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KDDI の5G Sub6が本領発揮。基地局パワーアップでエリア最大2.8倍、通信速度は約3倍・300Mbps超に

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Yusuke Sakakura公開日:2024/06/15 16:45
KDDI の5G Sub6が本領発揮。基地局パワーアップでエリア最大2.8倍、通信速度は約3倍・300Mbps超に

KDDIが、5G Sub6の対応エリアが関東地方で2.8倍、全国で1.5倍に拡大したと発表しました。

エリア拡大と同時に実効速度もこれまでの約3倍となる300Mbpsまで大幅に向上。au、UQ mobile、povo2.0などで体感できます。

5Gは2020年3月のサービス開始前から速い速いと言われ、多くの人が期待していたものの、蓋を開けてみると5Gに繋がらない、5Gに繋がっても速くないと感じることが多かったものの、ついに一変するかもしれません。

5G導入期:“転用5G”でエリア拡大

KDDIはこれまでの4年間を「5G導入期」として位置付け、4Gの周波数を5Gに“転用”することを優先して5G基地局を整備してきました。

“なんちゃって5G”とも言われる転用5Gを優先する理由は、電波が届きやすくエリア拡大に効果的であることです。一方で転用5Gの通信速度は4Gと大きく変わらず、やはり劇的な通信体験の向上には、Sub6やミリ波といった5G専用周波数が必要になります。

5G導入期に約94,000局の5G基地局を整備してきたKDDI
5G導入期に約94,000局の5G基地局を整備してきたKDDI

5G普及期:Sub6本格化で5G元年到来か

KDDIが5G導入期に整備した5G基地局は約9.4万局に到達しています。そのうち5G専用周波数帯で運用されている5G Sub6の基地局数も約3.9万局となっています。

大半は転用5Gですが、それでも5G Sub6の基地局数は業界最多。他社に比べて2〜5倍と圧倒的な数になっています。

他社を圧倒する業界最多のSub6基地局を開設
他社を圧倒する業界最多のSub6基地局を開設

基地局数にこれだけの差があれば、auやUQ mobileの通信品質はもっと高く評価されて良いはずですが、実際はそうはなっていません。

その原因は衛星通信との干渉にあります。

衛星通信との干渉緩和で5G Sub6エリアが最大2.8倍に

5G Sub6の周波数帯は衛星通信の地球局と干渉するため、これまでは地球局周辺にあるSub6基地局の出力を制限していましたが、衛星通信事業者の協力によって地球局を移転するなどの対策を行った結果、2024年3月末をもって広範囲で出力制限が解除されています。

これに伴い今年4月〜5月にSub6基地局の出力を一気に引き上げたことで、関東におけるSub6エリアは2倍に拡大。

さらに、干渉を抑えるために角度を下げていた基地局のアンテナを上げることによって、出力制限と合わせて関東におけるSub6エリアは2.8倍に拡大したとのこと。

関東以外でも同様の制限解除とアンテナ角度の最適化が実施されており、全国では1.5倍のエリア拡大を実現しています。

Sub6基地局の出力を最大化して関東ではエリアが最大2倍にSub6基地局のアンテナ角度を最適化して関東ではエリアが最大2.8倍に
関東では2.8倍の広さに拡大全国では1.5倍の広さに拡大
基地局の出力最大化とアンテナ角度の最適化により、関東では100mメッシュ数で4.3万から12.2万メッシュに拡大

Sub6は車内や屋内でも利用可能

エリア拡大と言っても、どこで5G Sub6を使えるようになったのかが重要です。

KDDIは「お客様がよく使われる場所として鉄道や商業地域を重点的に対策してきた」と説明。具体的には鉄道の路線または駅において707駅が5G対応、そのうち612駅が5G Sub6に対応。全国の商業地域においても423箇所が5G対応、そのうち363スポットが5G Sub6対応に対応しています。

また、5Gの電波は遮蔽物に弱く、屋内では電波がつかみにくい電波特性がありますが、KDDIは5G Sub6の基地局を高密度に構築。今回の基地局の出力アップとアンテナ角度の最適化によって電波強度の強いエリアも増加しています。

これにより東京23区では、電波強度が-100dBm以下の「車内や屋内でもSub6を使いやすいエリア」も拡大。100mメッシュ数で1万を超えるなど他社との差は歴然です。

同じように転用5Gでエリアを拡大してきたA社と比較すると、Sub6エリアに大きな差がある
同じように転用5Gでエリアを拡大してきたA社と比較すると、Sub6エリアに大きな差がある

通信速度は約3倍まで大幅向上

基地局の出力アップとアンテナ角度の最適化によってパワーアップしたSub6は「通信速度」と「レイテンシ」を大幅に向上させました。

Sub6の通信速度(実効速度)は、4Gの4倍以上、転用5Gの約3倍となる下り300Mbpsまで劇的に向上。レイテンシも2024年1月は20ms以下が68%でしたが、基地局の最適化後は75%まで向上しています。

通信速度は転用5Gの約3倍に
通信速度は転用5Gの約3倍に
レイテンシはオンライン対戦ゲームを快適にプレイできる20ms以下率が向上
レイテンシはオンライン対戦ゲームを快適にプレイできる20ms以下率が向上

この改善によって動画視聴では再生直後のダウンロード待機や視聴中のバッファなどが発生しにくくなり、動画視聴がスムーズに。30ms以下を推奨し、20ms以下であれば快適にプレイできるオンライン対戦ゲームも快適にプレイできるようになるとのこと。

衛星通信との干渉緩和は他社も同じ。KDDIならではの強みとは?

衛星通信との干渉緩和は他社も同じで、同様の基地局のパワーアップとアンテナ角度の最適化によってエリアは拡大しますが、前述したとおりKDDIは圧倒的な数のSub6基地局を整備していることから他社よりも高い効果があります。

また、KDDIは100MHzの帯域幅を2つ保有しています。

ドコモも合計200MHzの帯域幅を保有していますが、3.7GHz帯/4.5GHz帯と遠くにあるのに対して、KDDIは3.7GHz帯/4.0GHz帯と近いところで保有しているため、小型化かつ軽量の機器によってデュアルバンドのMassive MIMOを導入できると説明します。導入時期は2024年度。

発表時点で国内初となるデュアルバンドのMassive MIMO
発表時点で国内初となるデュアルバンドのMassive MIMO

Massive MIMOは一人ひとりに専用の電波を割り当てることによって、駅や繁華街など混雑するスポットでも快適な通信を提供する技術。シングルバンドのMassive MIMOはすでに導入済みですが、デュアルバンドのMassive MIMOは国内初。

KDDIはデュアルバンドのMassive MIMOの導入が増えていくことで「より超高速な5Gの世界に皆さんをお招きできる」としています。

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