討すべきとしました。
これに対して楽天の三木谷社長は「ドコモなど過剰に利益をあげている企業の寡占化が復活するだけ」「せっかく下がってきている携帯価格競争を阻害する『愚策』だ」として痛烈に批判し、大反対を表明。今後の検討会で正式な考えを示すものと思われます。
電波オークションは、docomoなど過剰に利益をあげている企業の寡占化を復活するだけで、最終的にはせっかく下がってきている携帯価格競争を阻害する『愚策』だ。ドコモなどにとっては当然資金力に物を言わせて新規参入、競合排除するには漁夫の利だろうね。弊社として大反対。https://t.co/gRZrwnsRvt
— 三木谷浩史 H. Mikitani (@hmikitani) November 17, 2021
- | 総務省
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