Google Pixel 11 Pro Fold レビュー/進化は小さく見えて、体験は大きく変わった
年々存在感を増している折りたたみスマートフォン。今年は過去最高の盛り上がりを見せています。
盛り上がりの理由は、やはりAppleが折りたたみスマホを発売するのではないかというものでしょう。
これに対抗するように、折りたたみスマホの先駆者がさまざまな手を打っています。OPPOがほぼ折り目が見えないディスプレイで先陣を切り、Samsungがエンタメに振ったワイドタイプのGalaxy Z Fold8を投入して、折りたたみスマホに新しい選択肢を追加しました。
本体の形状まで大きく変わるなかで、Googleが発売したPixel 11 Pro Foldは、AIやソフトウェアにフォーカスしながら、ハードウェアの進化は小さなものになっています。
ただ日本価格は279,900円から。スマホ全体の価格が値上げされるなか、1万円以上値上げされたものの、米国価格1,899ドルに対して日本価格は1ドル134円相当。発表時の為替レートが約159円だったことを考えると、Googleが最重要市場と語る日本では、為替の影響をかなり吸収し、戦略的な価格で勝負しています。
史上最薄のPixel Fold
Pixel 11 Pro Foldは、スペックや外観だけ見ても大きな進化や変化は感じません。
ただ、実際に手に取ってみると前モデルとは印象が大きく異なり、目隠しでどちらかを渡されても、百発百中で当てられるほどの変化があります。

まだ重量級、でも持ち心地は大きく改善
特に大きな改善が19gもの軽量化です。
それでもスマホとしては重量級の239gですが、触った瞬間にわかるほど、持ち心地が改善されています。
前モデルのPixel 10 Pro Foldはポケットに入れるのをためらう重さでしたが、そうしたためらいは一切なくなりました。
これまでのPixel Foldはバックパックのポケットというベンチが定位置でしたが、Pixel 11 Pro Foldはスターターに昇格。普段着の前ポケットに入れて持ち歩くようになっています。
薄くなったことで開きづらくなった
さらにポケットに入れても違和感がないほど薄くなりました。
実測では11.0mmから10.3mmに薄型化されています。わずか0.7mmの改善ですが、体感は数字以上です。
ちなみに、前モデルは開いた状態で5.5mmだったのに対して、Pixel 11 Pro Foldは前面側が5.2mm、背面側が4.9mmと左右非対称の薄型化を遂げています。違和感はありません。
薄型化と軽量化の影響もあって、バッテリー容量は前モデルの5,015mAhから4,806mAhに減少しました。
それでも電池持ちに不満はありません。
レビュー期間中は、カメラで大量に写真を撮影したり、Googleマップで移動したり、ChromeやChatGPTを使ったりと、取材で朝から夜まで使い続けても1日はしっかり持ちました。
ヘビーに使った日でも約11時間半でバッテリーを88%消費。途中で充電する必要はありませんでした。バッテリー容量は減ったものの、電池持ちまで大きな犠牲になった印象はありません。
それよりも気になるのは、薄くしたことで本体を開きにくくなったことです。
Samsungも1年前の薄型化で同じ失敗をしましたが、今年は指をかけやすい形状にしたことで解消しました。ここはGoogleにも先回りして対応して欲しかったところです。

薄くなった側面には、引き続き指紋認証センサーが搭載されています。
スマホのハイエンドモデルでは、すっかりディスプレイ指紋認証が主流になりましたが、折りたたみスマホでは今も側面式が多く採用されています。
側面式の弱点は、特に左手で操作するときに指をうまく乗せられず、ロックを解除できない場面が多いことです。
コストの問題なのか、それとも内側の折りたたみディスプレイに指紋認証センサーを搭載するのが技術的に難しく、開閉状態に関わらず認証体験を統一するためなのかもしれません。

