今年秋発売が予想される新型iPhone(仮称:iPhone 12)の重要機能の1つとしてリフレッシュレート120Hzで動作する「ProMotionディスプレイ」の搭載が噂されていたが、最近になって搭載を危ぶむ声が聞こえてくる。
Appleは2017年に発売したiPad ProにProMotionディスプレイを搭載していることから大きな障壁はないように思えるが何が起きているのだろうか。
高評価の高リフレッシュレートディスプレイ
“リフレッシュレート”は1秒間に書き換える画面の回数を意味する。
iPhone 11シリーズなど多くのスマートフォンが1秒間に60回画面を書き換えるリフレッシュレート60Hzのディスプレイを搭載しているのに対して、GoogleのPixel 4は90Hz、SamsungのGalaxy S20シリーズは120Hz、シャープのAQUOS zero2は240Hzを実現。対応アプリや動画コンテンツでなめらかな映像が楽しめることから高く評価されている。
昨年の時点でiPhone 12シリーズのProモデルにもリフレッシュレート120Hzのディスプレイが採用されると報じられて期待が高まっていたが、最近になっていくつかの問題が報じられている。
iPhone x ProMotionディスプレイの問題
高い的中率を誇るJon Prosserによれば、Appleは消費電力の問題を抱えているという。画面を書き換える回数が最大で2倍に変化することで消費電力が上がることは容易に想像がつく。Appleは必要なシーンに応じてリフレッシュレートを変化させ、バッテリーを10%以上も増量するようだが、それで解決するかはわからない。
Max Weinbachはカラーキャリブレーションの問題を指摘。リフレッシュレート120Hzと有機ELディスプレイの組み合わせは扱いが難しく、Galaxy S20やOne Plus 8 Proではグリーンスクリーン問題が発生している。
Just want to point out that we said that Apple won't do 120hz unless it is perfect. If they can't perfect it, they won't do it. I was told specifically engineers were unhappy with it and it sounded like color calibration was the reason. https://t.co/BQPvSfRjCe
— Max Weinbach (@MaxWinebach) May 11, 2020
ディスプレイアナリストのRoss Youngは、リフレッシュレート120Hzを実現するのであれば消費電力を抑えるために1Hz〜120Hzまで可変できるLTPOディスプレイが必要と指摘。さらに、2020年内にLTPOディスプレイを搭載するスマートフォンはSamsungの「Galaxy Note20+」だけであることからAppleは2021年までiPhoneにProMotionディスプレイを導入できないとレポートしている。
I meant only one flagship in 2020 will have LTPO
— Ross Young (@DSCCRoss) May 11, 2020
MacRumorsはiPad ProがLTPOディスプレイを採用せずにProMotionディスプレイを搭載したことを指摘しているが、BloombergのMark Gurmanは、iPad Proの液晶に対して、iPhone 12は有機ELで液晶よりもはるかに複雑としている。
I reported on April 21 the same thing Max did. It’s in testing and a possibility — but there are issues, particularly in terms of getting it working on OLED. Remember, iPad is LCD and is far less complex. https://t.co/IpwnPEXu29
— Mark Gurman (@markgurman) May 11, 2020
消費電力、LTPOディスプレイ、カラーキャリブレーションといった複数の問題からAppleはProMotionディスプレイの搭載をiPhone 13シリーズに持ち越すかもしれない。
コメントを残す