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Appleが日本時間9月18日に「iOS 12」のアップデート配信を開始した。アップデート後にすべてのデバイスのパフォーマンスが改善される大規模なアップデートだ。
ではどういった新機能が追加されたのか、この記事では新機能はもちろん、目立たないものの大幅に改善された機能など「iOS 12」について知っておくべきことを10個にまとめた。
目次
- 通知がグループ表示に
- “脱スマホ依存”機能「スクリーンタイム」
- 自分の顔がアニ文字になる「ミー文字」
- Androidにも写真と動画をカンタンに共有できる「iCloudリンク」
- 2段階認証の手間を大幅削減。認証コードの自動入力
- 「おやすみモード」が劇的に便利に
- iPhone Xのアプリ終了方法が改善
- 3D Touch非対応デバイスでもカンタンにカーソル移動可能に
- 「Face ID」の再認証が可能に
- 顔認証「Face ID」がマルチユーザーに対応
通知がグループ表示に
iPhoneの通知は個別に表示されるため、iPhoneを触らない時間があると膨大な量になってしまう。読むことを断念していた人も少なくないはずだ。「iOS 12」では通知の未読を解消するために表示方法が大きく変わる。
これまで個別に表示されていた通知はアプリごとにグルーピングされるため、LINEの通知などをまとめて確認できる。もちろん通知の消去もグループごとに可能。通知の確認はこれまでよりも捗るはずだ。
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“脱スマホ依存”機能「スクリーンタイム」
最大の新機能とも言えるのが“脱スマホ依存”に役立つ「スクリーンタイム」だ。
何も用がないのにスマホでSNSをチェックしたり、LINEやTwitterでメッセージやツイートの返信が気になってほかのことができなくなるなど“スマホ中毒者”は多いはず。MMD研究所の調査によればスマホ依存の自覚がある人は約70%で、特に若年層にスマホ依存を自覚している人が多いという。ガールズトレンド研究所によれば女子高生の約80%はスマホ依存を自覚している。
日本だけでなく世界中で問題になっている「スマホ依存」を解消するためにAppleが開発した機能が「スクリーンタイム」で、1日または7日間でiPhoneを何回持ち上げたか、通知が何回届いたか、どのアプリに時間を消費したかなどを詳細に確認できる。使用時間に応じてアプリの利用を制限することも可能。SNS・ゲーム・読書と調べ物などカテゴリごとに制限することも可能だ。
さらに、スクリーンタイムはファミリー共有に対応しているため、子どもがスマホ依存にならないようにケアすることもできる。
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自分の顔がアニ文字になる「ミー文字」
さるやユニコーン、ロボットなど16種類のキャラクターを自分の表情の動きに合わせて動かせる「アニ文字」に加えて、自分の顔に似せたキャラクターを作って動かせる「ミー文字」が追加された。作成した「ミー文字」はメッセージやビデオ通話「FaceTime」で使うことも可能。
なお、TrueDepthカメラを搭載するデバイスのみ利用できるため、現在はiPhone X/iPhone XS/iPhone XS Max/iPhone XRが対応する。
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Androidにも写真と動画をカンタンに共有できる「iCloudリンク」
iPhoneやiPadで撮影した写真・動画をシェアできる機能として新たに「iCloudリンク」が追加された。
写真アプリでシェアしたい写真と動画を選択して「iCloudリンクをコピー」をタップするだけで、iCloudリンク(https://share.icloud.com/photos/XXXXXXXXX)が生成され、共有したい相手にリンクを送るだけで写真と動画をシェアできる。
手軽にシェアできる機能としてすでに「AirDrop」が用意されているが、相手が近くにいるときに限定され、機能をオンにしていてもiPhoneのスリープが解除されていない限り送ることができない、当然Androidユーザーには送れないといった制約があったが、iCloudリンクであれば相手の状況やOSに関わらず共有できる。
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2段階認証の手間を大幅削減。認証コードの自動入力
インスタグラムやTwitterで2段階認証を設定している場合、認証コードをSMSで受け取ることがある。
