昨年10月から携帯料金値下げの議論がスタートし、12月中旬に取りまとめ案が発表され、今月から「実質0円」が廃止となりました。
2年にわたって一定額を割引くことで端末価格を0円にする「実質0円」の恩恵を最大限に受けていたのは間違いなくiPhoneで、その恩恵もあって日本のスマートフォンシェアはiPhoneが40%超になっています。
その実質0円の廃止で売上減を危惧したのか、取りまとめ案が発表される前の12月上旬にアップルの幹部が総務省を訪れていたようです。
アップル、「実質0円」廃止にiPhone狙い撃ちの疑念
SankeiBizの報道によると、総務省を訪れたアップル幹部はアジア担当副社長と日本法人トップの二人。アップルは、iPhoneが日本メーカーから供給している多くの部品で開発・製造されていることを説明し、協力的な姿勢を示したとのこと。
作業部会の取りまとめが大詰めを迎えた昨年12月上旬、米アップルのアジア担当副社長と日本法人トップが、総務省を訪れた。
副社長は同省幹部に、アイフォーンは日本から買ったたくさんの部品でできていると説明。「必要な情報はいつでも提供します」と協力的な姿勢を示した。
引用元:過激なスマホ販売競争、残る火種 政府介入に反発、進まぬ抜本改革 (3/5ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)
アップルが総務省に訪問したのは、実質0円の廃止がiPhoneを狙い撃ちしたのではないか?という疑念(おそらく、海外メーカーの端末であるiPhoneが売れすぎないために、または日本メーカーの端末を売るために実質0円を廃止するとの疑念)を抱いていたことが原因のようです。
なお、実質0円の廃止は、新規契約やMNPが優遇される端末購入補助を減額することで契約者間の不公平感を解消し、長期契約者向けの割引など導入するなどして、これまで冷遇されていた長期契約者を優遇することが主な目的です。総務省はその旨を伝えたところ二人は納得して引き上げたとのこと。
日本の業績ダウン・iPhoneの出荷台数減に加え、実質0円の廃止でアップルに焦り
アップルが先日発表した2015年10月〜12月の業績は、iPhoneの販売台数がたったの0.4%増(前年同期比)になりました。これは過去最低の記録。日本の業績も12%減となり、主要国別で最低の成長率を記録しました。
さらに、MM総研が発表した日本の携帯電話・スマートフォンの出荷台数でもiPhoneが前年比10%減を記録。2014年に20%近い差を付けたAndroidとのシェアはたった1年で約7%まで縮まっています。
実質0円とキャリアへの厳しい販売ノルマから日本で圧倒的なシェアを築いたiPhoneですが、こういった数値を見る限りでは陰りも見えます。実質0円という片翼を失った影響で今後は販売数が落ちていくことが予想されます。
報道ではアップルがキャリアに連絡を取り、実質0円の廃止後も販売ノルマを守れるか確認したと伝えており、これまで好調だったアップルも今後の見通しに不安を感じているものと思われます。
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