ただ、Google Pixelは厳格な顔認証に対応しています。
画面ロックはもちろん、パスワード管理アプリなどのアプリロックも解除できます。そのため、実際に使っていて指紋認証に対して、不満を感じる場面はほとんどありません。
開閉の感触は改善
本体を開閉したときの感触も改善されています。
これまでのPixel Foldシリーズは初代モデルから本体を開くと、折りたたまれていたディスプレイがニチャっとした音を立てていました。
この音が鳴らなくなり、関連性がありそうな折りたたみディスプレイに縦に走る密着痕も少なくなったように感じます。ゼロではありません。
ヒンジも改善され、開閉したときの感触が、よりパキッとしたものになりました。Galaxy Z Fold8シリーズと比べると重さを感じますが、あれはあれでアシストが効きすぎているようにも感じます。
画面のシワや折り目も目立たなくなりました。もちろん、30万円を超えるOPPO Find N6には及ばないものの、画面のシワを理由に購入を控える必要はないと思います。
Pixel 11 Pro Foldに限らず、折り目を比較するために、点灯していないディスプレイを比べる動画が出回っていますが、消灯した画面を何秒も見続けることはないため、あまり参考になりません。
Pixel Foldならではの3つの強み
大幅な軽量化と薄型化によって、持ち心地は前モデルから大きく改善されました。
それでも競合と比べれば、まだ厚く、重い部類に入ります。
ただ、折りたたみスマホの使いやすさは、薄さや軽さだけで決まるものではなく、Pixel 11 Pro Foldには、競合に明らかに勝っている部分も多くあります。
マグネットとワイヤレス充電
折りたたみスマホの便利な使い方のひとつが、本体を開いた状態でワイヤレス充電スタンドに置き、バッテリーを気にすることなく大画面で動画を見たり、ビデオ通話したりすることです。

このとき役立つのが本体に内蔵されたマグネットです。
例えば、マグネットを内蔵していないGalaxy Z Fold8 Ultraで同じことをやろうとすると、マグネット対応ケースが必要になり、スペック表に書かれた数値よりも重く、大きく、厚くなります。ワイヤレス充電の速度も15Wに留まります。
Pixel 11 Pro Foldは本体にマグネットを内蔵しているため、サイズや重さはそのまま。
背面に不自然な白いリングを追加することなく、マグネット式の充電スタンドやスマホリングなどのアクセサリーをそのまま利用できます。
特に折りたたみスマホは、できるだけコンパクトに、そして軽く使いたいため、こうした違いはGoogle Pixelを選ぶ理由にさえなり得ます。
さらに、Qi2 25Wの高速ワイヤレス充電にも対応しています。
マグネットと高速なワイヤレス充電の組み合わせは、iPhoneではMagSafeとして当たり前の機能ですが、AndroidスマホではGoogle Pixelぐらいしか対応していません。
ただし、注意したいのが発熱です。
Pixelsnapで充電しながら動画を見る程度なら問題ありませんでしたが、アクセスポイントをオンにした状態では発熱が大きくなり、バッテリー残量がほとんど増えませんでした。
Qi2 25Wの速さを安定して引き出したいのであれば、冷却ファン付きのマグネット充電器を選ぶようにしましょう。
安心して長く使える耐久性
もうひとつが折りたたみスマホ最高の防水・防じん性能です。
折りたたみスマホを長く安心して使ううえで、気になるのがホコリや砂の侵入です。
特に重要なのが折りたたみを実現するヒンジ。一般的なヒンジの内部にはギアなどの複雑な機構があり、ホコリや砂が入り込めば、開閉できなくなる可能性もあります。
そこでGoogleは、ギアを使わないヒンジを開発。折りたたみスマホとして最高クラスとなる防水・防じん性能を実現しました。
一般的なスマホでは当たり前のIP68等級ですが、ヒンジによって実現が難しい折りたたみスマホでは、Galaxy Z Fold8 Ultraが1mm以上の異物から保護するIP4X、OPPO Find N6が正常な動作に影響するほどの粉じんの侵入を防ぐIP5Xに留まっています。
それに対してPixel 11 Pro Foldは、粉じんの侵入を許さない最高等級のIP6Xに対応。競合より一歩先を進んでいます。
ほぼ割れない背面
折りたたみスマホ最高クラスの防水・防じん性能は昨年から続く強みですが、耐久性も新たに強化されました。
前面にはセラミックガラスを採用。Googleは従来の「傷が付きにくい」という表現から、「耐久性に優れた」へと説明を変えています。
さらに背面もガラス繊維複合素材に変更することで耐久性を3倍に向上。Googleは「ほぼ割ることが不可能」とまで説明しています。