その場合、一度インスタグラムのアプリから離れてメッセージアプリを起動。認証コードを確認したのち、もう一度インスタグラムアプリに戻るといった手間が発生するが、「iOS 12」では認証コードを受信すると、自動で入力候補に認証コードが表示されて候補をタップすると自動入力されるため、手間を大幅に省くことができる。
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「おやすみモード」が劇的に便利に
寝ている時や会議、ゲームをしている時など通知に邪魔をされたくない時に便利なのが「おやすみモード」
「iOS 12」のおやすみモードには、新たにタイマー機能が追加された。これまでおやすみモードを解除するには手動でオフにしたり、設定画面で時間を指定する必要があったが、新たに「1時間」「今日の夜まで」「この場所から出発するまで」「このイベントが終了するまで」といった豊富なオプションが用意される。
また、スケジュール機能には新たに「ベッドタイム」オプションが加わった。ベッドタイムをオンにすると、指定した時間はロック画面が暗くなり、着信音が鳴らなくなり、通知は通知センターのみに表示されるため、通知によって目を覚ますことがなくなる。
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iPhone Xのアプリ終了方法が改善
ホームボタンが消えた「iPhone X」は、新たに導入されたジェスチャー操作によってホーム画面に戻ったり、アプリを切り替えたり、アプリを終了する。この1年、iPhone Xを使ってきたがジェスチャー操作は非常に快適で何の問題もなかった。
ただひとつアプリの終了を除いては。
「iPhone X」でアプリを終了するには画面下部に表示されるホームインジケーターを軽く上にスワイプしてAppスイッチャーを起動してからアプリのサムネイルを長押ししてロックを解除する必要があった。この仕様には多くのユーザーが不満を口にしていたが、「iOS 12」ではロックを解除する必要なくアプリを終了することができる。
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3D Touch非対応デバイスでもカンタンにカーソル移動可能に
使っていないという人も多い「3D Touch」で最も便利な機能が文字入力時の「トラックパッドモード」だ。
カーソルキーがないiPhoneでは画面をタップしてカーソルキーを移動する必要があるが、指で文字が隠れてしまうため目的の位置にカーソル移動するのは非常に難しい。トラックパッドモードを使えば、指をスライドするだけで直感的に目的の位置にカーソルを移動できる。カーソルキーを切望するユーザーも多いが、操作に慣れてしまえばカーソルキーよりも圧倒的に使いやすい。
トラックパッドモードが利用できるのは3D Touchに対応したデバイスのみ。10月に発売される「iPhone XR」も3D Touchをサポートしていないが、「iOS 12」ではキーボードのスペースキーまたは空白を数秒間、長押しすることでトラックパッドモードが利用できる。
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「Face ID」の再認証が可能に
顔認証「Face ID」は、環境によっては失敗することも多い。失敗後、再認証するには一度、iPhoneをスリープにしたあとでもう一度解除するなど手間がかかるが、「iOS 12」では、認証に失敗すると再認証を促す画面が表示されるようになった。
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顔認証「Face ID」がマルチユーザーに対応
「iOS 11」で追加された顔認証「Face ID」は1人の顔しか登録できなかったが、「iOS 12」では複数の容姿を登録可能になった。
複数の容姿は同一人物である必要はなく、他人の顔も登録可能で画面ロックも解除できる。子どもにスマートフォンを渡す時には便利な機能だが、パートナーに顔を登録されて自由に画面ロックを解除されないように気をつけよう。
なお、Appleは年内にシリーズ史上最大のアップデートを実施した新型iPad Proを発売する見込み。顔認証「Face ID」の搭載も確実視されている。家族で利用することも多いiPadはFace IDのマルチユーザー対応は必須と度々書いていたが発表前に実現した。ただ、最低でも3つの顔が追加ができなければ家族での利用はスムーズにいかないだろう。「iOS 12.1」に期待したい。
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