iPhone→Androidの移行データが大幅拡大。新APIでアプリ内データにも対応、GalaxyのLINE全移行は有線限定
Y.Sakakura

Googleが、iPhoneからAndroidスマートフォンへの乗り換えを簡単にする新しいデータ移行機能を発表しました。
Android 17に標準搭載される新しい「Android Switch」では、専用アプリを別途インストールすることなく、これまで以上に多くのデータをワイヤレスで移行できます。
すでに一部のPixelへの提供が始まっており、新たに発表されたGalaxy Z Flip8とGalaxy Z Fold8シリーズでも利用できます。今後は、さらに多くのAndroid端末へ順次展開される予定です。
EUのデジタル市場法が両社に対応を迫る
GoogleとAppleは昨年末、AndroidスマートフォンとiPhoneの間で、よりスムーズにデータを移行できる仕組みを共同開発していることを明らかにしました。
両社にとって、他社のOSへ乗り換えやすくすることは、自社のエコシステムへの囲い込みを弱める施策でもあります。その対応を迫ったのが、EUのデジタル市場法(DMA)です。
これまでAndroidとiPhoneの間でデータを移行する際は、どのデータが引き継がれ、何が移行されないのかを事前に整理する必要がありました。移行後に重要なデータが欠けていないか、不安を感じながら作業した経験がある人も少なくないでしょう。
AndroidとiOSの中核に組み込み
GoogleでAndroidの初期設定や設定、iOSとのデータ移行を担当するプロダクトリードのPaul Dunlop氏によると、新しいAndroid SwitchはAndroidとiOSの中核に組み込まれます。
これにより、移行用のアプリを別途インストールしたり、複数の権限を許可するような手順が減ることで、乗り換え時のハードルが大きく下がります。
実際、これまではテキストメッセージや端末設定などの重要なデータを移行する際に、有線接続が必要になる場合があり、ワイヤレスでは引き継げないデータもありました。
新しいAndroid Switchではワイヤレス転送が中心になり、ケーブルを使わずに移行できるデータが増えます。
今後も有線でのデータ移行は可能です。ただし、ケーブルで端末同士を接続するとUSBポートがふさがり、移行中に充電できない場合があります。そのため、事前に2台のスマートフォンを十分に充電してから作業していた人も多いでしょう。
ワイヤレス転送なら充電しながら移行できるため、バッテリー残量を気にせず作業しやすい点でも便利です。
eSIMやパスワードも移行可能に
Googleの公式ブログでは、新しいAndroid Switchで移行できるデータとして、以下の項目が案内されています。
- 写真
- 動画
- 連絡先
- メッセージ
- カレンダー
- Googleアカウント
- パスワード
- Wi-Fiの認証情報
- eSIM
このうち、Googleアカウント、パスワード、Wi-Fiの認証情報、eSIMは、新たに対応するデータとして紹介されています。GoogleアカウントはiPhoneから新しいAndroid端末へ直接移行され、自動的にログインされるため、パスワードを入力する必要がなくなります。
さらに、Dunlop氏は以下のデータも移行できると説明しています。
- パスキー
- アラーム
- ファイルとフォルダ
- カレンダーの添付ファイル
- 通話履歴
- 暗号化されたRCSメッセージ
- Apple「メモ」の添付ファイル
- Apple「メモ」のラベル
- 壁紙
- ホーム画面のレイアウト
- ホーム画面上のアプリ配置
- 主要なアクセシビリティ設定
注目すべきは、ホーム画面のレイアウトやアプリの配置も引き継げることです。これまでは乗り換え後にアプリを一つずつ並べ直す必要がありましたが、その手間を大幅に減らせます。
新APIでアプリ内データの移行にも対応
新しいAndroid Switchには、サードパーティアプリのデータを移行するためのAPIも用意されています。
これまでOSをまたいだ乗り換えでは、アプリを再インストールできても、各種設定やアプリ内に保存されたデータまでは引き継げないケースが多くありました。
新しいAPIをアプリ開発者が実装することで、こうしたアプリ固有のデータもAndroid Switchを通じて移行できるようになります。ただし、すべてのアプリが自動的に対応するわけではなく、実際に何を引き継げるかはアプリ側の実装によって異なります。
eSIMの移行にはキャリア対応が必要
Dunlop氏は、iPhoneで利用しているeSIMを初期設定中にAndroidへ移行でき、セットアップ完了後はすぐに通話やRCSを利用できると説明しています。
一方で、対応キャリアを世界各地で拡大しているとも明かしており、現時点ではすべての通信事業者が対応しているわけではありません。
Googleのヘルプページには、AndroidとiOS間のeSIM転送に対応する通信事業者が掲載されています。
Samsungの公式サイトでも、iOSとAndorid OS間でのeSIM転送に対応しているキャリアとして、KDDIとUQ mobileが掲載されています。
ただし、そこに記載されているすべての事業者が、今回のAndroid Switchによる自動移行に対応しているとは限りません。
反対に、ヘルプページに記載されていない事業者が対応している可能性もあるため、実際に利用できるかどうかは各通信事業者の案内を確認する必要があります。
QRコードを読み取って移行
Samsungが国内で開催した先行発表では、新しいAndroid Switchを使った具体的な移行方法も紹介されました。
従来のワイヤレス移行では、iPhoneにSmart Switchアプリをインストールし、アプリが求める権限を許可する必要がありました。また、有線接続に比べると、ワイヤレスで移行できるデータは限られていました。
新しい移行方法では、iPhoneのカメラアプリを起動し、Samsung Galaxyに表示されるQRコードを読み取るだけで接続できます。Samsungによると、有線とワイヤレスの両方に対応し、最大20種類のデータを移行できます。
対応条件は、Galaxy側がAndroid 17をベースとするOne UI 9以降、iPhone側がiOS 26.6以降です。
なお、Samsungによると、LINEのトーク履歴を全期間移行できるのは有線接続時に限られます。ワイヤレスと有線では移行できるデータに違いが残るため、LINEの履歴をすべて引き継ぎたい場合はケーブル接続が必要です。




















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