カラーバリエーションはOliveとObsidianの2色のみで、どちらもマット仕上げです。
ピュアなガラスを採用していたPixel 10 Pro Foldと比べると、触ったときの質感は確かに違います。ただ、複合素材だと知らなければ気づかないほどで、見た目や手触りに安っぽさはありません。
弱点だったマルチタスキングを強化
スクエアタイプの折りたたみスマートフォンは、マルチタスキングが最大の強みですが、Pixel Foldシリーズはここが弱点でした。
マルチタスキングには、主に2つの機能があります。
画面分割は2つまで
ひとつは大画面を割って使う「画面分割」です。
以前のAndroidでは、決まった比率でしか画面を分割できませんでした。今も完全なシームレスではないものの、一方のウィンドウをほぼフルサイズで表示し、もう1つを最小限のスペースで表示することも可能に。
使いたい方のウィンドウをタップすれば、素早く比率が入れ替わり、アクティブに使うアプリを一瞬で切り替えられます。片方をメインに使いながら、もう片方は必要なときだけ大きく表示することで、画面分割はかなり扱いやすくなりました。
この記事を仕上げている今も、左に編集画面、右にプレビューを表示して、原稿を確認しながら修正を行っています。超便利。
割り切りが心地良いフローティング「バブル」
もうひとつがアプリを重ねて起動できるフローティングです。
ここがPixel Fold最大の弱点でした。これまではフローティング機能がなかったため、同時に起動できるアプリは画面分割による2つまででした。
ただ、Android 17で新機能「バブル」が追加されたことで、画面分割で2つのアプリを起動したまま、3つ目のアプリをフローティング表示できるようになりました。

フローティングが便利なのは、一瞬だけ別のアプリを操作して、すぐ戻りたいときです。
例えば、ウェブで買い物をしているときに2つの製品を横に並べながら見ていて、どちらを購入するかバブルでChatGPTに相談することもできます。
先日の取材では、Google Keepで取材メモを取りながら、バブルでレコーダーアプリを起動して録音していました。話を聞き逃したときは、レコーダーをバブルで開いてリアルタイムの文字起こしを確認。内容をキャッチアップしたら、バブルの外をタップしてすぐGoogle Keepへ戻り、メモを続けられます。
フローティングで重要なのが、起動と収納の手軽さです。
バブルは、タスクバーまたはアプリドロワーからアプリを右下か左下へドラッグするか、長押しして「バブル」を選ぶだけで起動できます。収納するときは、バブルの外をタップするだけ。
アプリを収納すると画面上にアイコンが表示される機種もありますが、見たいものに被ってしまうと、その都度、移動する必要があります。
バブルは収納したアイコンは画面上に表示されず、小さなバーになるだけなので視認性も良し。再表示したいときはバーを上にスワイプするだけです。
バブルはアプリのウィンドウサイズを変更することはできず、表示位置も左右の2択だけ。自由度は高くありませんが、そのぶん操作に迷うことがなく、必要なときだけ呼び出して、用が済んだらすぐ閉じるという使い方に徹しています。
実際に使っていると、この割り切りが心地よく、バブルはフローティング機能のひとつの最適解だと感じます。
2画面分割+1フローティングがちょうどいい
マルチタスキングでは、チップやメモリなどの基本性能も求められます。
Googleは、ソフトウェアとTensor G6の最適化によって、昨年に比べて高速で滑らかな動作を実現したと説明しています。実際、こうしたマルチタスキングでも動作は快適です。
一方で、画面分割は相変わらず2つまで。同時に表示できるアプリの数では競合に見劣りします。
個人的には、OPPO Find N6で採用されている画面分割が理想です。
複数のアプリを無理やり画面内に収めるのではなく、一部を画面の外にはみ出すように配置し、スライドしながら必要なアプリへ切り替えることで、画面サイズ以上の作業スペースを仮想的に作ることができます。
とはいえ、8インチ程度のディスプレイなら、2画面分割+1フローティングがちょうどいいとも感じます。
3つ、4つのアプリを同時に起動できるのは確かに便利ですが、すべてを常駐させる機会はほとんどありません。実際にバブルを使ってみると、3つ目や4つ目に必要になるアプリは、一時的にフローティングで呼び出すだけで足りることがほとんどでした。
バブルがあれば、画面分割は2つまででも十分です。
カメラはノンプロ、スタンダード級
Pixel 11 Pro Foldには、Proらしくない体験も散見されます。
代表的な機能がカメラです。本体を薄型化しなければならない折りたたみスマホにおいて性能を抑えざるを得ず、カメラ構成はProよりもスタンダードモデルに近く、一部ではそれを下回ります。
それでも昨年はAシリーズと同等だったことを考えると大きく改善されていますが、最大120倍の超解像ズーム Proには対応せず、標準の最大30倍にとどまるなど、Proのカメラとは大きな差があります。
一方で、カメラの新機能として、撮影前に雰囲気を簡単に自分好みに変えられる「カメラスタイル」や、カメラをかざすだけで動画撮影に加えて、AIがベストな瞬間を写真として残す「マジックキャプチャ」も追加されました。
目の前で起きていることに集中できるマジックキャプチャは、Pixel 11 Proのレビューでもお伝えしたように、イルカショーではうまくいきませんでした。
カメラを構えながら目の前で起きていることに集中するのは簡単ではありませんが、置き撮りができるPixel 11 Pro Foldなら位置と構図を設定して、マジックキャプチャで撮影を開始してあとは放置できます。
手に持ってファインダーで構図を確認しながら撮影したほうがベストショットを撮れるのは間違いありませんが、記録よりも記憶を重視するのであれば、良い機能です。
AIはアシストからエージェンティックに
Pixel 10シリーズでAIが構図や撮影方法をアドバイスする「カメラコーチ」が登場し、Pixel 11シリーズでは「マジックキャプチャ」によって、AIがベストな瞬間を選んで写真を残すところまで進んでいます。
AIはアシストするだけでなく、作業そのものを代行するエージェンティックな機能へと進化し、「Gemini Intelligence」によってスマホの操作にも広がっています。
人のように意図を理解する「AI音声入力」
音声入力がなかなか普及しないのは、公共交通機関では言葉を発さないのがマナーといった日本ならではの文化もありますが、言い直しを認識してくれなかったり、「えー」「あのー」といったフィラーをあとから訂正したりする手間もあります。
結局、文字を手で打った方が早いため使わなくなってしまいますが、Gemini Intelligenceの「AI音声入力」は、口から出た言葉をそのまま入力せず、言い直しや不要な言葉をAIが自動で整理してから入力します。この認識精度がまるで人のように正確です。
AI音声入力はGboardに組み込まれているため、どのアプリでも使えます。
さらに、Gboardの文章作成ツールと組み合わせれば、LINEなどで届いた面倒な参加依頼に対して、AIに丁寧な返信を考えてもらうこともできる、はずです。
というのも、レビュー期間では文章作成ツールがまともに動作せず、何度試しても「候補を読み込めませんでした」と表示されました。同様の報告はRedditでも確認できるため、少なくとも筆者の環境だけで起きている問題ではなさそうです。

