Photo by Samsung Newsroom
サムスンが韓国で記者会見を行い、昨年夏に発売したスマートフォン「Galaxy Note 7」の発火、爆発問題の原因がバッテリーであることを明らかにしました。
なお、直近での発表が噂されていた新型スマートフォン「Galaxy S8」は発表を見送るようです。
Galaxy Note 7、発火・爆発問題の経緯
Galaxy Note 7に関連する発火・爆発問題の経緯をカンタンに振り返ります。
Galaxy Note 7が発売されたのは2016年8月。ユニークなペン操作が好評で日本での発売も期待されましたが、異常な発熱や端末が発火・爆発したとの報告が寄せられると、発売からわずか2週間後の9月に販売を中止。実質的なリコールである交換プログラムを実施し、購入したユーザーに対して新品と交換するよう案内していました。
サムスンは発火・爆発の原因をバッテリーと特定し、製造会社を変更して10月から販売を再開しましたが、交換済みのGalaxy Note 7が航空機内で発火する事故が発生。販売再開からわずか10日後にGalaxy Note 7の生産を終了すると発表しました。
日本では2016年秋冬モデルとして発表される予定でしたが、ドコモやauはGalaxy Note 7の発表を断念していました。
発火・爆発の原因はリコール前後ともに「バッテリー」、システムに問題なし
サムスンは外部の民間業者に調査を依頼。20万台の「Galaxy Note 7」と3万台のバッテリーを元に調査した結果、発火・爆発の原因はバッテリーの設計と製造工程と発表しました。
前述したとおり、Galaxy Note 7はリコールの前後で異なる業者のバッテリーを採用しています。リコール前のバッテリーではケース内の電極が折れ曲がってショートを引き起こし、リコール後のバッテリーでは溶接の不具合で電極が絶縁テープセパレータを突き破り、電極同士が接触してショートを引き起こして発火・爆発に繋がったと説明しています。
これまでにサムスンが構築するバッテリーの制御システムにも問題があるのではないか?との指摘もありました。制御システムに問題があるのであれば、他機種にも影響がおよぶ恐れがありますが、サムスンは今回の調査結果では制御システムに問題は見つからなかったとしています。
信頼性テストの項目追加や設計改善などの再発防止策を発表
サムスンは再発防止策としてバッテリーのエックス線検査、耐久試験、分解試験等に充放電試験、加速試験など新たな3種類の試験を追加した全8種類の信頼性テストを実施し、バッテリー保護のためのハードウェア設計やバッテリ充電温度、充電電流・時間を制御するソフトウェアのアルゴリズム改善を実施すると発表。
なお、Galaxy Note 7のリコールは販売台数の96%となる約300万台が回収済みであることも明らかにしています。
「Galaxy S8」の発表は見送り
サムスンは毎年2月に開催される世界規模のイベントMobile World Congress(MWC)でフラグシップモデルを発表しており、今年も「Galaxy S8」が発表されるのではないかと予想されていました。
1月中にGalaxy Note 7の発火・爆発問題の原因を大規模に発表したのも「Galaxy S8」の発表が控えているためではないかとも思いましたが、ロイターによれば、サムスンはMWCでGalaxy S8は発表しないことを明らかにし、発売時期についてはコメントしなかったようです。
However Koh said the Galaxy S8 would not be unveiled at the Mobile World Congress (MWC) trade show in Barcelona, which begins on Feb. 27, the traditional forum for Samsung premium product launches. He did not comment on when the company planned to launch the new handset.
- 引用元
- Reuters
例年、MWCで発表された製品が日本のキャリアから発表され、5月以降に発売される夏モデルとしてラインナップされます。昨年はGalaxy S7 edgeがドコモとauから5月に発売されましたが、今年は発売が遅れることになるかもしれません。
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