メルカリ、高額リユース品を安心して買える「m department」を開始。メルカリとの違いは?

Yusuke Sakakura

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ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

2026/07/14 22:29
メルカリ、高額リユース品を安心して買える「m department」を開始。メルカリとの違いは?

メルカリが、高額リユース品を販売する新ECサイト「m department(エムデパートメント)」の提供を開始しました。

個人間の売買を支援するフリマアプリで成長してきたメルカリですが、現在は法人や個人事業主が販売できるメルカリShopsや、売れ残った商品をメルカリが買い取る買取リクエストなど、個人間取引以外にも事業を広げています。

新たに始まったm departmentも、専門業者が品質を保証したリユース品を販売します。高額商品を中古で購入するときに感じやすい品質への不安を解消し、新品・中古に続く「第3の市場」の確立を目指すとしています。

成長するリユース市場、高額商品には根強い不安も

メルカリによると、国内のリユース市場は15年連続で拡大し、2024年には3兆2628億円に到達しました。

なかでも市場を牽引しているのが、前年比22.4%増の携帯電話・スマートフォンと、同15.7%増のブランド品です。

リユース市場拡大の背景に物価高

スマートフォンの平均販売価格は、AI需要によるメモリ価格の高騰などを背景に、2026年には前年比6.9%上昇すると予測されています。

メルカリの調査でも、約5人に1人が物価高をきっかけにリユース品を検討する機会が増えたと回答しました。

約5割がリユース品を購入せず、さまざまな不安

一方で、直近1〜2年間にリユース品を「全く購入していない」と答えた人は約5割、「ほとんど購入しない」と答えた人も約2割に上っています。

特に高額なスマホやブランド品などは、約7割が購入時に不安と回答しています。

理由については、高額ブランドのファッションアイテムでは、73.3%が「偽物・コピー品への懸念」を不安要因として回答。スマートフォンやパソコン、タブレットでも、73.3%がバッテリー劣化などを含む「動作不良・故障のリスク」を挙げています。

いずれも、購入者自身では判断しにくい品質が、高額リユース品の購入をためらう大きな障壁になっています。また、高額リユース品を購入する際には、8割以上が品質保証を重視すると回答しています。

安心して購入できる、全商品に「プロの品質保証」

こうした不安を解消するため、m departmentでは、すべての商品に「プロの品質保証」を付けて販売します。

出店できるのは、メルカリによる厳正な審査を通過した専門事業者のみ。サービス開始時点で、整備済み製品と真贋鑑定済みブランド品を合わせて88社が参画します。

取り扱う商品は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、カメラ・レンズなどの整備済み製品と、バッグ、アクセサリー、財布・小物、腕時計、衣類、シューズなどのブランド品です。

メルカリがカテゴリーごとの品質基準やルールを策定・管理し、出店事業者が検査、必要に応じた修理、クリーニングなどを実施。基準を満たした商品のみを整備済み製品として販売します。

ブランド品については、各ショップの鑑定士がロゴ、縫製、金具、シリアルナンバーなどを確認し、真贋基準を満たした商品のみを取り扱います。

ソフマップはA〜Cランクの商品を販売

ソフマップは、ビックカメラやコジマなど、全国271店舗で買い取ったデジタル機器をリユース品として販売しています。

買い取った商品は、南船橋にある商品化センターで一元管理。専門スタッフが検査やデータ消去、商品撮影などを行い、年間60万点以上を出荷しています。

Windowsパソコンでは最大68工程、iPhoneでは22工程におよぶ品質チェックを実施。デジタル機器による検査に加えて、人の目による外観や状態の確認も行います。

ソフマップ 取締役執行役員 サーキュラーエコノミー事業部 本部長 リユース事業部長の上村匡希氏
ソフマップ 取締役執行役員 サーキュラーエコノミー事業部 本部長 リユース事業部長の上村匡希氏

iPhoneについては、前の所有者の個人データを完全に消去したうえで商品化します。希望者には有料でデータ消去証明書も発行しており、売却した端末から個人情報が流出しないための体制を整えています。

検査を終えた商品は、購入者が外観を確認しやすいように360度から撮影し、状態に応じてA〜Dのランクに分類します。

m departmentで販売するのは、このうちA〜Cランクの商品です。さらに、メルカリが定める基準を満たした商品のみが出品されます。

ランクAは新品同様で、わずかな微細な傷がある程度。ランクBは外装に若干の傷があるものの、ケースなどを使えば新品に近い感覚で利用できる商品です。

ランクCは傷が多少目立つものの、動作や機能には問題がなく、外観の状態に応じて価格も抑えられています。

ブランド品はAIと鑑定士が真贋を確認

ブランド品を販売するいーふらんは、発表会の前日時点で、国内に約1,900店舗のおたからやを展開。香港、シンガポール、台湾、タイ、インドネシアにも進出しており、2026年中にはオーストラリアへの出店も予定しています。

こうした国内外の仕入れネットワークを活用し、世界各地から集まる良質なブランド品をm departmentを通じて販売します。

一方、取り扱う商品が増えるほど重要になるのが、偽造品の排除です。

いーふらん 執行役員 兼 EC事業部 部長の久保里穂子氏は、膨大な商品が集まるからこそ「絶対に妥協できない」と説明。真贋鑑定には、世界各地の拠点で運用している独自開発のAI診断鑑定システムを活用します。