本命はAutomation
ほかにも、Pixel 10シリーズの「マジックサジェスト」を引き継ぎ、Gmailやメッセージなどから必要な情報を先回りして、よりリッチなカードで提示する「先回りアシスト」があります。
そして、本命と言えるのが「Automation」です。
先回りアシストが「次に何をすべきか」を提案する機能なのに対して、AutomationはAIが実際のアプリ操作まで代行します。
例えば、タクシーを呼んだり、フードデリバリーを注文したりと、これまで人間が何度もタップやスワイプしていた複数の操作をAIにまとめて任せられます。
Gemini Intelligenceは40以上のアプリとの連携に対応を広げており、Automationでは複数のアプリをまたぐ操作にも対応します。
まだ提供されていないため、実際の使い勝手は評価できませんが、手間をどこまで減らせるのか、提供されたらぜひ使ってみたい機能です。
HiLightはコンセプト次第で化ける可能性
デザインが新しくなったカメラバーに搭載された「HiLight」も新たなPro限定の新機能です。
画面を伏せているときに、大切な友だちや家族から音声通話があると、指定した色でお知らせするほか、Geminiと音声で会話しているときに、応答しているのかどうかを確認するといった、たった2つの機能しかありません。

今後、音声通話だけでなく、メッセージにも対応することが予告されていますが、ハードを絡めた機能としては、やはり物足りないものがあります。
例えば、動画を撮影しているときにHiLightを赤で点灯させることで、シャッターボタンの押し忘れを防ぐなど、画面を伏せていることに制約をかけなければ、もっと便利になりそうです。
HiLightのコンセプトは、スマホとの距離を取って、目の前のことに集中する時間を増やそうというもの。そう考えると、それほど多くの機能が追加されることはないのかもしれません。
カメラとは、逆にカバーディスプレイのようにProのような体験になったものもあります。
画面のなめらかさを表すリフレッシュレートは最大120Hzで、明るさも3600ニトでProモデルと同等。明らかに太かったベゼルはかなり薄くなりました。
ただ、メインディスプレイのベゼルはほとんど変わっていません。凝視することもないベゼルを理由に、購入をやめるほどではありませんが、分厚くて洗練されていません。

