
現在、ベータ版が提供されている「Android 16」は2025年第2四半期(4月〜6月)にリリース予定と案内されています。
Androidの正式配信は例年、第3〜第4四半期でしたが、今年は大幅に前倒しされる見込みです。
では、なぜAndroid 16のリリースが早まったのか?その理由は、開発プロセスの改善とGoogleのエコシステム全体の最適化にあるようです。
バグの少なさに自信、開発は順調に進行
Googleのプラットフォーム&エコシステム担当プレジデントのSameer Samat氏は、Android 16の開発状況について「これまでのリリースで、ここまでの時点でバグの数が理想的だったことは一度もなかった。でも、チームは本当に頑張っていて、今回それを実現できそうでワクワクしている。」とコメントしています。
So far, so good. I've never had a release where at this point the bug count was where I wanted it to be, but the team is working really hard, and we're excited about getting it there.
Android 16の開発は順調に進んでおり、6月までにリリースされる可能性が高いと考えられます。
開発手法の変更:Trunk Stableの導入
昨年10月に正式配信されたAndroid 15に比べて4ヶ月も早くAndroid 16のリリースを前倒しにできる理由は、Googleが新たに導入した「Trunk Stable」という開発プロセスにあります。
Sameer Samat氏によると、これまでの開発ではエンジニアがそれぞれ異なるブランチで作業し、6月ごろにすべてを統合していました。統合作業によって発生したバグを年末にかけて修正する必要があり、リリースまでに時間がかかっていたそうです。
しかし、Trunk Stableでは、開発者全員が同じブランチで作業するため、システム全体をより頻繁にビルドできるようになり、バグを早い段階で修正できるようになりました。これにより、統合作業にかかる時間が短縮され、開発スピードが向上しています。
Trunk Stable development means that everyone working on Android is contributing to the same branch of code,” said Samat. “We can build the entire system more regularly and more often. That’s opposed to all working on different branches, and then we merge them all at the end. Then we need a lot of time to work out problems and challenges.
つまり、Googleは開発プロセスそのものを改善することで、Android 16のリリースを前倒しすることが可能になったわけです。今年だけではなく、来年以降もAndroidのメジャーアップデートは、第2四半期にリリースされることになるでしょう。
リリース時期の調整:より多くのデバイスが早期にアップデート可能に
そもそも、なぜGoogleはAndroid 16のリリース時期を早める必要があったのでしょうか。
Googleは、この理由について「Androidを搭載するさまざまなデバイスの発売スケジュールに合わせるためです。これにより、より多くのデバイスが最新のAndroidを早い段階で利用できるようになる」と説明しています。
Androidメーカー各社は、新型iPhoneが発売される9月よりも前に最新スマートフォンを発売する傾向があります。
Geminiの最新機能をいち早く提供するなど、Googleと距離の近いSamsungは、毎年夏ごろにGalaxy Zシリーズを発売しており、Google自身も昨年からPixelスマートフォンの発売時期を夏に変更しています。
Android 16で追加される新機能
Android 16では、ロック画面の強化や大画面の最適化、セキュリティが強化されたフォトピッカーのUI改善が行われる見込み。
さらに、周りの人と一緒に音楽を楽しむために、一度に複数のBluetoothデバイスにオーディオを共有できる「音声の共有」機能(Auracast)がパブリックベータ版から発見されています。
Androidは四半期ごとの機能追加アップデートを急速に強化しており、OSアップデートはそれほど大規模ではなくなっています。
最近では、Android 16のデベロッパープレビュー版で初めて発見された「通知のクールダウン」や「機密性の高い通知」も、OSアップデートを待たずに機能追加アップデートで提供されています。
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