いーふらん 執行役員 兼 EC事業部 部長の久保里穂子
いーふらん 執行役員 兼 EC事業部 部長の久保里穂子

年代の古いヴィンテージ品から現行品まで、正規品と偽造品の膨大なデータをAIに学習させ、縫製のわずかなピッチのずれや刻印の深さ、金属の質感など、人の目だけでは見分けにくい違いを瞬時に判定できるとしています。

AIによる診断と鑑定士による確認を組み合わせることで、ブランド品の品質を担保し、安心して購入できる環境を整えます。

180日間の動作保証。購入者都合の返品にも対応

販売前の品質保証だけでなく、購入後の保証や返品体制も用意されています。

スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、カメラ・レンズなどの整備済み製品には、発送後180日間の動作保証が付きます。

保証期間中に正常に動作しなくなった場合は、修理または交換で対応。返品できる期間はカテゴリーによって異なります。

商品に不具合がある場合だけでなく、条件を満たせば「イメージと違った」といった購入者都合による返品にも対応します。

充実の保証・返品体制で購入後も安心

メルカリとm departmentの違いとは?

m departmentのロゴ

メルカリがアプリを中心に提供されているのに対して、m departmentは独立したウェブサイトとして提供されます。

サービスの入口を分けた理由は、ターゲットと買い物体験の違いにあります。

ターゲットはリユース品を購入してこなかった人

m departmentの主なターゲットは、これまでリユース品をほとんど購入してこなかった人です。

メルカリ 執行役員 CPO Marketplaceの篠原孝明氏は、リユース品に関心を持ち始めた段階の人にとって、アプリのインストールが心理的なハードルになる可能性があると説明しました。ウェブサイトであれば、Googleなどの検索結果からアクセスし、アプリをインストールすることなく商品を確認できます。

また、m departmentでは、ブランド品や整備済みスマートフォンなど、商品名や型番を決めたうえで購入する「指名買い」が多くなると見込まれています。検索から商品ページへ直接アクセスしやすいウェブとの相性も、提供方法を分けた理由の1つです。

m departmentの商品閲覧にメルカリアカウントは必要ありませんが、商品の購入にはログインが必要です

とはいえ、月間約2,300万人が利用するメルカリアプリ上で提供しないことには、もったいなさも感じます。

メルカリは、アプリ内のバナーなどからm departmentへの導線を設けるほか、今後はバナー以外にも、ユーザーが自然にサービスを認知してアクセスできる仕組みを追加する予定です。

将来的なアプリ化やメルカリアプリとの統合については、利用状況やニーズを踏まえて検討します。

さらに、篠原氏は、メルカリとの統合について「その方がお客様が迷わないのであれば、選択肢として取る可能性はある」と説明しました。

メルカリは宝探し、m departmentは百貨店のような体験

累計50億品にもなる豊富な品ぞろえから、宝探し感覚で掘り出し物を見つける楽しさを強く意識して設計しているフリマプリのメルカリに対して、m departmentは、プロが品質を保証する高額リユースであり、商品の状態や価格、保証内容などをじっくり比較し、納得して選べるよう百貨店のような体験設計といった違いがあります。

このように、サービスごとに求められるUIやUXが異なることも、メルカリアプリとは別に提供する理由となっています。

メルカリは事後、m departmentは事前に確認

品質に問題があった場合の対応にも違いがあります。

商品の状態や真贋に問題があった場合、メルカリでは、基本的には購入後に対応する仕組みです。これに対して、m departmentでは、専門事業者が商品を出品する前に検査、整備、クリーニング、真贋鑑定を実施します。

篠原氏は「メルカリは事後の検査、m departmentは事前の検査」と表現しました。

例えば、翌週の結婚式に使うブランドバッグを購入する場合、個人間取引では、商品に疑義が生じると返品や買い直しに時間がかかる可能性があります。

m departmentであれば、あらかじめ真贋鑑定や品質確認を終えた商品から選べるため、利用日が決まっている場合でも購入しやすくなります。

メルカリの売上金も利用可能

m departmentでの買い物には、メルカリで不要品を売って得た売上金を利用できます。

メルカリで使わなくなった商品を売り、その売上金を使って、品質保証付きのスマートフォンやブランド品を購入するといった使い方が可能です。

サービス開始を記念して、対象商品を30%オフで購入できるウェルカムクーポンも配布されています。

割引上限は1万円で、税込1万円以上の商品に1人1回まで利用可能。キャンペーン期間は7月14日午前11時から9月30日午後11時59分までで、クーポンの有効期限は獲得から7日間です。

2027年初頭には複数ショップによる買取査定も

今後は、取り扱う商品カテゴリーを拡大するほか、2027年初頭から買取サービスを開始する予定です。

買取サービスでは、ユーザーが所有する商品をm departmentに売却し、複数の出店ショップから査定を受けられる仕組みを検討しています。

具体的なサービス内容や開始時期は設計中ですが、1社に商品を送って査定を受ける一般的な宅配買取とは異なり、複数ショップの査定結果を比較できるサービスになりそうです。

買い取った商品を各ショップが整備や鑑定したうえで、m departmentで再販売する仕組みが整えば、商品の買取から販売までを同じサービス内で循環させることも可能になります。

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