“主要キャリアとして世界で初めて1つだけのプランを提供する”と、1プランのわかりやすさをアピールしてきた楽天モバイルが新料金プランの追加を検討しているようだ。
新料金プランはデータ容量が3〜5GBで料金は月額1,000円台が検討されているという。
MVNOからMNOへの移行を促進させる新プランか
SankeiBizによると、楽天モバイルはMVNOの利用者向けにアンケートを行い、現行のデータ無制限(楽天回線エリアのみ)・月額2,980円で提供する「RAKUTEN UN-LIMIT V」に加えて、半額程度でデータ容量が3〜5GB程度のプランなどの選択肢を提示して利用者の意向を聞いているとのこと。
また、データ通信量が3〜5GBのプランが提供されたときの妥当な料金を具体的に尋ねているという。
今年4月に本格参入したばかりの楽天モバイルは、月額2,980円でデータ使い放題(楽天回線エリアのみ)、かけ放題の音声通話(専用アプリ利用時)、1年間無料キャンペーン、1プランでわかりやすい料金、縛り・解約金なしで大きな注目を集めた。
累計の申込数は6月に100万件、9月に143万件、11月に160万件を突破。楽天の三木谷会長は顧客獲得は順調と話しているが、300万人を対象に1年間無料キャンペーンを実施していることを考えると、同社の想定よりも獲得ペースが遅くユーザー獲得に苦戦していることが伺える。
なお、累計の申込数には解約を含まれないが、申込数と契約数の数字はそこまで乖離していないそうだ。
SankeiBizは新料金プランについてはドコモへの対抗措置としているが、アンケートでは同社のMVNOサービスからキャリアサービスに移る条件について質問するなかで新料金プランが出てくるため、楽天モバイルのMVNOからMNO移行を進めるためのプランと考えるのが妥当だ。
楽天モバイルはキャリアサービスの開始後もMVNOサービスの提供を継続しており、両サービスを合わせたユーザー数は340万ほどでMVNOユーザーの方が多い。三木谷会長も「MVNOからの乗り換えはアグレッシブではなく(キャリアサービスの)大半が新規かMNP」と答えていることからMVNOからMNOの移行が進んでいないことがわかる。
そもそもデータ容量3〜5GB・月額1,000円台のプランとデータ容量20GB・月額2,980円のドコモの新料金プラン「ahamo」は性質が大きく異なるため対抗できない。ahamoに対抗するには対応エリアを拡大させるか同じ料金で提供する現行プランにテコ入れが必要だ。
おそらく現行のプランでは低容量ユーザーに訴求できないため、新料金プランの投入を検討しているということだろう。ただ、MVNOを使い続けるユーザーは全国で繋がるドコモおよびau回線を最優先に選んでいると考えれるため新料金プランで移行を促進できるだろうか。