まとめ:ワイドか、スクエアか
Samsungがワイドタイプの折りたたみスマートフォンを投入し、Appleもそれに続くとみられるなか、多くの人が折りたたみスマホに変化を期待しています。
それでもGoogleは正方形に近いスクエアタイプのディスプレイを採用しました。
ただ、実際にワイドタイプとスクエアタイプを使い比べてみると、これからすべての折りたたみスマホがワイドタイプへ移行していくのかと言われると、そうでもない気がします。
ワイドタイプの代償
そもそもSamsungもワイドタイプへ完全移行したわけではなく、従来のスクエアタイプをUltraに昇格させたうえで、新しい選択肢としてワイドタイプを追加しました。
Samsungの狙いは、これから折りたたみスマホの拡大を狙うにあたって選択肢を増やし、これまでとは違うユーザーにも折りたたみスマホを届けることにあります。

ワイドタイプは、開いたときに動画や写真、漫画のような電子書籍を表示しても余白が少なく、これまでのマルチタスク重視とは違う、エンタメ寄りの使い方を打ち出しています。実際にGalaxy Z Fold8では、Flipシリーズから移行するユーザーも多いようです。
ただ、ワイドタイプもメリットばかりではありません。
画面を横に広げたことで、閉じたときの本体も幅広になり、片手で操作しにくくなります。そのため、スマホとして扱いやすい横幅に収めようとすると、本体はコンパクトになり、開いたときの画面サイズも小さくなります。
さらに、画面が横長になるぶん縦方向は短くなります。SNSのタイムラインやウェブサイト、ChatGPTのように縦へスクロールしながら使うアプリでは、一度に表示できる情報量も少なくなります。
つまり、ワイドタイプは動画や写真との相性に優れる代わりに、スクエアタイプが得意としてきた大画面、縦方向の表示量、マルチタスキングに必要なスペースを手放すことになります。
Pixel Foldユーザーが求めているもの
かつてワイドタイプの折りたたみスマホを発売していたGoogleが、ワイドタイプのPixel Foldを復活させなかった背景にも、こうしたトレードオフがあるのかもしれません。
実際、今になってワイドタイプが注目を集めている状況についてGoogleに聞いたところ、折りたたみスマホのユーザーは、Proモデルが備えるすべての体験を求めており、高価な製品だからこそ妥協やトレードオフは望んでいないと答えました。
Proレベルのカメラ、1日持つバッテリー、熱による制約を感じないパフォーマンスを備え、普段は普通のスマホのように使えて、必要なときには開いて大画面を使える。GoogleはPixel 11 Pro Foldがそうした体験を実現していると説明しています。
進化は乏しいが体験は大幅に改善している
Pixel 11 Pro Foldは進化が乏しいとの声もあります。筆者も実機を手にするまではそう思っていました。
ただ、実際に使ってみると印象は大きく変わりました。
大幅な軽量化と薄型化を遂げたボディは、数字以上に持ち心地や持ち運びやすさを改善しています。弱点だったマルチタスキングも、フローティング機能の「バブル」が追加されたことで大幅に強化されました。
折りたたみスマホにとって重要な耐久性も、最高クラスの防水・防じん性能に加えて、ほぼ割れない背面や強化されたカバーディスプレイによって大きく向上しています。
さらに、本体の重さや大きさを増やすケースに頼ることなく、マグネット式のアクセサリーとQi2 25Wの高速ワイヤレス充電を利用できるのも、Pixel 11 Pro Foldならではの強みです。
スペック表を眺めているだけでは小さなアップデートに見えても、実際に使ったときの変化は決して小さくありません。
折りたたみスマホに何を求めるか
ただ、折りたたみスマホを選ぶユーザーは、こうした体験の改善はもちろん、最高のスペックを求めているようにも感じます。
薄さや軽さ、ゲーム性能を求めるならGalaxy Z Fold8 UltraやOPPO Find N6、動画や写真を大画面で楽しみたいならGalaxy Z Fold8がより良い選択になりそうです。
それでも、8インチの大画面をマルチタスキングに使いたい。優れた耐久性と長期間のアップデートで、高価な折りたたみスマホを長く安心して使いたい。サイズや重さを増やさずマグネットアクセサリーを使いたい。そして、これから本格化するエージェンティックAIに魅力を感じる。
そういった人なら、Pixel 11 Pro Foldを選ぶ理由は十分にあります。






































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