
Microsoftは2025年5月、Skypeのサービスを終了すると発表しました。
かつて無料のビデオ通話の先駆者として広く普及したSkypeですが、LINEやWhatsApp、Zoom、Microsoft Teamsといった競合の台頭により、次第に存在感を失っていきました。
なぜSkypeはここまで衰退し、サービス終了することになったのでしょうか?
Skypeの栄光と衰退
かつて、無料ビデオ通話アプリといえばSkypeでした。
Skypeは2003年に登場し、事業者に料金を支払わずに通話できる手段として注目を集め、特に2000年代後半から2010年代前半にかけて世界中で広く使われ、一時は利用者が3億人に達します。
- 無料のビデオ通話ができる先駆的なツールとして人気を集めた
- 国際電話の代替としても重宝され、企業や個人での利用が増加
- Skype for Businessが展開され、ビジネス向けのオンライン会議ツールとしても活用される
しかし、2010年代に入るとSkypeの立ち位置は次第に危うくなっていきます。
SkypeはPCを中心に普及したサービスで、スマホへの適応が遅れたことが大きな痛手になりました。
Skypeはアカウントの登録が煩雑で、MicrosoftアカウントやSkype IDが必要だったため、電話番号だけで簡単に登録できるLINEやWhatsAppよりも導入コストが高く不便でした。
また、Skypeの全盛期は通信速度が遅い3G回線が主流でした。当時の料金プランも使い放題ではなく、スマホでビデオ通話という行為そのもののハードルが高かった記憶があります。
- MicrosoftアカウントやSkype IDが必要
- LINEに比べてアカウント登録が煩雑
- Skype全盛期はスマホでビデオ通話する環境が整っていなかった(料金プランやモバイル通信)
Skypeがスマホの適応に苦労している間に、競合のアプリが急成長しました。
日本では東日本大震災をきっかけに生まれたLINEが圧倒的なシェアを獲得。欧米や南米ではWhatsAppが普及。FaceTimeやGoogleハングアウト(現Google Meet)が登場し、ユーザーの選択肢が徐々に広がり、Skypeの存在感は薄れていきました。
復活のチャンスは、リモートワークの需要が急増したコロナ禍でしたが、すでにMicrosoftはSkypeの開発に注力しておらず、ZoomやDiscordに圧倒されて復活を遂げることはありませんでした。
Microsoftは、Skypeの代わりのツールとしてTeamsを推奨しており、今後はTeamsがSkypeの役割を引き継ぐことになります。
Skype は 2025 年 5 月に廃止されます。今後数日間で、Skype の資格情報を使用して Microsoft Teams にサインインできるようになり、チャットや連絡先もそのまま引き継がれます。Skype の無料通話やメッセージングなど、お気に入りの機能に加え、会議やコミュニティなどの新機能も Teams でお楽しみいただけます。
コメントを残す