安倍首相による携帯料金値下げの影響で先送りとなっていた「2年縛り」または「更新月」の見直しですが、携帯3社は3月から順次、更新月を延長する方針を固めたようです。
ドコモとソフトバンクは3月、auは5月に更新月を2ヶ月間に延長か
SankeiBizによると、総務省が20日に非公開で開催した会議で、携帯3社は「2年契約」を無料で解約できる期間――いわゆる「更新月」の期間を現在の1ヶ月から2ヶ月に延長する方針を明らかにしたようです。
ドコモとソフトバンクは3月以降、auは5月から更新月を現在の1ヶ月間から2ヶ月間に延長するとのこと。
携帯電話大手3社が、2年契約を条件に大幅な料金割引を適用する契約形態を見直すことが25日、分かった。
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NTTドコモは3月から無料で解約できる期間を2カ月間に延長。ソフトバンクも3月以降できるだけ早期に、KDDIは5月からそれぞれ同様の対応を取る方針だ。
引用元:携帯3社、契約「2年縛り」是正 ドコモ、無料解約期間を2カ月に延長へ (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)
違約金と自動更新でトラブルが多発
キャリアと2年間の契約を結ぶことにより、毎月の料金から一定額を割引するサービスは、契約期間中に解約した場合、9,500円の違約金を支払う必要があることから「2年縛り」と呼ばれています。
ただ、「2年縛り」に関する店員の説明が不十分または、説明をよく理解しないまま契約した消費者が「2年縛り」の存在を忘れて解約したり、2年契約が終了したと思っていても「自動更新」によって、違約金を求められるケースが多数確認されており、国民生活センターに苦情が寄せられるだけでなく、訴訟に発展したケースもあります。
これを問題とした総務省は、携帯3社に対して「2年縛り」の改善を求め、これまでに更新月を数ヶ月前にメールで通知(以前は申し込む必要があった)する対応が取られてきました。
そして、ようやく更新月が1ヶ月間から2ヶ月間に延長されることになりそうです。根本的な解決にはなりませんが、無料で解約できる期間が倍になったことで「忘れていたけど、無料で解約できた」というケースは増えるかと思います。
新プランの見直し、解約金を割安にする仕組みの導入は「保留」
携帯3社は「2年縛り」の抜本的な見直しも検討していましたが、これは保留となるようです。
各社の取り組みは一歩前進とはいえ、無料解約期間の延長だけ。抜本的な契約形態の改善策を示すことはなく、「今後の検討課題」として、お茶を濁した。
引用元:携帯「2年縛り」抜本改革を棚上げ 顧客囲い込み策“最後のとりで” (1/4ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)
導入が検討されていた見直し案は、2年契約による割引額を減額する代わりに解約金を割安にする新プランの導入や、利用期間が長くなるに連れて違約金を安くする仕組みを導入するとされていました。
ただ、携帯料金の値下げによって、ライトユーザー向けの新プラン追加や、不公平とされる「実質0円」の廃止、それに伴う長期契約者の優遇など、既にキャリアの仕事は山積み。
ここに更新月に伴う新プランの導入となれば、2年前に発表したばかりの新料金プランを大幅に変更することになり、消費者が全てを理解するのは困難と思われます。
個人的には、一部の利用者のみ値下げの恩恵が受けられる携帯料金の値下げを先送りにして「2年縛り」の見直しを優先とするべきだったと思うのですが、選挙対策としてねじ込まれる形になったのでしょうか。
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