本日、総務省が、ドコモとソフトバンクの2社に対し、端末価格・料金の割引やデータ通信量の増量などを含む「端末購入補助」が行き過ぎているとして是正するよう要請した件について、ソフトバンクがコメントを発表しました。
ソフトバンク「要請を受け入れ、速やかに適正化を図っていく」
総務省からの是正要請を受けて、ソフトバンクは、速やかに端末購入補助の適正化を図っていくとコメント。総務省から要請を受けるまでの従来の考えも明らかにしました。
本日、要請を受けたことに基づき、業界全体における取組みの進捗等も踏まえ、速やかに端末購入補助の適正化を図っていく考えです。
引用元:スマートフォンの端末購入補助の適正化に関する総務省からの要請について | ソフトバンク株式会社 | グループ企業 | 企業・IR | ソフトバンクグループ
のりかえ割は、他社が提供する割安なシェアプランと同じとの従来認識
MNP時の割引サービス「のりかえ割」は、すでに他社が廃止していますが、ソフトバンクは、4月1日に割引額を減額したものの、同日からキャンペーンの提供を開始し、結果的には増額する形で提供。「iPhone SE」が実質0円以下で購入できるようになっていました。
総務省が4月1日から適用を開始した「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」では、“スマートフォンの価格に相当するような行き過ぎた額とならない範囲で、端末購入補助を行うことができる”としており、ソフトバンクの割引サービスはこれに反するのではないかと、みられていました。
ソフトバンクは、のりかえ割の適用条件に端末購入を含まないことをあげた上で、競合事業者が提供するデータ量のシェアプラン等と同じ通信料金割引の一種(他社ではデータ通信量をシェアする家族向けのプランを提供することで1人あたりの通信料金を割安で提供している)であり、端末購入補助とは本質的な性質が異なる。との従来の考え方を示しています。
また、競合他社で機種変更した場合と、ソフトバンクにMNPする場合の価格に相応の差がない限り、市場における競争を妨げ、消費者に不利益を生じさせるおそれが高いと判断したとしています。
iPhone SEの場合 | ||
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ドコモで機種変更 | ソフトバンクにMNP | |
端末価格 | 57,024円 | 56,880円 |
割引サービス | -46,656円 | -46,080円 |
手数料 | 0円 | 5,400円 (転出手数料+事務手数料) |
小計 | 10,368円 | 16,200円 |
のりかえ割 | ― | -21,168円 |
小計 | 10,368円 | -4,968円 |
1. 競争視点および消費者視点での競合事業者との価格バランス
加入者数においてトップシェアである競合事業者の機種変更時のスマートフォン価格と解除料等を踏まえると、当該価格と当社が設定するMNP時におけるスマートフォン価格との間に相応の価格差がない限り、市場における競争を減殺させ、消費者に不利益を生じさせるおそれが高いとの判断を行っています※2。
2. 当社割引キャンペーン等の性質
当社のMNP利用者向けの割引は、端末購入を条件としていません。したがって、競合事業者が提供するデータ量のシェアプラン等と同様な通信料金割引の一種であり、端末購入補助とは本質的には性質が異なるものであるという認識のもと、設定を行っています。
引用元:スマートフォンの端末購入補助の適正化に関する総務省からの要請について | ソフトバンク株式会社 | グループ企業 | 企業・IR | ソフトバンクグループ
ドコモとauが廃止済みの「のりかえ割」
今年1月末まで携帯3社は、MNP時にスマートフォンを購入する場合、毎月の料金から一定額を割り引く「のりかえ割」を提供していましたが、総務省は、のりかえ割が特定の利用者を優遇し、長期利用者を冷遇している状況に契約者間に不公平性があるとして問題視。
同省は、のりかえ割を是正するよう「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」案に盛り込み、ドコモが1月末で廃止したものの、auとソフトバンクは、のりかえ割の適用条件から「端末購入」を除去する形で提供を継続しました。
このような状況に対して、ドコモは、適用条件に端末購入を含まなくとも、MNP時は端末の購入を伴うことがほとんどであると、総務省に意見報告。総務省は、ドコモの意見に対して、「端末購入を条件としていなくても、MNPを条件とする割引等については端末購入補助とみなすようガイドラインを修正する」と回答していました。
これを受けてauは、5月31日まで提供予定としていたのりかえ割をガイドラインが適用される直前の3月31日に前倒して廃止しています。
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