iPhoneやiPadの日付を1970年1月1日に変更後、端末の電源を切ると、それ以降起動しなくなる「1970年問題」の存在が明らかになりました。
iPhoneの日付を1970年に変更するにはかなりの手間がかかり、約50年も前に日付を変更する機会もほとんどないことから、影響はそこまで大きくありませんが、「iPhoneを高速化する裏ワザ」として紹介するデマが散見されていました。
アップルは、この問題から3日後の今日になって声明を発表し、「1970年問題」を修正するアップデートの配信予定があることを明かしています。
1970年問題、iOSアップデートで修正へ
アップルが公開したサポートページによると、「1970年問題」は、iPhoneなどの日付設定を1970年5月以前に手動変更することで発生するとのこと。
また、アップルは近く配信されるソフトアップデートでこの不具合を修正することを明らかにしています。具体的な日程は明らかにしていませんが、端末が起動しなくなるという致命的な不具合であることから、早ければ今週中にも配信されるかもしれません。
すでに、アップルは開発者・テスター向けにiOS 9.3ベータ版を配信しており、次期アップデートはiOS 9.3と予想されていましたが、緊急アップデートとしてiOS 9.2.2で配信するものと思われます(予想が外れたらごめんなさい)
「1970年問題」の対処方法と原因
問題の発覚当初、対処方法はないとされていましたが、現在はiPhoneのバッテリーをフル解放することで再起動が可能になるとされています。
なお、アップルは「1970年問題」の原因を明らかにしていませんが、iOSデバイスが日付を管理するのにUNIX時間を採用していることにあるとされています。
UNIX時間は、1970年1月1日0時0分0秒を「0」(日本では1970年1月1日9時0分0秒)とし、時間が経過すると値が増え、時間を遡ると値が減り、負の数で管理されます。
例えば、日本時間で1970年1月1日0時0分0秒に設定した場合は、UNIX時間が持つ値が負の数になるため、エラーが発生して端末が起動しなくなるとされていましたが、アップルは1970年5月以前(〜10335600)に設定した場合も同様の問題を起きるとしていることから、UNIX時間がマイナスになること自体に問題はないようです。
アップルが原因を明らかにしていないため、真相はわかりません。対応方法として最良なのは1970年5月以前でも問題が起きないことですが、手っ取り早いのは1970年6月以降にしか設定できないように制限をかけてしまうことです。そのように制限をかけても大した問題はないでしょう。
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