スマートフォンの通信速度は「下り最大150Mbps」というように理論値で表現されることが多く、テレビCMやウェブサイトのバナー広告でもそういった表記でアピールされています。
ただ、実際の通信速度は理論値を大きく下回っており、国民生活センターにも多くの相談が寄せられるなどトラブルとなっているようです。
そのようなトラブルを解消するべく、総務省は理論値ではなく、実際に利用した時の通信速度を表記するよう変更されると報じられてきましたが、ついに2015年冬にも「実速度」に変更されるようです。
全国10都市で通信速度を計測。早ければ2015年冬モデルから適用
47NEWSによると、総務省は携帯電話事業者に対し、CMや広告で伝えるスマートフォンの通信速度を理論上の最大速度から実際に計測した数値に変更するよう求める方針を固めたとのこと。
総務省は6日、携帯電話会社に対し、スマートフォンの通信速度の広告表示を改めるよう求める方針を固めた。
総務省の有識者会議が、6日の会合でこの方針を確認した。5月末にも報告書をまとめる。速度の計測は全国10都市で実施され、有識者らの協議会がチェックする。
引用元:総務省「スマホ広告は実速度で」 冬モデルから適用 – 47NEWS(よんななニュース)
具体的な計測方法は明らかになっていないものの、全国10都市で通信速度が計測されるとのこと。また、適用時期に関しては、早ければ2015年の冬モデルから適用されると伝えています。
「広告の速度と実態が大きく違った」との相談多数。格安SIMにも実測値表記は適用されるか
前述したとおり、スマートフォンなどモバイルデータ通信に関する国民生活センターへの相談は年々増えており、2013年4月の発表で明らかにされた相談事例には「広告の速度と実態が大きく違った」というものがあがっていました。
PIO-NETに寄せられたモバイルデータ通信に関する相談件数が年々増加している。2012年度は4,152件で、2011年度の同時期の約1.5倍の相談が寄せられている(2013年3月15日現在)。
通信速度の問題
事例9:広告の速度と実態が大きく違った問題点や課題
引用元:モバイルデータ通信の相談が増加-「よく分からないけどお得だから」はトラブルのもと!-(発表情報)_国民生活センター
実際に利用するまで品質が分からない。「ベストエフォート」型のサービスであり、必ずしも消費者の期待通りにならない
2年以上が経ち、携帯電話からスマートフォンへの移行期も落ち着いた、今、ようやく実施されるというのは遅すぎる気もしますが、通信技術は年々進化しており、最近ではドコモが「PREMIUM 4G」をスタートさせ、auもLTEの通信速度を下り225Mbpsまで向上するなど、いまだ通信速度の競争は落ち着きをみせていません。
そんな状況でこういった動きがあるのは素直に喜ばしいことです。
ちなみに、今年2月に開催されたIIJmio meeting 6では、通信速度を含むモバイルデータ通信の品質に対して、ドコモやau、ソフトバンクといったMNOだけでなく、格安SIMを提供するMVNOも対象となるかという質問がありました。この質問に対して総務省は「今のところMNOのみが対象」としながらも「MVNOも含めて考えなくてはいけない」と回答していました。
もしかすると、2015年冬から格安SIMを含め、携帯電話およびスマートフォンの通信速度表記が大きく変わることになるかもしれません。
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