Appleは2017年発売の「iPhone X」でフルビューディスプレイの新デザインを導入しました。概ね高く評価されたデザインでしたが、多くの批判を集めたのが凹形状の“ノッチ”です。
スマホの前面に対して画面が占める割合を示す「画面占有率」の向上を理由にAndroidメーカーもこぞってノッチを真似しましたが、今ではSamsung Galaxy、Google Pixel、Xiaomi、Vivo、OPPOといったAndroidのトップメーカーはいずれもパンチホールを採用しています。
ノッチの登場から5年となる2022年から順次、Appleもパンチホールに切り替えていくかもしれません。
アンダーティスプレイカメラの搭載も?
2022年発売の6.06インチと6.7インチのiPhone Proで初めてパンチホールを搭載することが明らかになったと韓国のThe Elecが報じています。残念ながら通常の6.06インチのiPhone 14と6.7インチのiPhone Maxではノッチが継続されるようです。
iPhone 14 Pro|14 Pro Maxには「アダプティブリフレッシュディスプレイ」の搭載が継続されるとのこと。これにより表示するコンテンツやユーザーの操作に合わせて1秒間に最大で120回画面を切り替える(通常は60回)ことで、消費電力を抑えながら画面を滑らかに表示できます。
パンチホール採用の噂は未発表のiPhoneに関して多数の実績があるMing-Chi Kuoも同様にレポートしていました。また、2023年発売が噂される新型iPhone SEにもパンチホール採用の噂が報じられています。
Appleは段階的にiPhoneのノッチをパンチホールに切り替えていくのでしょうか。
- 通常モデル
- iPhone 14:6.06インチ、ノッチ
- iPhone 14 Max:6.7インチ、ノッチ
- Proモデル
- iPhone 14 Pro:6.06インチ、パンチホール
- iPhone 14 Pro Max:6.7インチ、パンチホール
現在、iPhone 13 Pro|13 Pro Maxのアダプティブリフレッシュディスプレイは、Galaxyで採用実績のあるSamsungがAppleに独占供給していますが、iPhone 14 Pro|14 Pro Maxでは、パンチホールとアンダーディスプレイカメラの開発を計画しているLGも供給することを目標にしているとのこと。
Samsungが今年発売した折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3 5G」で採用したことで大きな話題になったアンダーディスプレイカメラは、フロントカメラを使用しないときはカメラのレンズ部分がディスプレイに変化する技術。パンチホールの最大の欠点である画素欠けを解消し真のフルビューディスプレイを実現できます。
問題は顔認証の「Face ID」です。
ノッチの正式名称であるセンサーハウジングが示すように、ノッチにはフロントカメラだけでなく、顔を識別するために必要な赤外線カメラやドットプロジェクタ、光センサー、近接センサー、投光イルミネーターといった多くのセンサーが配置されていて、ノッチを廃止するにはこれらを別のスペースに移動する必要があります。
これらのセンサーをすべてアンダーディスプレイカメラと同じ技術で隠すことはできないでしょう。ロック画面やApple Payでの決済など、顔認証が必要な時にディスプレイにいくつもの穴が空く様子は想像しただけでも恐怖でしかありません。
解決する方法はディスプレイ指紋認証ですが、BloombergのMark Gurmanはテストはしているものの来年以降の搭載になると報じています。以前から書いてきたように個人的な見解としては、パンチホールとディスプレイ指紋認証はセットで搭載されるはずです。
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