KDDIが5G Sub6のエリアを最大2.8倍に拡大し、通信速度も約3倍となる300Mbps超に向上したことを発表しました。
この急激で劇的な改善は衛星との干渉条件緩和によって、基地局の出力を引き上げと、アンテナの角度を最適化することによるものです。
今回、基地局のパワーアップとも言える出力を引き上げるデモが報道陣向けに公開されたのでレポートします。
基地局の出力アップをリアルタイム披露
デモが行われたのは東京タワー近くの会場。東京・多摩市にあるKDDIネットワークセンターをリアルタイムで繋ぎ、基地局の出力を100倍に引き上げるというものです。
作業は対象の住所とマップを確認→トラフィックを確認→出力制限を行うコマンドの確認→コマンドを投入と進み、作業開始から1分ほどで基地局のパワーアップは完了しました(デモの時間と実際の作業時間に、どれほど乖離があるかは不明)
パワーアップ前の電波強度は-100〜120dBm前後、通信速度は60-70Mbps前後でしたが、パワーアップ後は電波強度が-70〜90dBm前後まで大幅に向上し、通信速度も300Mbps前後まで劇的に向上しています。
KDDIは下りの通信速度が向上することにより、動画の再生直後に発生するダウンロード待機や、動画の視聴中に発生するバッファリングといったストレスが軽減されるとしています。今後、超高速通信を活用した新たなサービスも出てくるかもしれません。
なお、下りの通信速度は大きく向上した一方で、動画や写真をSNSに投稿する時の快適さに関わる上りの通信速度は、4-6Mbps前後から10Mbps前後の小幅な改善に留まりました。これはSub6の上りの帯域幅が下りの帯域幅に比べて、それほど広くないことが理由とのこと。
なお、今回のデモは電波が減衰しにくい屋外で実施されましたが、今回の基地局パワーアップによって、車内や屋内でもSub6を使いやすいエリアが拡大しており、より広い場所で超高速な通信を体験できるようになっています。
コメントを残す