違法サイト(許諾を得ずに音楽や動画をアップロードしたサイト)からのダウンロードはこれまで私的使用の範囲内として犯罪性は無きにしも非ずというようなっていましたが、私的録音録画小委員会にて議論が行われ、違法サイトからのダウンロードを私的使用の範囲外にし、「ダウンロード元が違法サイトと知ってダウンロードした場合は違法」となるような状況が避けられないようです。
携帯電話にも大きく関わってきて、ここ最近問題となっていた「無料着うた違法サイト」からのダウンロードも犯罪になってしまいます。
やろうとしていることは正しいんですが、もうすこしユーザーの意見を聞きましょうよ。
権利者側は「違法サイトからのダウンロードによって、多大な経済的損害を受けている。アップロードだけじゃなくダウンロードも違法化すべきだ!」と意見すれば、違法サイト運営側と消費者側は「権利者が経済的損害を受けているという実証はされていない!ダウンロードを違法化することで知らない内に犯罪者になってしまうではないか!」と反論してきたように、これまで権利者側と違法サイト運営側、消費者側はこれまで対立してきました。
そんな中、先日、中間整理が行われパブリックコメントを募集したわけですが、その半数以上が「ダウンロード違法化」に対して反対的な意見でした。
この結果を受けて、文化庁の室長が「パブリックコメントなどでの反対意見を踏まえた上でも、違法複製物からの複製は30条の適用除外とするのは不可避(避ける事はできるない)」とコメントし、「いわゆる違法着うたや、ファイル交換ソフトを使った違法複製物のダウンロードなどによるフリーライド(ただ乗り)で、正規品への流通に影響が出ているのは事実。国際情勢から見ても、適用除外すべきだろう」としました。
また、「ユーザーの意見を無視したわけでなく、ネットからの意見をちゃんと踏まえたつもり」とし、「“違法サイトと知らずにダウンロードしてしまった場合、無意識に法を犯してしまうのでは”といった不安は、十分理解できる。ユーザーの不利益にならないような制度設計をする」と合わせてコメント。
この委員会で文化庁が「合法サイトと違法サイトを見分けるように合法サイトには、適法サイトを示すマークを普及させるというのはどうか」と持ちかけました。
また、もし、違法を犯した場合の法執行においてはユーザーの一方的な不利益になりにくいとしました。「仮に、権利者が違法サイトからダウンロードしたユーザーに対して民事訴訟をするとしても、立証責任は権利者側にあり、権利者は実務上、利用者に警告した上で、それでも違法行為が続けば法的措置に踏み切ることになる。ユーザーが著しく不安定な立場に置かれる、ということはない」と資料には記載されているそうです。
まぁ、違法サイト運営側と消費者側が経済的損害を受けている事が実証されていないと語っても、違法サイトの存在によって権利者側が額は少なくとも経済的損害を受けているでしょう。しかし、着うたフルのように違法配信が行われているものであっても年々成長している市場があることも事実です。
なんといっても決め方が一方的すぎます。法を変えてしまうわけですからユーザーを何人か委員会の場に参加させるべきです。つまり、もう少しユーザーの意見を取り入れるべきだと。
文化庁は「ユーザーの意見をちゃんと踏まえてダウンロードした場合、無意識に法を犯してしまうのでは?という不安は十分理解できる。ユーザーの不利益にならないように制度設計する」と言っていますが、ユーザーが言いたいのはそこではなく、「ダウンロードの違法化自体に反対している」というとこです。どこで誰の意見を取り入れたのかと。
法を犯してしまうのでは?という不安に対してユーザーの意見を取り入れ、対策を練るのは「ダウンロードの違法化が決定した後のこと」ではないでしょうか?
同じく文化庁の「合法サイトには適法サイトを示すマークを普及させる」という対策ですが、現実的ではないんですよね。そんなもんにいちいち誰が目を通すのかと。違法ダウンロードが行われる時の1番考えられるケースは、掲示板などにURLが貼り付けておりそれをクリックする時です。ダウンロードが違法化された場合、クリックした時点で違法となってしまうわけです。それを回避するためにはいちいち合法サイトかを見分ける必要がありURLを個人で切っていってブラウザに貼り付けなければいけません。こんな面倒なことやりますか?携帯電話だったらどうでしょうか?掲示板などに貼り付けてあるURLさえコピーして切ることができない機種ばかりです。
私自身、違法サイトからのダウンロードを違法化することにおいて賛成でもなく反対でもありませんがもう少し納得のいくように慎重に議論をしていってもらいたいですね。(一番言いたいことは原価に対して定価がもの凄く高いCDやDVDを値下げしてくだい。ITジャーナリストの津田氏も言う様に権利者は何もやらない割に何かを求めすぎです。CDやDVDが値下げされれば消費者も違法サイトに頼る必要性がなくなり、正規品へユーザーが流れるはずです。着うたフルが違法着うたの逆風を年々受けつつ市場を拡大できている理由は品質と安さにあります。今のCDやDVDに足りないのはまさに安さです。違法化よりも安価化をまずはがんばってください。安価化しても市場が拡大しなかった場合はユーザーもダウンロード違法化に納得できるのではないでしょうか?)
パブリックコメントにおいて「ダウンロード違法化」への反対意見が半数以上あったにも関わらず「パブリックコメントの反対意見を踏まえた上でもダウンロードは違法化にするべきだ」とユーザーの意見が無視され、半ば強行的に違法化されようとしているこの件についてみなさんはどのようにお考えでしょうか?
私的録音録画小委員会:「ダウンロード違法化」不可避に – ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/18/news065.html
私的録音録画小委員会:反対意見多数でも「ダウンロード違法化」のなぜ (1/2) – ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/18/news125.html