「AirPower」という製品を覚えているだろうか。Appleが昨年のスペシャルイベントで発表したワイヤレス充電器で“2018年内発売”とアナウンスされ、早ければ今月発売とも噂されていた。
多くのAppleファンが先日のスペシャルイベントで発売日が発表されるだろうと期待していたはずだが、期待はずれに終わり、なんとAppleの公式サイトからも記述が削除されてしまった。
最新の噂によればAppleは「AirPower」の発熱問題に直面していて発売日が大きく遅延する可能性があるようだ。
販売すら実現しない可能性も?
AppleリーカーのSonny Dicksonが情報筋から得た情報によると、「AirPower」は多くの問題に直面しているという。
1つはこれまでも報じられていた「発熱問題」。ワイヤレス充電では安全管理のために発熱した場合は充電スピードを落としたり内部のファンを動作して排熱するが、まさに「AirPower」は過度な発熱によって充電スピードが落ちる問題が発生しており、内蔵された充電用のカスタムチップの性能にも影響を与えているとのこと。
もうひとつは、充電中のデバイスとAirPower間の通信に関する問題。AirPowerは、Apple WatchやAirPodsといった充電中のデバイスのデータをiPhoneに送信して充電レベルを確認することができるが、精度に問題があり、まともに動作していないようだ。
最後は充電コイルの干渉問題。通常のマット型ワイヤレス充電器では指定されたエリアにデバイスを配置しなければ充電されないが、最大3つの製品を充電する「AirPower」は充電マット上のどこにデバイスを配置しても充電ができるように、サイズの異なる21〜24個のコイルが内蔵・配置されているそうだ。これによりコイル間の干渉が発生し、AirPowerの充電効率を低下させ、発熱問題にもつながっているという。
Sonny Dicksonは問題を解消するにはデバイスのサイズを大型化したり、分厚くするなどの再設計が必要と考えているようだ。また、Appleが「AirPower」を公式サイトから消し去ったことは、外観の大幅な変更や発売日の大幅な遅延、さらには販売中止になることを示唆しているという。なお、プロジェクト関係者は「AirPower」が来春までに発売される可能性はないだろうと話しているそうだ。
9to5Macによれば、AppleはAirPowerに関連する問題についてコメントを拒否しているとのこと。「AirPower」が年内に発売されるのであれば、4年ぶりにアップデートされる「Mac mini」やiPad史上最大のアップデートが実施される新型iPad Proの発表が期待される10月のスペシャルイベントがおそらく最後の機会になるだろうとしている。
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