Amazonがプライム会員向けに低価格または無料で携帯電話サービスを提供することを計画しているようです。
Bloombergが事情に詳しい関係者から得た話としてAmazonと複数の通信事業者が協議していると報じました。
Amazonは2014年に3D対応のスマートフォン「Fire Phone」を発売したものの、1年足らずで生産及び販売を中止。後継機種も登場せず撤退になりました。現在は、Fireタブレットを展開し、Kindleシリーズでは上位機種のOasisにおいて電子書籍のダウンロード時に利用できる4Gサービスを無料提供しています。
Amazonは計画を否定
AmazonはMVNOによるプライム会員向けの携帯電話サービスを目指していて、アメリカで携帯電話事業を展開するVerizonやT-mobile US、Dish Networkから可能な限り低価格で回線を借り入れられるよう交渉を行なっているとのこと。
協議は1ヶ月から2ヶ月続いていて、Fire Phoneを独占販売したAT&Tも参加したことがあったようです。協議はまとまっておらずサービス開始はまだ先で、計画そのものがなくなる可能性もあると伝えています。
実現すれば携帯電話市場に大きなインパクトを与えることは間違いありません。世界で2億人超が存在するAmazonプライムは、さらに大きく会員数を伸ばすことになるでしょう。一方、携帯電話事業者はAmazonから収益を得られるはずですが、ユーザーから直接得られる収益を大幅に減らすリスクがあります。
キャリアにとっては大きなギャンブルになり、今も安定して収益を生み出しているシェアの大きな事業者ほど乗り気ではなく、シェアの小さな事業者ほど前向きに検討する可能性が高まります。
なお、ロイターの取材に対してAmazonは計画の存在を否定し、最も可能性がありそうなDish Networkは取材に応じず、その他の通信事業者は協議そのものを否定しています。
日本で提供される可能性はどうでしょうか。
今のところ日本のAmazonはキャリアと別の形で手を組む形を選択しています。auはAmazonプライムがついてくる料金プランを提供中。ドコモはギガプランの加入者向けにAmazonプライムが1年間ついてくるキャンペーンを提供(終了済み)し、ソフトバンクは動画SNS放題(終了済み)の対象サービスにAmazonプライムビデオを含めていました。
Amazonプライムは同じサービスとは言えないほど、日米で価格もサービス内容も大きく異なっていることから、もし米国で実現したとしても日本で提供されるかはまったく別の話になりそうです。特に米国版の料金は年額139ドルー約19,500円に対して日本版は年額4,900円と大幅な違いがあることから値上げなしでの実現は難しいでしょう。
Amazonプライムとは?
Amazonプライムは、数千万点の対象アイテムをお急ぎ便やお届け日時指定便といった便利な配送を追加料金なしで無制限に利用できるサービスです。
プライムビデオの視聴や新たに1億曲以上をシャッフル再生できるAmazon Music Prime、1000冊以上の電子書籍が読み放題のPrime Readingといったサービスの利用も可能。
さらには、人気の商品をお得に購入できるプライム会員のための年に一度のビッグセール「プライムデー」などの会員限定セールといった様々な特典を30日間の無料体験付きで年間4,900円または月額500円で利用できます。
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