ソフトバンク宮川社長、値上げしない宣言の楽天モバイルに苦言。「ローミング頼みの現状はフェアではない」
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
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ソフトバンクの宮川社長は、11月5日に開催された決算会見の質疑応答で、9月に「値上げしない」と宣言した楽天モバイルに苦言を呈しました。
楽天モバイルは、値上げを行わない理由として、総務省から市場競争の促進と低価格化を期待されて新規参入した経緯や、基地局の制御・調達を含む運用コストの低さを説明。さらに、AIの導入によって基地局の電力消費を20%削減できたことなどを挙げていました。
一方、宮川氏は「最後の10%、特に5%のエリア」を整備するには多大なコストがかかると指摘し、そうした地方のネットワーク整備を「他社のローミングに頼った現状ではフェアではない」と述べました。
地方のネットワーク整備に多大な費用。トラフィックは都市部の1%に満たず
宮川氏は、ネットワーク整備でかかるコストいついて、都市部と地方で大きく異なると説明します。
都市部はトラフィックは多いものの、電波の混信を抑えながら上手くサービスを提供すれば、ユーザーも自発的に利用してくれる環境が整っているため、「効率が良い」と述べます。
一方で、地方のネットワーク整備――特に残り10%、5%のエリアでは、物理的に高く、コストも高い鉄塔の建設に加え、基地局とネットワークをつなぐ、光ファイバーの伝送距離も長くなることから「ものすごい費用がかかる」と説明。
さらに、基地局を一度建てるだけではなく、チューニングが何度も必要になるとのこと。
こうした費用も手間もかかる地域の年間トラフィックは都会の1%にも満たないものの、全国で通信を提供するためには整備が必要と説明します。
今でこそネットワーク品質が高く評価されていますが、かつてソフトバンクは品質面でユーザーから厳しい声を受けた時期もありました。
当時、最高技術責任者としてネットワーク整備に携わっていた宮川氏は、地方でのネットワーク整備について「非常に苦労した」と振り返り、そうした努力をした上で、同じ発言をするならフェアだが、それがない今のローミングに頼った現状ではアンフェアだ厳しく批判。
最後は「これ以上言うとエキサイティングしちゃうのでやめておきます」として次の質問に移りました。





















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